★★ 小林秀二の不動産ファイナンス・マガジン ★★
★★★ 小林秀二の不動産ファイナンス・マガジン 第19号(2008.2.9)★★★
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不動産ファイナンス・マガジンの第19号をお届けいたします!
目次
1.ニュースの裏読み 2つ
2.役立つファイナンス理論
3.お役立ち(書籍のご紹介2つ)
4.情報4つ
5.編集後記
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1.ニュースの裏読み
★ リートの海外投資解禁
国土交通省、金融庁、東証はリートの海外不動産投資を4月をメドに解禁す
る検討に入ったと報じられました。(日経12月11日など)これまで規制さ
れてきたのは鑑定評価の整備がされていなかったとのこと。この解禁は多く
の海外のリートにはない規制でしたので当然という気がします。海外からは
買いに来ているのにこちらは応戦一方な訳ですからJリートへの投資家が逃
げてしまいます。国交省は国土審議会で省案を決め業界に通知し、東証も上
場規定を見直すそうです。この指針は投資先の専門家と連携して現地情報を
反映しますが、日本の鑑定士も現地調査が義務付けられ、鑑定の最終責任を
日本の鑑定士が負う仕組みだそうです。
国内の不動産が買えず、外部成長に限界があるのは確かです。NBFもJR
Eも物件数は横ばい。実際に取得額も大きく下げています。今日の日経でも
2007年中に前年比32%減の1兆4600億円、件数は21%減だったそうです。
これは高くて買えないだけでなく、サブプライム問題に端を発した資金調達
難も原因になってきたようです。それでも購入先の選択肢が増えることは長
期的に見ても歓迎されそうです。
しかし心配も出てきます。たしかにリスク分散はできますが、専門特化から
離れ茫洋としたファンドになってしまう可能性もあります。絶対に間違って
いけないのは分散投資は投資家側がすればよいということです。ファンド・
オブ・ファンズに投資したほうがマシと言われないようにしなければいけま
せん。為替変動リスクやカントリー・リスクも追加されますので、投資家は
よく分からないものを嫌うホーム・カントリー・バイアスのような心理にな
る可能性もあります。
国土交通省の海外投資不動産鑑定評価のガイドライン(案)をまとめました。
現地で認定・公認された不動産鑑定評価基準に基づいて現地鑑定人との連携
共同作業により鑑定評価を行う」そうです。これには「現地鑑定人を補助員
として行う方式」と「現地鑑定人の鑑定評価を検証して行う方式」のどちら
かによるとされています。
それにしても現地の知識のない日本の鑑定士がどこまで役に立つのか疑問で
す。対象に違いや用語の刷り合わせだけで終わりそう。肝心の利回り等に関
しては、国際ファイナンスの知識が全くない鑑定士が、「この利回りは東京
と同じく5%くらいで」などと言いそうで怖い。クラクラしてくる。
海外の金利6%と日本の金利4%を大小を比べて意味がないってわかるのか
なあ。こっちの方がよっぽど重要なんだけど、また形式とかフォームだけ気
にするんだろうな。心配。
★ 動き出した不動産デリバティブ
ちいさな記事ですけど、不動産デリバティブの方も動いています。まとめて
みました。
大証は5月をメドに国内初のJリート・オプションを設定すると発表しまし
た。東証も5月から東証リート指数先物を新商品として導入すると発表しま
した。国際スワップ・デリバティブズ協会(ISDA)は日本で不動産デリ
バティブの標準契約書作成に着手しました。不動産インデックスのフォワー
ドとLIBORとの交換するTRSの2つです。
サブプライム問題に関連して信用デリバティブ取引が急増しているそうです。
想定元本ベースで30兆6000億円(3メガ9月末)で前年比2.2倍に
拡大。S&P CS住宅価格指数は10月主要都市平均6.7%減!
デリバティブではありませんが、金融庁は証券化商品のVaRとストレステ
ストを開示義務付けするルールを今年中にも作ると発表しました。
JR東日本は首都圏の大地震に備えた300億円の債券を発行しました。す
でに710億円の保険にも加入していますが、それに比べて早く資金を確保
できます。オリエンタルランドに続く2例目となります。ミュンヘン再保険
がSPCから欧米の投資家に販売。5年間で金利はLIBOR+2.75%。
これは従来の上乗せよりかなり低いと思う。
アレンジは野村證券ですが、これまで損害保険会社が独占していた企業向け
災害、CAT市場は証券会社が参入してきたため競争が激化したのが理由か
もしれない。三菱UFJ証券も大災害損失のための金融商品の開発・販売を
発表しています。保険市場が金融市場に呑みこまれるのを目撃できる時代か
もよ。
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2.役立つファイナンス理論
Q Which of the following statements about dividend policy is FALSE?
