大起週刊レポート【農作物・為替編】2008/07/07発行
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大┃起┃産┃業┃
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週┃刊┃マ┃ー┃ケ┃ッ┃ト┃レ┃ポ┃ー┃ト┃【農作物・為替編】┃
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2008/07/07 Vol.090 ━━━━
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■トウモロコシ -作付報告で需給逼迫リスク後退-
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<洪水に対する懸念が残る>
CBOTトウモロコシ先物相場は、米農務省(USDA)の作付報告を受けて一時735.
75セントまで急落した。ただ、その後は押し目を買い拾う動きが活発化し、70
0セント台中盤まで切り返している。米中西部で洪水被害被害が発生したものの、
6月30日に発表された作付報告では逆に作付面積が3月水準から上方修正されて
おり、極度の需給逼迫警戒感が後退している。価格高騰の影響で飼料需要など
も落ち込み始めており、7月4日の独立記念日を挟んで地合が完全に転換するか
が注目される。
<洪水被害の算出は8月需給報告待ち>
USDA発表の作付報告では、作付面積が8,732.7万エーカーとされ、意向調査の8
,601.4万エーカーから131.3万エーカーの上方修正となった。ロイター通信調査
の市場予測8,566.1万エーカーも166.6万エーカー上回っており、生産見通しは
大幅な上方修正を迫られている。イールドを6月需給報告の148.9Bu/エーカー、
収穫面積を7,894.0万エーカーで試算すると、生産高は6月需給報告の117億3,5
00万Buから117億5,400万Buまで1,900万Bu上方修正されることになる。これで、
在庫率も6月需給報告の5.4%から5.5%まで上方修正される。ただ、今報告には米
中西部を襲った洪水被害は十分に反映されておらず、あくまでも暫定的な数値
であることに注意が必要である。USDAは洪水の影響については7月中旬に再調査
を実施し、8月の需給報告にその結果を反映させるとしている。ただ、当面は今
回示された作付面積の数値を基本統計とせざるを得ず、洪水被害を背景とした
トウモロコシ需給に対する過度の逼迫リスクは後退している。
<シンキングは約1週間の遅れ>
USDA発表のクロップ・プログレス(6月29日時点)によると、シンキング進捗率
は前週の2%に対して3%に留まっており、前年同期の11%、5年平均の9%を大幅に
下回っている。ただ、これは1週間程度の遅れであり、作付・発芽期に2週間程
度の遅れが生じていたことを考慮すれば、これまでの遅れを取り戻しつつある
と評価できる。もっとも、作付・発芽の遅れは夏場のホット・アンド・ドライ
(高温乾燥)に対する耐性を弱めることになり、平年よりも気象環境悪化の影
響を受け易い生育環境となっている。
<短期的な調整リスクが高まるも>
作付面積報告がネガティブサプライズとなったことで、短期的な調整リスクが
高くなっている。特に、穀物市場は米独立記念日を挟んで地合が一変する傾向
にあり、注意が必要だろう。ただ、WTI原油相場の高値更新が続いていることや、
これから本格的な天候相場期を迎えることを考慮すれば、上昇基調が否定され
る可能性は低いと考えている。700セント水準を下値目処に強気スタンスを維持
したい。
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■大豆 -需給逼迫リスクが急浮上-
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<作付報告を受けて過去最高値更新へ>
CBOT大豆先物相場は、1,600セント台前半まで値位置を切り上げる展開。米農務
省(USDA)が6月30日に発表した作付面積報告がポジティブ・サプライズとなっ
たことを受け、過去最高値を更新した。今年は洪水被害が発生したことで暫定
的な数値ながらも、需給逼迫リスクを著しく高める内容となったことで、トウ
モロコシ相場に対する出遅れ感を解消する動きが強くなっている。
<在庫枯渇のリスクも>
USDA発表の作付面積報告は、意向調査の7,479.3万エーカーから7,453.3万エー
カーまで26万エーカー下方修正されている。ロイター通信調査の市場予測7,42
