ドイツ発 わが輩は主夫である
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●ドイツ発 わが輩は主夫である 【その63】
● (2008/06/26 発行)
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わたくし、高松平藏は
妻の故郷、ドイツのエアランゲンという街に住んでいます。
ここでは3人の子供たちに日々翻弄される、兼業主夫。
そんな私のコラムをお送りします。
(エアランゲンってどこ??→ http://www.interlocal.org/Erlangen.htm )
□□ 今回の目次 □□
★【コラム】育児に関する自信と情報
★ 執筆後語
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『ドイツの地方都市はなぜ元気なのか
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◇拙著について◇
http://www.interlocal.org/b_cityquality_top.htm
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http://www.interlocal.org/note.htm
・アスパラガスと食文化
・インターローカル・ブックになるか!?
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------------------------------------------------------【お知らせ】--
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育児に関する不安と情報
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自分の子供が問題になるようなことをしないか?
そんな不安を持つ人がけっこういるらしい。なぜ
不安になるのか、『情報』という側面から考えて
みた。
■■最悪の事態■■
子供たちが通う学童保育をかねた幼稚園で保護者向けの育児に関する連続セミナーが
毎年行われている。希望者だけが来るので10人程度か。専門家が中心になって、話が
すすんでいく。これまで小さな子供を前提にした『育児』セミナーだったが今年は10
代の子供を想定した内容だ。
妻は毎回参加しているが、いつも宿題が出る。セミナーを終えて帰宅するのは夜の10
時とか11時ごろになるのだが、それにもかかわらず毎回妻は『宿題』を一 緒に考え
てくれ、とくる。結果的に議論に展開するので、私たち夫婦にとって、子供とどう向
き合うかを言語によって確認する機会にもなっている。
さて、ある日のテーマは10代に入った子供に対する親の不安というものだった。それ
を受けて、『自分の子供のことで、最悪のことは何か』を考えるというのがこの日の
宿題。具体的には人を傷つけたとか、泥棒をした、とかそういう問題になるようなこ
とである。おそらく、自分がもっている不安を整理してみてくださいというような意
図があるのだろう。
■■原因対策から考える■■
しかしこの日は、『宿題』に対して私は疑問を持った。もっと考えなければならない
のは、なぜ親は不安を持つか、という点ではないかということだ。
これに対して、『親は自信を持つことが大切』といったような話を先生はしたらし
い。これはもっともな話であるが、『原因対策』の視点からもう少し考える余地があ
ると思えた。
たとえば、わが妻も例外なく(?)、ほかのお母さんや子供を持つ友達と話しだすと
長くなる。そこでは子供のことが話題にのぼることがある。
どんな話題かといえば、程度はまちまちだが、どちらかといえばネガティブな話が多
い。
逆にいえば、いい話は話すべき話題になりにくいのだ。話せば自慢話になってしまう
ということもあるからだろう。
さらにメディアが加わる。
ドイツでも数年前に学生が銃を乱射するといった事件があったが、ここまで大変な事
件でなくとも、10代の子供に対する不安はいろいろあるだろう。
たとえば暴力、ドラッグ、飲酒、ボーイフレンドやガールフレンドとのセックスと
いったようなことである。
メディアではこういった一種のリスクをとりあげ、親はどう対処すべきか、といった
ようなことで喧(かまびす)しい。メディアというのは、どうしても、『いい話』よ
りも『センセーショナルな話』のほうがとり上げる傾向が強い。
つまり、実生活での生身の情報交換もメディアで流通している情報も不安をかきたて
るもののほうが多いということがいえるのではないか。
■■『親』の情報マネジメント■■
情報と育児で思い出したのが、何年か前に読んだ日本人専門家のインタビューだ。
最 近のお母さんは情報の収集量がものすごく多いが、それを育児に反映できている
どころか、情報過多によって、かえって育児に対して不安になるケースがある。確か
そんな話だったと思う。情報が十分あっても育児の『実技』にまでつながってこない
ということなのだろう。日本の社会的な事情でいうと、核家族化によって世代間の育
児実技が伝達しにくくなり、情報に頼らざるを得なくなっている、ということも考え
られる。
情報化社会とひっかけて、一般によくいわれることだが、これだけ情報量が増えてく
ると、われわれは情報を収集するときに、どういった取捨選択をしているのか とい
うことが重要になってくる。別のいいかたをすれば、自分が日常的に取り込んでいる
情報はどういった性質のものが多いかを自覚することも必要といえるだろう。これは
現代の『親』にも必要な課題ではないだろうか。
■■感受性■■
ひるがえって、妻の日常の情報流通などを観察していると、前述したように、まず保
護者同士のあいだで不安を喚起する情報の流通量が多い印象を持つ。また一般に教育
レベルの高い人ほど、メディアからの収集量が多く、その分不安に駆り立てられる材
料も多いように思える。
ヒトの育児はもはや『本能』はあまり頼りならない。また世代間で育児にまつわる実
技がうまく伝わらないという問題もあるだろうが、それ以上に世代間の育児環境がか
わりすぎるという事情もある。そういったことが『親』の熱心な情報収集に結びつく
のであろう。
そんなことを考えると、親として自分が収集している情報のマネジメントも必要だ
が、同時に子供の身体(精神・体)をしっかり自分の五感で受け取るような感度を自
覚的に磨く必要がある。この感受性と情報が結びついたときに自信の伴った『実技』
になるのだと思う。(了)
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執筆後語
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◆毎回、家族の誕生日には妻の両親も揃ってやってきて、夕食をともにするのが習
慣。今週の月曜日は妻の誕生日でした。さて何を作ろうかと、あれこれ妻や子供たち
との『会議』の末、ざるそばとかき揚に決定。
◆日本ではちょっと考えられない『誕生日メニュー』ですが、ドイツでは珍しい『日
本料理』。それに義理の両親は二人とも日本料理が好きで、とりわけ岳父の食べっぷ
りはなかなかのもの。そんなわけでこちらも妙に気合がはいる。
◆この日曜日には、またしても義理の両親と一緒にとある野外劇場へ行く予定。我が
家の年中行事ですが、たいていお弁当は巻き寿司。岳父なんぞはヘタすると芝居より
も弁当を楽しみにしているようにも見えるが、さていかに。この日曜日は朝から寿司
作りです。(高松 平藏)
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