A. The clientele effect suggests that companies should follow a
residual dividend policy.
B. Bird-in-the-hand theory states that a company will maximize
its value by setting a high dividend payout ratio.
C. The tax preference theory states that investors prefer stocks
that pay low dividends to stocks that pay high dividends.
D. Dividends irrelevance theory states that dividend policy has
no effect on either the company’s value or its cost of capital.
Answer A
顧客効果理論は、高配当を好む投資家を引き付けるときは配当を上げ、キャ
ピタルゲインを好む投資家を引き付けたければ配当を下げる。Aは残余配当
モデルの説明。Bは、ことわざで言うと「掌中の一鳥は叢中の二鳥に値す」。
配当性向を高くする。Cの節税選好説では投資家は低配当を好む。Dは配当
無関係説でMM理論。
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3.お役立ち(書籍の紹介)
★ 新しい会計情報の概念を知りたい人に
「財務会計論 スタンダードテキスト1・2」
中央経済社 秋葉賢一著
2006年より会社法が施行された訳ですが、その内容を深く知りたいとき
はこの本がお勧め。今のところこれしかない状態。ここ10年の「会計ビッ
クバン」で会計情報は変質してきたわけですが、会計研究者と出版社は流動
的な改正に追従することを諦めできたのです。
せっかく本を出してもすぐ変わってしまうのでそれもしょうがないのかもし
れません。簿記や税務を学んだり、会計士になるための本なら出ていたので
しょうけど。それでやっと買っていい時期になったというわけです。
★「不動産ファイナンス入門
―リスクマネジメントのための不動産金融工学―」
体裁:A5判、320頁、ハードカバー
定価:3,780円(本体3,600円+税)
発行:株式会社ビーエムジェー
発売:丸善株式会社
第2刷も売れています!
ビジネス街の本屋さんでしか見かけないけど。探してね。
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4.情報
★ 企業金融工学フォーラム
2月25日(月) 18:00 - 21:00
三菱ビル コンファレンススクエア 有料
「インフラファンド、産業REIT、リアルオプション」
「ファンドを活用したインフラ整備の方法」
「文献紹介:インフラファンドとリスク保証のあり方」
「社会資本整備にリアルオプションの概念を適用する視点」
日本リアルオプション学会
問い合わせ 川口研究室
http://www.realopn.jp/pub_2007_5.htm
★ 不動産マネジメントフォーラム2008年
3月4日(火) 9:30−18:00 有料
ハイアット・リージェンシー東京(西新宿)
「どうなる! 2008年の不動産投資市場
環境悪化で停滞するマーケット? 次なる成長の活路はどこか?」
綜合ユニコム 主催
http://www.sogo-unicom.co.jp/pbs/forum/pmf/2008/
★ 東大まちづくり大学院 イブニングセミナー(公開講座)
3月6日「丸の内開発の課題と展望」
3月18日「発展するホテル産業―日本と世界のいま」
3月27日「まちづくりと司法
−都市開発訴訟からみる快適な都市づくりへの課題と展望−」
18:30〜20:30 無料
問合わせ等 http://www.due.t.u-tokyo.ac.jp/mps/event.html
★ 日本不動産金融工学学会 定期大会
3月15日(土)
早稲田大学大学院ファイナンス研究科【コレド日本橋】
詳細未定 http://www.jarefe.com/
小林も発表します
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5.編集後記
最近、仕事の合間に日本橋めぐりをしました。蛎殻町にある「東京穀物商品
取引所」、堀留町の「東京工業品取引所」、兜町の東京証券取引所と回りまし
た。アポなしでも大丈夫。ファイナンスを学ぶあなたが取引所に行ったこと
がないなんて・・・必ず行くべきです。あと要予約ですが本石町の日本銀行
もお勧め。隣の貨幣博物館で金融の歴史を学ぶべし。それから、亀島川から
日本橋川もクルーズにも行ってきました。実は日本橋は川から見ると面白い。
むかしの取引物資は舟で運んでいたのでビルの装飾なんか川側が凝っていた
りするのです。さあ春になったら、書を捨て市場に行こう!
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