5.7万エーカーも下回っている。収穫面積が7,212.1万エーカーとされているの
で、6月需給報告で示されたイールド42.1Bu/エーカーから計算すると、生産高
は30億3,600万Buとなる。これは、6月需給報告の32億3,800万Buからは2億0,20
0万Buの下方修正となり、期末在庫1億7,500万Buはほぼ枯渇化することを意味す
る。マーケットが、作付面積報告の数値をサプライズと受け止めたことも首肯
できよう。トウモロコシ同様に、洪水被害は7月中旬に再調査を実施し、8月需
給報告の発表までは流動的な数値となるが、この数値を前提とする限りは、大
豆需給の逼迫リスクは極めて高いと言わざるを得ない。
<価格高騰でも需要は堅調>
急ピッチな価格高騰が続いてることで、トウモロコシでは飼料需要などを中心
買い控え傾向も強くなっているが、大豆に関してはレーショニングの動きは全
く確認できない。足元の輸出制約高は、USDAの年間予測を約1.5%上回っており、
今後は需給報告で輸出需要見通しが上方修正される可能性も低くないだろう。
こうした状況はかねてから指摘されていたが、ここにきて供給見通しが下方修
正される可能性が高くなっているだけに、需要見通しが上方修正される可能性
もクローズアップされている。南米からの供給が安定化すれば、米国産大豆に
対する引き合いも一服する可能性が高いが、需要と供給の双方から需給逼迫圧
力が強くなっていることは確認しておきたい。
<穀物相場の主導権は大豆に>
今年の穀物相場はトウモロコシに主導される形で過去最高値を更新したが、目
先は大豆相場にその役割は交替する見通し。足元の生産状況からは必ずしも相
場が高騰する必然性はないと考えているが、作付面積報告の数値がマーケット
で前提条件として受け入れられている以上、少なくとも8月需給報告の発表まで
は、大豆相場の上振れリスクは大きくなる。これからホット・アンド・ドライ
(高温乾燥)といった天候リスクに敏感に反応する相場環境に移行する中、大
豆相場は過去最高値更新を続ける見通し。
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■コーヒー -強くなる生産者の売り圧力-
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<150セント台に到達>
ICEコーヒー先物相場は、150セント台前半を中心に揉み合う展開。CRB指数が連
日の過去最高値更新となる中、出遅れ感のあった砂糖やコーヒー市場に対する
投機マネーの流入が加速している。6月中旬に約3ヶ月に渡って続いてきた130-
140セントのレンジを上抜けしたことでテクニカル面からも、買い圧力が強い。
ただ、主産地ブラジルでは好天を背景に収穫の遅れを取り戻す動きが強くなっ
ており、短期需給の緩和見通しに逆行する形の上昇相場となっている。155セン
ト水準では生産者からの売りも継続的に観測される中、上昇トレンドを維持し
続けることができるかが注目される。
<ブラジルでは好天で収穫が進む>
ブラジルでは多雨による収穫の遅れが懸念されていたが、6月以降は総じて好天
が続いており、これまでの収穫の遅れを取り戻す動きが活発化している。サフ
ラス・メルカドによると、6月24日時点の収穫進捗率は35%(前年同期は47%)
となっているが、Cocamar社はパラナ州の収穫進捗率は40%、同州北部では70%に
達するなど、収穫は順調に進捗している。同国最大のコーヒー取引会社Cooxup
eによると、ミナスジェライス州で10.5%、サンパウロ州で7.0%が既に集荷を終
えて、出荷待ちの状況にある。現状では155セント水準が生産者の売却開始価格
帯となっている模様だが、今後は新穀供給の本格化が短期的な現物需給の緩和
を促すことになるだろう。現地の気象予報会社ソマールによると、平年並みの
気温で乾燥した状態が続く見通しであり、今週も収穫は順調に進捗する可能性
が高い。砂糖に関しては、収穫の遅れで生産見通しが下方修正される可能性も
あるが、コーヒーに関しては多少の作柄悪化に留まる見通しであり、砂糖相場
の上昇に連れ高する必然性は低いと考えている。
<生産者は155セント水準を売り場と評価>
ブラジルコーヒー業者評議会(Cecafe)発表の7月1-2日の輸出高は、前年同期
の151,375袋に対して261,559袋となっている。ここにきて生産者の売りが上値
圧迫要因となっていることが確認できる。これから夏場に向かって新穀供給の
流通が本格的に開始される見通しであり、短期的には現物需給に緩和圧力が働
き易くなる。既にブラジルで過去2番目となる5,110万袋の生産見通しを相場に
