【家づくりの“プラス”ワンポイント】第99号:超長期住宅先導的モデル採択事業に観る今後の方向性
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┃┃ ┃第99号┃
┃┃家を建てる前に読む、家づくりの“プラス”ワンポイント┏━┛ ┃
┗┛ ┃2008/07/24┃
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■ 「いいものをつくってきちんと手入れして長く大切に使う」意識 ■
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4月11日から提案募集を開始した200年住宅のモデル事業(超長期住宅先導的
モデル事業)の結果が、国土交通省から先日発表されました。
このモデル事業は「いいものをつくってきちんと手入れして長く大切に使う」と
いうストック社会における住宅のあり方について、国(国土交通省)が主体と
なって進めている事業ですが、住宅とはもっとも身近な総合技術の集積です。
また、地域の資源を積極的に活用することによる地域の経済波及効果をはじめ、
山と海の自然と食を守る「環境」面でも、このモデル事業を通じてこれからの
住宅、地域経済と文化そのもののありかたが問われるものと、私は考えています。
そのなかで、603件という第一回応募のなかで、採択されたものは40件。
うち、仙台・宮城に関連した応募案件がなんと3件も採択されたことは、
これから大きな意味を成すものと考えても差し支えないでしょう。
ここで、今回採択された事業において注目すべきポイントがあります。
住宅は、多種多様な要素技術の組み合わせで成り立っています。
ひとつの技術要素で優れているというのではなく、長寿命化に向けた技術、
工夫や取組みが総合的になされているものが、今回高く評価されています。
また、高品質な設備や装置の設置を提案の内容とするものが見受けられたそう
ですが、耐用年数の短い設備等(たとえば水廻りに関連する給湯機器など)に
ついては、当初の性能が高くても、長期に性能を維持・更新していくことへの
配慮が欠けているものは、高い評価に結びつかなかったそうです。
この事業の趣旨から、むしろ、建築計画として設計上の工夫などの取組みを
相対的に高く評価しているとのことです。
このような評価観点の影響かもしれませんが、具体的に不採択になった提案企業
・団体は、主に全国規模の工務店ネットワーク、地域工務店の提案。
逆に、ハウスメーカーの提案は採択になったようです。
つまり、性能等を長期に渡って維持し続けるという側面から観て、履歴情報
(アフターサービス情報)の保管や維持管理などの仕組み(当然マーケティングと
ITへの深い理解と洞察がなければいけません)について、工務店ネットワーク
や地域工務店はハウスメーカーと比べて弱い、と国が判断したのでしょうか?
CRM(カスタマ リレーションシップ マーケティング)において、長年にわたって
ナマの現場に関わってきて、ひょんな偶然から建設業界に関わった私自身が
言うのもナンですが、工務店における新たな超長期のCRMビジネスモデルの構築が
必要になると国が判断したということなのでしょう。
つまり、このような取組みについて、住宅の長期的な安定性、内容の具体性・
現実性、さらにはその住宅を建てた会社が、新築時のみならず点検時、改修時
などでの対応、住んでいる家族がその家を大切にする、という意識を促す取組み
など、より超長期の維持・管理・更新等を視野においた取組みを高く評価した
そうです。
この戦略をうかがわせる内容として、今年の4月下旬に国交省自ら、この事業の
本質である「ストック社会のあり方を示す」目的と今回の募集で期待する提案に
ついて、国土交通省住宅局市街地住宅整備室の伊藤明子室長が自ら語っています。
国交省が考えていることは、「その建物を売ったり買ったりできるか?」
「フロー化できるか?」の2点。
この視点は、建て主の評価ではなく、将来現われるであろう買い手からの
評価を基準に考えているのです。
ベタな言い方をすれば、借り上げられたり、買い取られたりという仕組みを
建設・不動産という視点で、どうつくっていくのか?
端的にいえば、200年住宅は家づくりの「出口戦略」「顧客戦略」。
となると、いままでのように「お施主様が上で、建てる側は下」という
考え方だけで、単純に「お施主さまの要望を聞くだけ」の話では
すまなくなってきます。
はたして、「お施主様」という立ち位置が社会的に定着している現在の
「買い手」にとって、この考え方が受け入れられるものなのでしょうか?
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