Let's Enjoy Music! おもしろ音楽院 【 07/09 第49号 】
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お も し ろ │音│━│楽│━│院│
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2007年9月号 vol.49
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※2.ここの記事を無断転載しないでください。
■□■ 残暑お見舞い申し上げます ■□■
先月号で「猛暑はどこへ行ったのか?」と書いたのがいけなかったの
でしょうか。その後、まるで思い出したかのように北海道は気温が上が
り始め、本州から観光で来た人が「暑い〜」と漏らすほどでした。世界
陸上を控えた日本選手も涼しい北海道で調整しようとやってきていたよ
うですが、「本州にいるのと変わらない」とテレビの取材でぼやいてい
ました。とにかく、急激に温度が上がったり下がったりするのはやめて
欲しいものです。
みなさんもどうぞご自愛ください。
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★☆INDEX☆★
1.「今月のKitene」
2.「難しい曲への挑戦 その5」
3.「モーツァルト殺人事件を追え!〜特別編〜Part5」
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1.「今月のKitene」
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バーチャルコンサートホール「Kitene」では毎月演目を変え
てオンライン発表会を開いています。今月のプログラムは下記の
通りです。
《9月の催し》
◎ オンライン発表会
1.アンダンテ:Ariko(中1)& isoe
2.南国の薔薇:Yukari(中1)
◎ DELTA
1.G線上のアリア
2.埴生の宿
◎ 「カラクリット・ゼン=マイスキー博士の大発明」〜'04ピアノ連弾
コンサートより
(ストリーミング動画)
※このプログラムを見るためには Quick Time が必要です。
●バーチャルコンサートホール「Kitene」
http://homepage.mac.com/naoki_isoe/kitene/
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2.「難しい曲への挑戦 その5」
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〜 感動はエネルギー 〜
自動車を動かすためにはガソリンが必要であり、パソコンを動かすた
めには電気が必要です。そして、人間も食べ物を摂らなければ、動くこ
とも生きていくこともできません。そのように、何かを動かすために必
要な物、それがエネルギーです。そして、人の心を動かすエネルギー、
それが「感動」です。
音楽には大きな力があります。人の心をリラックスさせたり、励まし
たり、慰めたり、気持ちを高揚させたり等、様々な働きをします。音は
空気の振動ですから、それが何らかの役に立っている場合もあります
が、多くの場合は音楽によって伝えられた「感動」が、聴いている人の
心を動かします。では、聴いている人に「感動」を伝えるためにはどう
したら良いでしょうか?
そのためには、まず「自分自身が感動する」ことです。楽譜はただ音
符が並べられているだけではありません。作曲者は自分の感動をその曲
に込めています。それをどれほど感じているでしょうか。作曲した人の
考えや気持ちを楽譜からくみ取っていくことが大切です。しかし、最初
から楽譜を見てそういうことを感じるのは難しいでしょう。その場合、
プロの演奏を聴くことが一番手っ取り早いです。
CDの演奏などをよく聴いて、どんな感動を伝えようとしているかを考
えましょう。そして、自分の心が何かを感じた部分を覚えておきましょ
う。何かを感じたということは、その部分で自分に感動が伝わったとい
うことだからです。そして、今度は自分が感じた感動をもっと大きくふ
くらませて、演奏に込めていくようにします。ただし、生半可なことで
は感動は伝わりません。自分の心にあるものが他の人の心に伝わるまで
にどれだけのプロセスがあるかを考えてみてください。
まずは感動という複雑な脳内の反応を処理して手の運動として神経回
路に伝えます。脳の指令に従って手が動きます。手の動きに従って鍵盤
が動きます。鍵盤の動きに従ってハンマーが動きます。ハンマーの打撃
によって弦が振動します。弦の振動で音波が発生します。音波はピアノ
の中で共鳴して部屋の空気に伝わります。部屋の空気に伝わった音波が
聴いている人の耳に届きます。耳から入った音波の信号が神経回路を伝
わって脳に達します。そのようにして伝わった情報を脳が分析し、最後
に複雑な処理をしてようやく感動が生まれます。
ざっと考えてもこれだけのプロセスがあります。実際にはもっとたく
さんの複雑な行程があるのです。そうしたプロセスを飛び越えて感動を
伝えるには、大きなエネルギーが必要です。つまり、演奏している人が
強い感動を抱いていなければ、決して聴いている人には伝えられないの
です。
難しい曲を征服するためには,辛抱強さと、何が何でもやり遂げよう
と言う熱意が必要です。それを支えるエネルギーもやはり自分自身の
「感動」です。色々な音楽を聴き、色々な体験を遠して「感動する心」
を養うことも、自分自身のレベルアップのために大切なことなのです。
さて、このシリーズも次回が最終回です。作曲者の気持ちや考えをど
うやって汲み取ることが出来るか,次回はそのことについて述べたいと
思います。
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3.「モーツァルト殺人事件を追え!〜特別編〜Part5」
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昨年の発表会で好評だった「モーツァルト殺人事件を追え!〜特別編
〜」を再構成したこのシリーズも、今回で最終回です。
§5.殺人計画はどのように実行されたのか?
