出たっきり邦人【中南米・アフリカ編】251 南アフリカ
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■□■出たっきり邦人・中南米・アフリカ編・08・01・11・251■□■
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〓 南アフリカ・ヨハネスブルグ 発〓
あんなの南ア体験記
第34回 ナイズナ前編
新年明けましておめでとうございます。本年も「出たっきり邦人中南米アフ
リカ編」を宜しくお願いいたします。
クリスマス休暇が明けて今週から始業開始したところがほとんどだけれど
周りも私も未だ休みボケが抜けていない感じ。
前回、旅行へ出かけるとちらっと話したけれど、ナイズナ(Knysna)という
牡蠣の養殖で有名なラグーンと森のリゾート地を訪れ、その街から6km
離れた海が見えるセルフ・ケータリングのフラットに滞在。
いやぁ旅行、特に海が見えるところに行くと南アっていいところなんだぁ
って思う。ヨハネスにいたらただただ南アが嫌になって不満ばかりが募っ
てくるんだけれど、こうやって美しい海を見ていると南アも悪くないんだ
なぁって。
人間、水に癒されているんだと思う。普段無意識かも知れないけれど。嫌
なことがあったら海や湖を見に行ってみてください。心が落ち着くはず。
ただ遠かった。行きは3日かけて1400km走った。休みながらと言えども
もう車はうんざりになる。この17日間での走行距離は3600km。稚内から
鹿児島まで約3000kmなのでちょっとびっくり。
今回は比較的長期滞在だったのでセルフ・ケータリングの宿にした。毎日
外食は飽きるし、お金もかかるし、何しろ私は絶対に日本食が恋しくなる
と思い、そうめんやうどんを積んでいった。
宿は木造一軒屋でドイツ人夫妻が2階と3階に住んで1階を人に貸している。
残念なことにベッドとソファがゆっくりと寛げる代物ではなかった。ゲスト
にお金をかけていないのは明らか(笑)。ベッドはまぁそれでも寝れた。
でもソファは長時間座っていられなかった。
そしてテレビ。テレビはあるが、上とリンクとしており彼らが見る番組を
必然的に見ることに。彼らがチャンネルを変える度に私達もそれに付きあわ
され、彼らが見る映画を一緒に見る。
ボリュームも調節不可能。一応宿の冊子には「見たい番組があったら教えて
ください」とあるけど...。別にそこまでして見たいわけじゃないし。ま、お
手頃価格だったから文句言えない。
オーナーのドイツ人夫妻は気さくだった。旦那は以前プロのハンターだった
らしく部屋には実物大のライオンやチーターの剥製が寛いでいた。実物大の
象の耳の皮が壁に掛けてあったり(もう今は象狩りが禁止らしいけど)。
もう引退したのかな。旦那は50代半ば、奥さんは40歳くらい。あまり働かず
毎日のんびり海を眺めて暮らしているのかな。住みたいところに住む...か。
ちょっと自分の人生を見つめ直してしまった瞬間だった。
ナイズナの街自体はとてもコンパクト。可愛らしいお店やレストランが並
び、歩いているだけで楽しい。そう何しろ街を闊歩できるということがす
ごく嬉しかった。こんなどこの国でも場所でも当たり前のことがヨハネス
ではできないんだなぁと自分達がちょっと不憫に感じてしまった。
そして自然も豊富。ナイズナには二つの崖がありそこを門の様にしてイン
ド洋の海水が流れ込んでラグーンが作られている。崖は「The Heads」と
呼ばれ、私達はここを小ハイキングした。
右を見れば雄大で真っ青なインド洋が臨め、左を見たらラグーンで優雅に
ヨットやスピードボートに興じている人達、岸辺には街や住宅が広がり、
その向こうに山脈が連なりとても美しい景観だった。そして崖上に高級住
宅が広がる。こんなところに住むのはお金持ちの特権なんだろう。ちょっ
と怖い感じもあるが、地震も台風もないからね。
そして一番楽しみにしていたビーチでごろごろ。南アの海全般に言えるこ
とだが、何しろ水が冷たい!絶対に南極の氷水が流れて来ているのだと思う。
まず足をつけて「ぎゃー、冷たい」でも波が押し寄せる度に足だけを慣ら
していく。そして太もも。更に時間をかけてお腹。そしてお腹まできたら
あとはもうひたすら泳ぐ泳ぐ。泳いで早く身体を慣れさせる。
ようやく慣れて心地良くなってきた頃にそろそろ砂浜に戻るかと。日差しが
強いので身体はすぐに温まる。でも一旦戻ったら再度海に浸かるのはまた恐
怖。私はこんなに入水に怯えているのに、他の人達は全く水温が気になって
いなさそう。
