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2008/07/14

大起週刊レポート【工業品編】2008/07/14発行

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  大┃起┃産┃業┃ 
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      週┃刊┃マ┃ー┃ケ┃ッ┃ト┃レ┃ポ┃ー┃ト┃【工業品編】┃
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 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2008/07/14 Vol.091 ━━━━
 
 
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 ※次回発行は2008/7/22(火)を予定しております。

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 ■金 -ECB理事会後のドル高で押し目形成完了-
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 <ドル高で一時910ドル台を試すも>
 COMEX金先物相場は、7月3日の欧州中央銀行(ECB)理事会後のドル高を受け、
 一時916.30ドルまで値位置を切り下げた。ただ、その後はドル高一服から押し
 目を買い拾う動きが活発化し、足元では960ドル台まで値位置を切り上げている。
 引き続き、ユーロ/ドル相場と強い相関関係が維持されており、ドル安連動の下
 値切り上げパターンがメインシナリオだろう。金上場投資信託(ETF)の信託財
 産も増加傾向にあり、需給面からも下値不安は後退している。3月の急騰に対す
 る修正としての日柄・値柄調整も十分に行われており、ドル安局面では素直に
 買いが入り易い地合となっている。
 
 <ドル安基調は不変>
 7月3日のECB理事会でトリシェ総裁が追加利上げの可能性について言質を与えな
 かったことで、ユーロ高・ドル安傾向に一服感が広がり、先週前半の金相場は
 上値の重い展開を強いられた。「米欧の金利差拡大→ドル安→金相場上昇」の
 フローが否定されたことで、短期筋が当面の利益を確定する動きを強めた模様
 だ。ただ、今週から米金融機関の決算発表を控えて、マーケットでは再び信用
 不安が高まっており、ドルや株といった「リスク」資産に対する売り圧力が強
 く、逆に債券や商品(コモディティ)といった「安全」資産が買われ易い地合
 となっている。特に証券大手リーマン・ブラザーズの経営不安や、米連邦住宅
 抵当金庫(ファニーメイ)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の資
 本不足などが重視されており、第二のベアー・スターンズが誕生するリスクが
 警戒されている。ECBの追加利上げの有無を留保するとしても、米信用不安から
 ドル相場の上値は重く、金相場の下落余地は限定されることになるだろう。米
 連邦準備制度理事会(FRB)は、日本のバブル経済時と同様に、低金利政策で金
 融機関のバランスシート改善を促している。だが、銀行間取引金利のLIBORはフ
 ェデラル・ファンド(FF)金利を上回る状態が続いており、信用市場では引き
 続きカウンターパーティ・リスクが強く警戒されていることが窺える。なお、
 3月にベアー・スターンズが破綻リスクに晒された際、金相場は一時1,033.90ド
 ル(3月17日)まで上伸している。
 
 <米金融当局の危機感は強い>
 こうした信用不安に対して、FRBは3月に緊急措置として設けた投資銀行に対す
 る直接貸し付け制度の延期、証券破綻処理に対するFRBの権限拡大など、金融シ
 ステム不安の解消に積極的に動き出している。ただ、これはそれだけ米金融セ
 クターが大きなリスクを抱えていることの傍証であり、手放しに先行きを楽観
 視することは難しい。サブプライム問題はピークを過ぎたと楽観視する向きも
 多いが、こうした見方は支持できない。金融機関の資金繰り悪化が続いている
 中で、インフレ抑制目的でも利上げを実施することは難しく、米欧の金利格差
 は維持される可能性が高い。米欧の金融・経済環境を比較すれば、ドル安連動
 で金相場は下値切り上げパターンを維持することになるだろう。今後も、ドル
 高から金相場で調整圧力が強まった局面は、押し目買いの好機とみている。


