【JR全線全駅へ!つちぶた本舗の全駅訪問の旅】第119号「伊東線」
△▲━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▲△
2008年3月28日 《第119号》
JR全線全駅へ!つちぶた本舗の全駅訪問の旅
http://www.tsuchibuta.com/
毎週金曜発行
発行者:つちぶた
▽▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▼▽
こんにちは、つちぶたです。
今回は伊東線全駅を巡ります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■東海道本線・伊東線の旅(その2)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2004年9月10日(曇り・一時雨)日帰りの旅 〔全駅訪問通算62日目〕
〔前回の旅〕
(東海道本線)
東京駅→大磯駅→二宮駅→国府津駅→鴨宮駅→小田原駅→
早川駅→根府川駅→
〔今回の旅〕
真鶴駅→湯河原駅→熱海駅→伊豆多賀駅→来宮駅→網代駅→
宇佐美駅→伊東駅→
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●伊東線の素晴らしい駅舎たち
------------------------------------------------------------------------
■9:32 真鶴駅に下車しました。
「真鶴駅」
http://www.tsuchibuta.com/jr-east/toukaidouline-east/30manazuru/30manazuru.htm
島式1面2線のホームで、木造の古い上家が目を引きます。
ホームは築堤上にあり、眼下に駅舎と町並みが見渡せました。
ひとまず階段を下がって、駅舎へと向かいます。
駅前にはタクシーが何台も連なるロータリーがあり、
端には西武ライオンズのキャラクターが描かれたバスが停車していました。
駅舎は古い木造のものが建っていたのですが、
出入口に大きな庇が付いているうえ、横にはコンビニが建っていたりするので、
建物の全貌がほとんど分からない状態です。
どの角度から見ても駅舎がよく見えないなぁと思いながら、
ロータリーをぐるっと一周すると、
「豆相人車鉄道歴史街道」という小さな案内板を見つけました。
案内板には「城口駅跡」と書かれています。
「豆相人車鉄道(ずそうじんしゃてつどう)」というのは、
小田原〜熱海間の25.6kmを結んでいた鉄道で、
現在では考えられないことなんですけど、
人が客車を押して進む鉄道だったんですね。
私が最初にこの話を聞いたときは冗談かと思いましたが、
どうやらそうではないようで、
この人車鉄道という形態は日本中にあったそうです。
客車を人が押そうが、馬が引っ張ろうが、
レール(軌道)があれば立派な「鉄道」なんですね。
■次は湯河原駅に到着です。
「湯河原駅」
http://www.tsuchibuta.com/jr-east/toukaidouline-east/31yugawara/31yugawara.htm
島式1面2線で、こちらもプラットホームが一段高い位置にありました。
階段を下がって線路下のトンネルを抜けて改札口に出ます。
するとものすごい数の旅行者が駅前にいました。
時刻は10時を過ぎたところなので、
ちょうどホテルを出てこれから移動するという人たちなのでしょう。
それにしても平日(金曜)なのにずいぶんな人の数だなと思う。
これが土日だったら駅舎撮影どころではないかもしれない。
さて、駅舎を撮らねばと思うのですが、
駅前に付いた庇が大きくて、どこまで下がっても駅舎がよく見えません。
おまけに、それぞれ別になっているバス乗り場とタクシー乗り場も広くせわしない。
なんとなく白いタイル地の駅舎が見えるなぁ、
というところで妥協し、ホームへと戻りました。
■10:28 熱海駅に下車します。
「熱海駅」
http://www.tsuchibuta.com/jr-east/toukaidouline-east/32atami/32atami.htm
ホームではリュックを背負った旅行客がたくさん下車しました。
さすが温泉観光地・熱海だなと思います。
それはいいのですが、
改札口や駅前も観光客でごった返していてカメラを向けるタイミングがなかなか無く、
これはちょっと参ったなという感じでした。
仕方なく改札口の撮影はあきらめ、駅前に出ます。
駅前を取り囲むようにビルが建ち並んでいるためか、
温泉街という雰囲気はなく、都心の乗換駅といった印象を受けました。
しかしロータリーのわずかなスペースに、
温泉観光地の象徴「足湯」がありました。
これがあるだけでかなり雰囲気が変わりますね。
私も入りたかったのですが、時間に余裕がないので残念ながらスルーです。
その隣には、熱海軽便鉄道で使われた機関車が展示されていました。
当時の私はあまり興味がなかったのでこれもスルーしてしまいました。
なんたることか!不覚。
さて、熱海駅の駅舎なんですが、
駅前に付いた立派な庇とタクシー乗り場の屋根に隠され、よく見えません。
足湯の先の横断歩道を渡るとようやく見えるといった感じでした。
駅舎は切妻造で、正面に三角のファサードとドーマーが見えます。
もしかしたら結構古いんじゃないかと思うんですけど、
