平野貞夫のISC政治塾 第5号 2008年4月11日
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平野貞夫のISC政治塾 第5号 2008年4月11日発行
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□□□□ 筆者 : 土佐南学会塾長 平野貞夫
□□□□□□□ 発行 : 誇れる国づくり魅力ある人づくり事務局
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『龍馬が生きておれば』
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3月29日、日本BSの「歴史のもしも」番組、「もしも坂本龍馬が暗殺されてい
なければ・・・」の収録に出演した。 司会が麻木久仁子。歴史物編集安田清人、
軍事ジャーナリスト田岡俊次、私で、議論風発した。
龍馬は暗殺される数日前、西郷隆盛から新政府の参議(現在の大臣)になるよう
勧められ、
「役人は嫌いだ。世界の海援隊でもやるさ」
と言って断っている。新政府で権力を私物化するような安っぽい人間ではない。
しかし、世界は龍馬に政界での活躍を期待したろう。
まず、西郷隆盛を説得して「西南戦争」を止めたであろう。さらに、龍馬が土佐
で種をまいた「自由民権運動」の指導者となり、国会開設に走り回ったであろう。
そして、土佐から衆院議員となり、明治議会で大暴れしたに違いない。龍馬の信
条は人間の尊厳を守ることであった。人間を出自で差別する社会を壊すことであ
った。明治新政府は藩閥官僚が支配することで、徳川幕藩体制と本質的に違わな
いことを、 龍馬は誰よりも早く見抜いたと思う。
日本の議会政治は、自由民権運動で国会開設運動を始めたときから、民権派と官
僚派の闘いであった。明治議会は両者の妥協でつくられたが、長州と薩摩の藩閥
官僚が支配したものだ。大正末期から昭和初期の議会は、軍部官僚に政党政治家
が支配され、戦争の道へと突っ走った。戦争に負けて創った新憲法下の国会を、
一言でいうなら、経済官僚の支配による政治であった。その典型が財務(旧大蔵)
官僚であり、道路官僚である。今日の日銀総裁人事や道路特定財源問題をみれば、
すぐ理解できよう。龍馬が暗殺されなかったら、官僚政治を許さず、選挙で選ば
れた政治家による、民意を尊重する議会政治を創り上げたと思う。
官僚の全てを悪者にするつもりはない。私自身、優れた官僚で政治家となり、戦
後の復興や福祉国家をつくり上げた先人たちから育てられた人間である。しかし、
官僚が組織として既得権を乱用するようになると、政治や経済、社会は混迷する。
古今東西、国を創るのも官僚、滅すのは官僚組織の硬直化である。
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万機公論に決すべし
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第2回講座で「道路財源問題の本質は何か」について説明したが、 福田首相は3
月27日に記者会見して、政治はますます混迷している。「特定財源は09年から一
般財源化」「ガソリン暫定税率は維持」を柱とするものだ。民主党の小沢代表に
党首会談を要請し、小沢代表は「一般財源化は評価する。一体化した暫定税率維
持を呑めということは矛盾であり、会談をやってもよいが、結果はわかっている」
ともう一声を期待している感じのようだ。各新聞の社説は、福田首相の提案を評
価して、党首会談に消極的な小沢代表を批判している。
新聞の論説諸君が福田自公政権にベッタリで、どんな主張をしようが自由である
が、 常識外れの話だと坂本龍馬から笑われ、馬鹿にされよう。
「おんしら、学校の偏差値は高かろうが、人間の偏差値は低いのう…」
と語ったと思う。どこに問題があるのだろう。
第一に、福田首相の提案は与党の合意を得ていないことだ。政党政治・議員内閣
制である。伊吹幹事長が
「党の了解したものではない。首相にこの程度の発言の自由はある」
と冷やかを通りこし馬鹿にしている。政治の運び方がわかっていない。
第二に、かの民衆独裁政治家小泉首相ですら、重要問題については早い時期、事
前に態度表明して、世論づくりをした。福田提案は2月末か3月始めに提言すべ
きことだ。さらに福田首相が「決してあきらめない」と懸命になっているのに、
翌日、町村官房長官は4月末に衆院で再議決すると放言した。国会のことを政府
高官が干渉する。こんな政治の乱れはかつてなかった。「万機公論に決すべし」
と叫んだ坂本龍馬は、日本政治の現状を怒っている。
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