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 ■白金 -自動車市場縮小も、為替との連動性を維持-
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 <ドル安一服で調整売りが先行>
 NYMEX白金先物相場は、7月3日の欧州中央銀行(ECB)理事会後のドル高を受け、
 一時、1,937.00ドルまで値位置を切り下げた。自動車市場の縮小を示す統計が
 相次いで発表されたこともあり、市場には弱気ムードが広がった。ただ、その
 後は対ユーロでのドル安から再び地合を引き締め、足元では2,040ドル台後半で
 の取引となっている。ファンダメンタルズ関連では弱材料が目立ち始めている
 が、基調はユーロ/ドル相場と連動している模様だ。
 
 <南アフリカの生産環境は引き続き不安定>
 ロンミン・プラチナは、7月5日まで同社最大の精錬所で操業トラブルが発生し
 たことによって5,000-10,000オンスの生産が喪失されたと発表した。高炉内の
 銅製格子枠が破損したことで、修復作業を行った模様だ。ただ、1日時点では2
 0,000オンスの生産が喪失されるリスクも指摘されていただけに、マーケットの
 反応は鈍い。一方、南アフリカの包括労組COSATUは、8月6日からストライキに
 突入すると発表した。電力危機に伴う操業率低下を受けて、人員削減の動きが
 広がっていることに抗議するものである。実際の生産にどの程度の影響が生じ
 るのかは不透明感が強いが、アングロ・プラチナやインパラ・プラチナなども
 対象となっているだけに、注意が必要だろう。同国最大の鉱山労組である全国
 鉱山労働者組合(NUM)も7月9日から23日まで抗議活動を予定している。インフ
 レ圧力の高まりで賃上げ圧力も強くなっており、昨年同様に労働争議が電力供
 給問題で悪化している供給環境を一段と悪化させるリスクが警戒される。
 
 <米自動車市場の縮小はエスカレート>
 米調査会社オートデータによる6月の米新車販売高は前年同月比-18.3%の118万
 9,108台と8ヶ月連続で前月比マイナスとなったが、7月10日にはトヨタ自動車が
 北米3工場での生産ラインを約3ヶ月間休止すると発表するなど、自動車生産の
 下振れリスクは大きい。住宅価格の下落や株安による逆資産効果に加え、雇用
 環境悪化や物価上昇、ガソリン高などで消費者マインドは著しく悪化しており、
 自動車市場の先行き不透明感は強い。これまで好調だった新興国の自動車生産
 の伸び率も鈍化しており、自動車触媒向け需要は前年実績を下回る可能性も想
 定しておくべきだろう。
 
 <価格はドル相場との連動維持>
 ただ、それを考慮に入れても白金需給が2年連続の供給不足となるのを阻止する
 のは難しいとみており、需給面から売り込む状況にはないだろう。短期トレン
 ドは、1,800-2,000ドル水準を下値に、ドル安連動で下値を切り上げる展開が続
 く可能性が高い。1ユーロ=1.6000ドル突破からCOMEX金相場が900ドル台後半を
 試すのと連動して、NYMEX白金相場も3月高値(2,308.80ドル)を試す展開を想
 定している。


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 ■原油 -ドル安連動の下値切り上げパターンを維持-
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 <ドル高で一時急反落するも>
 NYMEX原油先物相場は、7月3日の欧州中央銀行(ECB)理事会後のドル高で一時
 135.14ドルまで軟化していたが、足元では140ドル台を回復するなど、ボラタイ
 ルな展開が続いている。イラン情勢絡みの地政学的リスクの高まり、中長期の
 需給逼迫懸念なども支援材料であるが、短期動向はユーロ/ドル相場の動向に強
 く依存しており、原油の独自要因を背景とした動きは鈍い。
 