近くで見られないので確認のしようがありませんでした。
そんなわけで、私はホームへ戻ります。
途中、駅弁が売られているのを目にして、
「そういえば腹が減った」と思い、突発的に購入。
駅弁をぶら下げてホームへ上がりました。
するとホームには伊豆急の「アルファ・リゾート21」という、
ムーミンの顔みたいな形の列車が停まっていました。
これから乗る伊東線は、伊豆急も相互に乗り入れているので、
この車両にも乗れるのでしょう。
いや乗れるはず。ダメだと言われたらそのとき考えよう。
そう思って私はためらいなく乗車しました。
座席はテーブル付きで広々しています。
窓も大きく、まさにリゾート気分。
私はさっそく駅弁を広げて食べ始めます。
すると列車はすぐに発車しました。
弁当を食べながら風景を見る、というのは案外たいへんで、
下を見たり横を見たりで、なんだか落ち着かない気分です。
やがて5分ほどで来宮駅に到着します。
「ちょ、まだ食べ終わってない、ってもう着くの!?」
結局これは間に合わないと観念し、
次の駅まで乗っていくことにしました。
とはいえ、駅弁はまだ半分も食べていません。
私は一気にかっ込んで、次の下車までに間に合わせました。
弁当くらいゆっくり食べられる予定をたてろよな、と自分に愚痴るのでした。
■そんなわけで、伊豆多賀駅に下車しました。
「伊豆多賀駅」
http://www.tsuchibuta.com/jr-east/itouline/03izutaga/03izutaga.htm
ホームは相対式2面2線で、周囲は緑に覆われています。
一瞬、秘境駅か?とも思えてしまう光景です。
地下道で結ばれている向かいのホームでは、
何人かの高校生が列車の到着を待っていました。
ということは駅の近くに高校があるということなのでしょう。
駅員のいる小振りの駅舎に入ってみます。
駅舎は木造モルタル造の古いもので、味わいがあります。
窓枠や柱には斜めの彫りが入っていたり、
正面の小窓に斜め格子を配したりと微妙に凝った造りです。
建物財産表には昭和14年11月とあります。
なかなかの年代物の駅舎です。
駅舎を出るとすぐ、下へと向かう長く急な階段があります。
階段を下りきるとちょっとした広場になっていて、
そこに大量の原付バイクが駐車されていました。
原付ばかりで、普通の自転車が全くありません。
なんとなく異様な風景です。
さらに先の道を伺ってみると、道はさらに下の方へと急坂が続いており、
遙か下方に海が見えました。
なるほど、この勾配では自転車は意味がないな、
だから原付なのかと合点がいきました。
それにしてもとんでもない高所に駅があると思う。
毎日使っている人はさぞかし大変でしょうね。
私は駅前の道を少し見て、階段を上がり駅舎に戻っただけで、
もう気持ち悪くなっていましたから・・・。
■次は来宮駅に下車しました。
「来宮駅」
http://www.tsuchibuta.com/jr-east/itouline/02kinomiya/02kinomiya.htm
ホームは島式1面2線。
すぐ隣に東海道本線が走る線路がありますが、
そちらにはホームは無く、伊東線のみにホームがある状態です。
東海道本線の隣の一段高くなった築堤では新幹線が駆け抜けていきました。
そして線路の先を見ると、JR東海・函南駅へと続く
「丹那トンネル」入口が見えます。
駅構内的はかなり楽しめる構造ではあります。
階段を下がって1階の駅舎に向かいます。
有人駅のようでしたが、昼休みなのか窓口は閉まっていて無人状態でした。
駅舎はオレンジ色の瓦と白壁のコントラストが美しい洋風建築。
昭和10年築という年代物の駅舎です。
入口は妻と平の両面にあり、ロッカーも設置されています。
リゾート地の駅舎という雰囲気が漂います。
しかし時間帯のせいもあるのかもしれませんが、
観光客の利用は全くなく、少々寂しげでした。
私個人としてはぞんぶんに駅を観察できるので良いんですけどね。
■次は網代駅に下車。
「網代駅」
http://www.tsuchibuta.com/jr-east/itouline/04ajiro/04ajiro.htm
島式1面2線。ホームはぐぐっと曲がっており、
伊東駅方面を見ると先がトンネルになっていました。
ここもホームから階段を下がって1階の駅舎へ続いている構造です。
みどりの窓口もある有人駅ですが、
昼飯の時間ということでカーテンが閉まっていました。
駅前には「あじろ温泉」と書かれた看板を先頭に、
商店が続いていました。
駅舎は来宮駅と同じ昭和10年竣工の木造モルタル造で、
正面破風部分にある飾りが似ています。
車寄せ屋根の接合部分に補修された跡があったので、
もとは違った屋根が付いていたのかもしれません。
それにしてもすてきな駅舎です。
若干白壁がすすけていますが、
来宮駅よりも全体のバランスが良い感じに見えます。
で、網代駅から隣の駅まで、再びリゾート21に乗りました。
車内は多くの乗客がいて、窓側を向いた席に座っている人たちの
笑顔と笑い声に満ちていました。
私はドア付近の向かい合わせの席に浅く腰掛け、
そしてまたすぐ次の駅で下車します。
リゾート21を一駅で降りるって、かなりフラストレーションがたまる行為ですよ。
■そんなこんなで宇佐美駅です。
「宇佐美駅」
http://www.tsuchibuta.com/jr-east/itouline/05usami/05usami.htm