コンスタンチェとその母親が真犯人であるとする説が有ります。で
は、モーツァルトの殺人計画はどのように実行されたのでしょうか。ま
ず、様々な人の証言や書簡から、コンスタンチェは何週間も前から夫に
毒を少しずつ飲ませていたと考えられます。そして何人かの研究者がど
んな毒物を使った可能性があるかを指摘しています。実際にローマ時代
ぐらいから、夫を怪しまれずに毒殺するために用いられていたとされる
毒薬があるそうですが、コンスタンチェがそうした毒薬を用いたかどう
かは定かではありません。ただ、青酸カリのような即効性のある毒物で
はなく、少しずつ体を蝕んで行く毒物であったと言うことで、研究者達
の意見は一致しています。やがて、その毒が体に蓄積したモーツァルト
は1791年の12月5日の午前0時過ぎに息を引き取りました。
しかし、問題はその後です。殺人であることがばれてしまっては何に
もなりません。でも、殺人犯達はラッキーでした。まず、臨終を迎えよ
うとしていたモーツァルトを往診しに来た医師は、酒に酔っていたと考
えられます。と言うのは、オペラか何かを観劇して、その上演が終わっ
て、友人達とゆっくりと食事をしてからモーツァルトのもとに現れてい
るからです。食事では当然ワインを飲みます。友人達一緒ならなおさら
でしょう。そして、時間は真夜中です。現代のように明るい蛍光灯など
ありません。薄暗い部屋の中で酔っぱらった医者は、十分な検死もせ
ず、死因を特定することすら忘れて帰ってしまいました。私は個人的
に、この医者も共犯ではないかと疑っています。本人にそのつもりは無
くても、彼が医師としての務めを果たしていたなら、少なくともモー
ツァルトが毒殺されたことが明らかになったかもしれないのです。
おかげで、モーツァルトが亡くなってから埋葬されるまで、実に手際
よく事が進められたようです。例えば、午前0時過ぎに死亡したモー
ツァルトは午前4時には棺に納められています。まるで、死ぬのを今か
今かと待ち構えていたかのような段取り良さです。そして、モーツァル
トの近況を知らない友人だけが数人集められてひっそりと葬儀が行われ
ました。コンスタンチェは夫が亡くなって動揺しているように装い、友
人の家に姿を隠しました。こうして、誰もモーツァルトの遺体を見る事
も、死んだ時の状況について妻に尋ねる事もできないまま葬儀は終了し
ました。
そして、参列者が馬車で墓地に向かう途中、12月で気温が低くなっ
ている事を利用し、主犯でありコンスタンチェの母でもあるチェチーリ
アが「具合が悪い」とか、「寒くて仕方が無いので家に帰りたい」など
と何らかの理由を付けて参列者に引き返すよう促したのかもしれませ
ん。どんな理由を付けたのかはわかりませんが、とにかく参列者全員を
引き返させることに成功しました。そのため、モーツァルトの遺体は誰
にも見送られる事無く、共同墓地へ葬られました。こうして、真犯人の
思惑通り事は運び、モーツァルトの遺体は誰にもわからない所へ埋葬さ
れ、真相を究明する事が出来なくなってしまったのです。
結果的に、モーツァルトの殺人計画は完全犯罪として成立してしまい
ました。
皮肉にも、モーツァルトの死後、遺作となったレクイエムなどの上演
が大当たりし、モーツァルトの借金をすべて返済してもあまりあるほど
の興行収入を得たようです。つまり、借金を理由にモーツァルトを殺す
必要は全くなかったのです。しかし、コンスタンチェは決してモーツァ
ルトを許さなかったようです。なぜなら、後にモーツァルトを慕う人々
が寄付金を募って、モーツァルトの記念碑を建てたいとコンスタンチェ
に持ちかけても、コンスタンチェは決してそれを許可しなかったからで
す。そして、生涯、モーツァルトの死の真相に関しては口を閉ざしてい
ました。
ある詩人はモーツァルトの曲に関してこう歌っています。
「モーツァルトの悲しみは疾走する。だから、涙は決して追いつくこと
はできない。」
人々を楽しませるためにたくさんの曲を作ったモーツァルトは、大勢
の人に愛されながらも、たった一人の人の憎しみによってその命を奪わ
れたのかもしれません。それはまさに、悲しみを背負ったままその人生
を疾走して行ったかのようです。モーツァルトを心から愛する人たちの
悲しみの涙は、結果的に彼に追いつく事が出来なかったのです。
さて、「モーツァルト殺人事件を追え〜特別編」はいかがだったで
しょうか。実際に事件を論証するためには多くの証拠を提示して、その
論拠を示さなければなりませんが、それをすると膨大な量のメルマガに
なってしまいます。もっと詳しい情報を得たい方は図書館や本屋さん、
あるいはインターネット検索などで様々な説をご自分の目で確かめて下
さい。ただし、「これが正解」であるとすべての人が認めている見解は
今の所ありません。今回ご紹介したのも一つの説に過ぎないのです。
モーツァルトはその音楽とともに、人生においても、様々な人の想像
力をかき立てています。今年はモーツァルト・イヤーではありません
が、モーツァルトを聴きながら、もう一度その生き様について思いを馳
せてみてはいかがですか?
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■□■ 編集後記 ■□■
9月には中学校の学校祭があります。学校祭では合唱コンクールがあ
りますが、3年生は全クラス「金賞」だそうです。順位をつけないのな
ら、なぜ「コンサート」にしないのか疑問です。しかも「全クラス金
賞」と言いながら、「最優秀金賞」を後で選ぶのだとか。こんな話を聞
かされると、今の学校には行きたいと思えないです。我が母校ながら、
情けない。。。
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発行者:LEM音楽院/磯江尚樹(isoe)
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