ある人に「水が冷たくて」と言ったら「そんなに冷たいかな?リフレッシン
グじゃないか」なるほど、そういう考え方もあるか。確かにリフレッシュす
るけれど、私にとって海は気合を入れるものではなく、快適に入ってぱちゃぱ
ちゃやりたいもの。あぁ生暖かい海が恋しい。
そして波が高い。ボディボードで楽しんでいる子供達も沢山いたけれど、のん
びり泳ぐ、という感じのビーチは少ない。でもいいの、こうやって海をぼーっ
と見ているだけですごく癒された。普段見られないからその分まで見ておこう
と、じーっと凝視していたりね(笑)。
滞在中もう1つ嬉しかったことは日照時間が長かったこと。特に夏至(南
アでは)前後に滞在していたので、7時でもまだ明るい。普段ヨハネスで
は7時のニュース時には暗くなり始めるのに、ここでは夕日を浴びながら
同じ番組を見ることに。勿論夕方ビーチを散歩したこともあったけれど。
8時過ぎにようやく暗くなり始めたのでヨハネスより1時間くらい長かっ
た。まぁ1000km以上も南下すればそうなるのだろう。その代わり冬は5
時には真っ暗なんだろうなぁ。
天気はずっとすこぶるいいわけではなく3日のうち1日超晴天、1日晴れ
&曇り、1日雨という感じ。だから滞在中3日は好天気に恵まれた。参った
のがクリスマスの日。
この日は朝から雨。空は厚い雲に覆われ天気の回復は見込めなさそう。今
日は何ができるのだろう。南アではクリスマスは家族で集まり、朝は教会
へ行って、ランチをのんびり長くとってゆっくり過すのが一般的で、お店
は悉く閉まる。
観光パンフを見て「雨天時にやれること」の欄を見る。1つ目、ビール工
場訪問、2つ目、古本屋巡り、3つ目、映画を観る、4つ目、スパ。
ビール工場は観光客相手だからやっているだろう。確認しようと電話番号
が見当たらなかったので観光案内所に電話する。誰も出ない。観光地なの
に案内所やっていないの?この怠け者!と私が怒っていたら夫が「君はク
リスマスを分っていない」。
そういう夫は洗礼を受けたカソリック教徒なのだが、クリスマスでさえも
教会に行かない。私が行きたい、と言えば行くのだろうが、すっかり「な
んちゃってクリスチャン」と化している。
何故教会へ行かないのか聞くと、子供の頃、寄宿学校で毎朝6時に礼拝さ
せられたらしい。それが相当苦痛だったんだろう。もう教会へは一生分行っ
たからいいんだって。そういうもの?
因みに寄宿学校と聞いて、お坊ちゃん?と思った人もいるかも知れないけ
れど(実際、私は初めて聞いた時そう思った)南アではごくごく平凡の家
庭の子供が寄宿学校に行っていたらしい。今は知らないが。
とりあえず篭っていても仕方がないので街へ出ることに。
見事にどのお店も閉まっていた。インターネットでも…と思ってもやっぱ
りネットカフェも閉まっていた。観光案内所も閉まっていた。そこにビー
ル工場の電話番号が貼ってあったので電話したら留守番電話になってしま
った。
最後の手段、映画だ!映画館はやっているだろう、と思ったのに。
映画館というか映画所というのか。2本の映画しかやっていないようだが、
見事に閉まっていた。
ヨハネスとか都市の映画館ならやっていると思うよ。まさか映画館までも
が、とかなりがっくりした。
ウォーターフロントへ行ってみる。ここでは数軒レストランが開店してい
た。そこでランチをすることに。一応「家族ランチ」をする日だから当て
はまったことをしている。
ランチを終えた頃に雨が上がった。ビーチでも散歩しようとビーチへ行く。
曇ってはいるが雨が上がったからか結構人がいた。凧揚げしている人、泳い
でいる人、貝殻拾いをしている人、ジョギングしている人。日差しが強かっ
たら散歩しようとも思わないが、こういう天候だと歩きやすい。1時間程砂
浜を歩いたかな。
そして帰ろうと高台にある駐車場へ向かっていたら、誰かが「いるかがい
る」と教えてくれた。海を見ると確かにいるかが何頭か群れになって泳い
でいた。ビーチにいたら気づけなかった。何といいタイミング。
あっという間にいるかはその場所から見えなくなってしまった。夫はいる
かが移動したところへ行く、と別の展望台へ車を走らせる。
そこで海を見渡したら…いた!20頭はいただろう。ぴょんぴょんと海上を
跳ねるいるか。双眼鏡があったら良かったのだが、肉眼でもよく見えた。
シーズンが終わってしまったのでいるかを見ることはないだろう、と思っ
ていたけれど、私達にとってささやかなクリスマスプレゼントになったよ
うだ。
後編へつづく
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