 <IEA7月月報>
 国際エネルギー機関(IEA)が7月月報を発表したが、2008年の世界石油需要見
 通しが前月から日量8万バレル上方修正された。IEAはサブプライム問題を受け
 ての米景気減速などを背景に、過去5ヶ月に渡って需要見通しの下方修正を行っ
 てきたが、中国、中東、中南米などの需要見通しが上方修正されていることが、
 全体の需要見通しの上方修正につながっている。2009年の世界石油需要見通し
 に関しても、前年比+86万バレルの日量8,772万バレルとかなり強気の見通しが
 示されている。これは、少なくとも供給が前年比で日量86万バレル以上の増加
 とならない限り、来年にも需給逼迫構造が持ち越されることを意味し、現在の
 原油高は必ずしも投機的と評価できない。こうした中、OPECのアルバドリ事務
 局長は、「石油需要の低迷が予想される場合、OPEC加盟国は投資を行わないだ
 ろう」との見方を示し、生産能力の増強に否定的な見解を示した。また、「需
 要を上回った生産を行っており、9月の次回会合では需給バランスの見直しを行
 う方針」を示し、次の生産政策変更は、増産ではなく減産となる可能性さえも
 否定できない。需給逼迫状況は、2009年に持ち越される可能性が高いだろう。
 
 <投資規制の可能性>
 米議会では原油市場における投資規制が議論されているが、米商品先物取引協
 会(CFTC)のルーケン委員長代行は、原油相場上昇の共同操作が行われている
 証拠はないとしている。数週間以内に議会に報告書を提出する予定だが、デリ
 バティブ業界関係者からは「投機規制は有害」との指摘が相次いでおり、議会
 は難しい判断を迫られることになる。実際に投機規制が実施されれば相場は急
 落する可能性が高いが、現段階では規制実現の可能性を本格的に織り込む必要
 性を感じさせる状況にはない。
 
 <地政学的リスクは高まるも>
 ここにきてイランがミサイル発射実験を繰り返すなど、地政学的リスクも高く
 なっている。ただ、短期トレンドはドル相場に連動した展開が続く見通しであ
 り、金融機関の決算発表を受けてドル安トレンドが加速するか否かに注目した
 い。需給環境に関しては、積極的な売り材料にならなければ十分と考えている。
 150ドル台乗せを視野に入れた相場展開が続く可能性が高いだろう。


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 ■ガソリン -需給を無視した高値形成が続く-
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 <WTI原油相場と連動>
 東京ガソリン先物相場は、101,000円台まで軟化する展開。WTI原油相場の急反
 落や業転相場安から一時10万円台を大きく割り込んだが、その後はWTI原油相場
 の反発と連動して、下げ幅を縮小している。
 
 <価格高騰で需要の低迷は顕著だが>
 京浜地区海上渡し業転価格は、前週比+2,000の153,500円。週前半は上値の重い
 展開となったが、週後半にかけてWTI原油相場が急騰したのに連れ高している。
 石油情報センター発表のレギュラーガソリン価格(7月7日現在)は前週比+9.5
 円の181.5円となり、1987年の統計算出以来の高値を更新している。元売の卸値
 引き上げを反映した形だ。もっとも、石油連盟発表の推定出荷量(6月29日-7月
 5日)が前週比-6.7%の107万8,779キロリットルまで落ち込むなど、末端の需給
 環境はこうした価格高騰に対応できていない。在庫は前週比-1.7%の218万6,7
 99キロリットルと3週連続で減少したものの、7月1日以降は販売の低迷が指摘さ
 れており、価格高騰に伴う需要の減退傾向は顕著である。もっとも、原油調達
 コストの上昇で元売は卸値の引き下げをできる状況にはなく、末端需要の低迷
 にもかかわらず価格高騰の流れは維持される可能性が高い。石油市場の中では
 相対的に上値が重いものの、今後もWTI原油相場と連動した上値志向の相場展開
 を想定している。
 

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 ■灯油 -海外との価格差が縮小傾向-
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 <底堅い展開が続く>
 灯油先物相場は、112,000円水準の取引となっている。WTI原油や業転相場の急
 反落で調整売り圧力が強まる場面も見られたが、WTI原油相場の上昇基調は崩れ
 ていないと見る向きが多く、概ね前週末の価格水準まで戻している。
 