織り込んでいる以上、トレンドは底打ちから上昇に向かうと考えているが、フ
ァンダメンタルズからは調整リスクが高まっていることに注意が必要だろう。
先週は155セント水準でまとまった売りが観測されており、単純にテクニカル主
導で値位置を切り上げることが難しくなっている。一時的に140セントを割り込
む可能性も低くないと考えており、130セント台での押し目買いを基本方針とし
たい。ただ、あくまでも上昇トレンドにおける一時的な調整安に留まると考え
ており、短期的な値幅取りを狙った売りは推奨できない。買い場を探す方針を
継続すべきだろう。
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■外国為替 -再び米金融政策の行方を占う相場に-
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<ユーロ高傾向に一服感>
ドル/円相場は、一時105円水準まで軟化したが、足元では107円水準まで切り返
す展開。ドル/円相場に関しては特に目新しい材料が見当たらないが、対ユーロ
でのドル安傾向に一服感が出ていることで、対円市場でもドルの買い戻しが優
勢となっている模様だ。欧州中央銀行(ECB)理事会、米雇用統計といった大型
イベントを消化したことで、再び米金融政策の行方を占う展開となる見通し。
<ECB理事会はユーロ売りを促す>
7月3日開催のECB理事会では、0.25%の金利引き上げが決定されたが、今後の金
融政策について具体的な言及は行われておらず、マーケットは早期の利上げは
ないとの見方が優勢となった。トリシェ総裁の記者会見では、「インフレ抑制
を図るのが最優先の目標」とされているが、今後の金融政策の舵取りについて
は「ノー・バイアス(方向性はない)」との発言を繰り返しており、マーケッ
トに追加利上げの言質を与えることはなかった。ユーロ圏の6月消費者物価指数
(CPI)は前年同月比+4.0%と高い伸び率を示しており、インフレ抑制目的の追
加利上げの必要性は高いが、米欧間の金利差拡大はドル安を経由してグローバ
ルマーケット全体のかく乱要因となるリスクがあるため、今後の金融政策に対
するフリーハンドを選択した模様だ。ただ、これによってユーロ/ドル相場では
ユーロロングの手仕舞い売りと同時にドルのショートカバーが先行しており、
他通貨に対してもドルは買われ易い地合となっている。もっとも、米欧を比較
してユーロが相対的に利上げを行い易い(利下げを行いづらい)環境にあるこ
とは変わりなく、ユーロ高・ドル安トレンドは持続されると考えている。ドル
の上昇は一時的な調整に留まるとみる。
<米雇用統計は利上げの可能性を否定>
7月3日に発表された6月米雇用統計では、非農業部門就業者数が前月比-6.2万人
(市場予測は-6.0万人)となり、6ヶ月連続で前月比マイナスとなった。製造業
以外にサービスセクターも鈍化傾向が強くなっており、雇用環境は一段と厳し
さを増している。賃金も物価上昇率を下回る伸び率に留まっており、消費環境
の底打ちにはなお時間が必要だろう。CBOT金利先物市場では年内0.305%の利上
げが予測されているが、インフレリスクが大幅に高まらない限りは、利上げの
可能性は低いとみている。しかも、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに踏
み切るような経済環境であれば、先にECBが利上げに踏み切る可能性が高く、い
ずれにしても米金融政策がドル高基調に発展する可能性は低いだろう。ユーロ
/ドル、ドル/円相場ともに、ドルに関しては戻り売りを基本方針にすべきと考
えている。今週は洞爺湖サミットが開催されているが、為替相場は特に議題と
ならない見通しであり、相場に対する影響は限定される可能性が高い。今週は
11日に米輸入物価指数、ミシガン大学消費者マインド指数の発表を控えている
が、全般的に手掛かりに乏しいことで、106-109円水準でのレンジ相場が想定さ
れる。ドルが再び108円台を試すようであれば、ドルの戻り売りを検討したい。
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■発行 大起産業株式会社
■レポート執筆 大起産業株式会社調査研究室 小菅 努
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■マーケット情報 http://www.asumiru.com/
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