相撲コラム「天下泰平記」
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相撲コラム「天下泰平記」
完成目前の安馬・完成途上の稀勢の里
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大相撲名古屋場所は9日目を終わった段階で、全勝の横綱白鵬を追ってい
た琴光喜と安馬が2敗目を喫し、優勝争いそのものは若干のトーンダウン
が否めない展開です。
琴欧洲の綱取りと両横綱の巻き返し、さらに若手の関脇・小結とが絡んだ
白熱の優勝争いを予想しただけに、白鵬の独走をあっさりと許さないよう
に、10日目以降の上位陣の奮起に期待しましょう。
白鵬はここまで危なげない相撲を取っていますが、先場所も9日目までは
圧倒的な強さを見せていました。わずかな違いは、雑に感じるほど簡単に
片付けていた先場所に比べ、丁寧に相撲を取っているところです。左上手
も浅い位置を引いています。
その打倒白鵬の一番手の安馬、9日目こそ敗れましたが、ここまでの相撲
内容は素晴らしいものです。立合いの当たりから押しは、威力も気合いも
充実、非の打ち所が無いほどです。以前の安馬でしたら、押しで攻め込ん
でも土俵際からの逆襲に屈することがありました。最後まで押しに徹する
か、四つ身にもっていくかの迷いがあったように思います。今場所は押し
の威力に自信が出てきたためか、最後まで押し切るか、あるいは四つ身に
移行するかの判断のタイミングの良さと、それを実行できる冷静さを感じ
ます。安馬の相撲の型が完成目前、つまりは大関目前との印象です。
しかし21日のブログ http://blog.sumomania.com/?eid=745645 で書いた
ように若ノ鵬戦は、今場所際立っていた冷静さが少し失われていたように
見えました。あの展開では、仕方ない部分もあるかと思いますが・・・。
後半戦は、とにかく1勝でも多く、積み上げてほしいところです。
さて名古屋場所展望号で最大の注目力士に上げた稀勢の里、今場所は18
日のブログ http://blog.sumomania.com/?eid=743806 のとおり、腰高が
目立ちます。稀勢の里の相撲は、昨年の九州場所から変わり始めました。
それまで多かった頭で当たる立合いは、仕切りの段階で重心が前に突っ込
み過ぎて威力は今一つでした。九州場所の後半から左肩で当たる立合いが
増え、そこから9勝・10勝・8勝・10勝と安定してきました。立合い
に圧力が出てきて、左四つの体勢にも早くなれるようになり、相撲のスケ
ールが大きくなってきたとの印象でした。
しかし相撲が長引くと腰高になるという難点があり、そのうえ初場所前は
161キロだった体重が、先場所は170キロに達し、さらに低い体勢を
保ち続けるために、足腰の強靭さが必要になってきました。相撲の型が完
成目前の安馬に対して、稀勢の里は型の完成への厳しい道のりを、今歩い
ている真っ只中です。
ところで http://blog.sumomania.com/?eid=745645 でも触れていますが、
先週号でほぼ全否定した稀勢の里の張差しについて、私も少し考えを柔軟
にすべきかなと思いました。琴奨菊戦での、小さい張差しからの相撲は、
腰の構えにしろ上手の引き方にしろ、今までに見られなかったほどの良い
相撲でした。ひょっとすると、ターニングポイントとなるかもしれません。
個人的に後半戦の楽しみは、やはり土佐豊ですね。
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