 <海外輸出の鈍化が警戒される>
 京浜地区海上渡し業転価格は、前週比-1,000円の116,500円。週前半のWTI原油
 相場の軟化につれ安している。石油連盟発表の週末在庫(6月29日-7月5日)は、
 前週比+4.6%の180万3,581キロリットル。推定出荷量が同-50.1%の15万0,771キ
 ロリットルと大きく落ち込んだ影響が大きい。原油と灯油のクラックが6月以降
 は横這いとなっており、スポット市場におけるに動きが鈍化している。海外相
 場との価格差は輸出諸経費等を考慮しなくて10,000円を割り込んでおり、輸出
 による利鞘確保は難しくなっている。国際エネルギー機関(IEA)は7月月報に
 おいて中間留分需給の逼迫懸念を表明しているが、短期的には灯油相場が他石
 油相場をアウトパフォームする必然性が低下している。


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 ■ゴム -原油の写真相場が続く-
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 <ファンダメンタルズに対する関心は低い>
 東京ゴム先物相場は、原油相場の急落を受けて一時332.70円まで値位置を切り
 下げたが、その後の原油相場反発で340円台まで切り返すなど、ボラタイルな展
 開が続いている。自動車市場の縮小やタイの供給環境安定化、上海ゴム在庫の
 下げ一服など、需給環境にはネガティブな材料が目立つ。ただ、国内相場の基
 調はWTI原油と連動する傾向が強く、ファンダメンタルズの改善を背景とした売
 り圧力は限定されている。引き続き、原油相場との関係性を中心に考える必要
 があるだろう。
 
 <タイの生産環境は正常化>
 タイ中央ゴム市場における未燻製シート(USS)の集荷量は、6月の平均で日量
 104トンに対して7月(11日現在)は131トンに達している。100トン台は安定的
 に確保できる状況となっており、200トンを超える日も散見され始めている。ま
 だ売り渋りの影響を払拭できないものの、集荷済みの荷をいつまでも手元に保
 管する訳にもいかず、除々に価格低下局面でも荷動きが活発化している。依然
 として、生産期としては集荷量が少ないとの印象が否めないが、積極的に買い
 進む程の材料ではなくなっている。生産地の気象環境も総じて良好であり、現
 在の高価格帯を支持する生産環境にはないとみている。
 
 <上海在庫は回復傾向に>
 上海期貨交易所の認証在庫は、前週比+3,435トンの2万2,395トンとなり、3週連
 続で増加した。3月7日の9万4,295トンから15週連続の減少で7万7,450トンの在
 庫が喪失されたが、約7%に当たる5,550トンを回復したことになる。依然として
 在庫水準が抑制されていることには変わりがないが、急激な減少傾向が一服し
 たことで、最悪期は脱した感が強い。既に集計地区別でみた際に、一段と在庫
 削減を進める余地は少なく、目先は2万トン前後で横這いとなる見通し。上海市
 場は投機色が強く荒れた展開となっているが、最近は寄り付き時点を除くと東
 京市場に対する影響は限定的となっている。
 
 <原油相場の動向が重要>
 タイの生産環境正常化、上海在庫の減少傾向一服、需要家の買い控え傾向、フ
 ァンド筋の買い一服など、需給面では弱材料が目立ち始めている。ただ、現在
 のゴム市場では需給よりも原油相場との関係性が重視されており、ファンダメ
 ンタルズからの高値警戒感は解消されづらい。原油相場との連動性が維持され
 る限りは、レンジ相場を基本としつつも上振れリスクが払拭できないだろう。
 テクニカル面では、引き続き一目均衡表の基準線をサポートラインとして注目
 している。下落シナリオとしては、需給相場への回帰、原油相場の急反落、フ
 ァンドの手仕舞い売りなどを考えている。


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 談室[名古屋市]:0120-706030、日本商品先物取引協会相談センター[東京都]:
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 ■発行      大起産業株式会社
 ■レポート執筆  大起産業株式会社調査研究室 小菅 努
 ■ウェブサイト  http://www.daikiweb.co.jp/
 ■マーケット情報 http://www.asumiru.com/
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