ホームは相対式2面2線。
間に架かる跨線橋は少し変わっていて、
階段が2段階に曲がっているって言うんですかね。
・・言葉での説明が難しいんですが、あまり見ないタイプの跨線橋です。
駅舎は昭和14年竣工のもので、網代駅のものとは若干建て方が違っています。
これは伊東線が開業した昭和10年当時は網代駅が終点で、
網代駅から伊東駅までの区間は昭和13年12月開業と数年の間があることから、
駅舎の形も異なっているのでしょうね。
で、駅舎の隣を見ると、洋風のきれいなトイレが建っていました。
そこには「旅のアシンル」と書かれています。
説明板には以下のようにありました。
『アシンルとはアイヌ語で便所のことです。
「どこから来た人びとも、そこで蘇生の思をする」という意味があります。
この地を訪れる人びとが心身共にリフレッシュされることを願い名付けました。』
トイレ一つとっても意味深いものがありますね。
言葉の響きが良いじゃないですか。「旅のアシンル」
「ちょっとトイレ」なんて言うよりも、
「僕はこれからアシンルへ行くよ」と言えば何だかさわやか。
今後使ってみようっと。
■で、あっという間な感じですが伊東線の終点、伊東駅に到着です。
「伊東駅」
http://www.tsuchibuta.com/jr-east/itouline/06itou/06itou.htm
ホームに降り立つと、驚くばかりの人、人、人。
のどかな駅をまわって癒された気分も吹っ飛びます。
ホームの構造は2面3線。
これより先は伊豆急行が続いています。
改札口に行くと自動改札設置の工事中もあり、大渋滞していました。
たぶんSuicaのタッチパネルがないこともあって並んでいるのでしょう。
ほとんどの人が立ち止まって精算していました。
※伊東駅には2004年10月16日から自動改札が導入されたそうです。
駅前ではたくさんの行き交う人、信じられないタクシーの数、
揺れる椰子の木、ならぶ土産物屋、人力車の呼び込み・・・。
これこそ観光地の駅前風景、といった喧騒でした。
駅舎は瓦葺きで一部2階建ての大振りなもので、
横須賀線の久里浜駅に少し似ている感じがします。
かなり大きな駅舎なので、駅前の通りまで出て駅を眺めていると、
突然雨が降ってきました。
ポツポツと来たと思ったらすぐに本降りになってしまい、
私は急いで折りたたみ傘を開きました。
ロータリーを一周して改札口に戻ってくるときには、
周囲の音をかき消すほどの激しい雨になってしまいました。
とりあえず伊東線全駅を降りたあとでよかったなと思います。
しかしこれから東海道本線に戻っていくつか降りるんだよなぁと
ネガティブな気分に陥りつつホームで列車を待っていると、
雨はやんでしまい、日が差してきました。
この日は9月10日でしたが、
まだ夏らしい気まぐれな天気が続いているようです。
その後私は日差しの強くなった陽光を浴びつつ、
大混雑の列車に乗って熱海駅へと戻るのでした。
つづく
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今回の真鶴駅のところで、「豆相人車鉄道」について少しふれましたが、
つい先日図書館に行ったところ、
「幻の人車鉄道 豆相人車の跡を行く/著者・伊佐九三四郎」
http://www.amazon.co.jp/dp/4309264166/ref=nosim/?tag=tsuchibutacom-22
という本をたまたま発見したので読んでみました。
この本の内容は、主に3章に分かれていて、
・日本全国の人車鉄道について
・熱海の人車鉄道と軽便鉄道について
・豆相人車鉄道廃線跡探訪記
といった話になっていて、大変面白かったです。
日本全国で存在した人車鉄道の数は20以上もあったそうで・・・。
普通の鉄道に比べ格安で設置できる、馬車のようにフン害も出ない、
人件費が安いといった様々な理由があったようです。
今ですら鉄道の敷設・維持はたいへんなものですけど、
当時は車がないので、人車鉄道でもあれば便利だということもあったのでしょう。
それと小田原から熱海の間は、地形がかなり問題だったようですね。
確かに今通っても、切り立つ山々、トンネルの数、蛇行した線路、
高低差などから敷設の困難さをうかがい知れます。
人車鉄道から軽便鉄道に転換する際も、
機関車が勾配を上がれず苦労したという記述もあります。
こういう歴史的苦労を知っておくと、
鉄道に乗ったときの有り難みが増しますねぇ。
それではまた来週お目にかかります。
最後までお読み頂きありがとうございました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
つちぶた本舗の全駅訪問の旅
発行者:つちぶた
HP :< http://www.tsuchibuta.com/ >
Blog :< http://tutibutablog.livedoor.biz/ >
Mail :< tsuchibuta@mail.117.cx >
発行システム:『まぐまぐ!』< http://www.mag2.com/ >
配信中止はこちら:< http://www.mag2.com/m/0000178352.html >
バックナンバー:< http://archive.mag2.com/0000178352/index.html >
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━