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2008/06/13

Interlocal News 2008-06-12:サブカルチャーとメセナに関する2題

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■■インターローカル ニュース
■■ Interlocal News 2008-06-12 (vol. 146)
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──あなたの街はどうしてる?
そんな報道をドイツ・エアランゲン在住の
ジャーナリスト、高松 平藏がお送りします。


 ─ サブカルチャーとメセナに関する2題
http://www.interlocal.org/20080613_146.htm
□□ 目次 □□
【ニュース】コミックのフェスティバル開催/サブカルチャーとしての存在感大きく
【ニュース】企業の文化支援、継続型多く/商工会議所が調査
【編集後記】文化支援と社会の関係

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■新刊お知らせ■
   『ドイツの地方都市はなぜ元気なのか』
  拙著について:
  http://www.interlocal.org/b_cityquality_top.htm
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---【更新】---------------------------------------------------------
    インターローカルジャーナル サイト内に執筆中
    
    ■高松 平藏のノート■
    http://www.interlocal.org/note.htm

<最近の執筆分>
 ・インターローカル・ブックになるか!?
 ・シャル・ウィ・ダンス? を教会で
 ・まちづくりとマーケティングは違う

------------------------------------------------------【更新】------

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【ニュース】 コミックのフェスティバル開催
       サブカルチャーとしての存在感大きく
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【エアランゲン】2年ごとに行われるコミックのフェスティバル『インターナショナ
ル コミックサロン』がこのほどエアランゲン市で行われた。

同フェスティバルはドイツ南部のエアランゲン市(人口10万人、バイエルン州)で先
月22日から25日にかけて行われた。今回13回目を数える。出版社やコミック関係の
グッズを扱う企業の見本市のほか、映画、展覧会、シンポジウム、作家によるサイン
会などが行われる。ドイツ語圏でも最大のフェスティバルだ。

市街にはのぼりがたち、街中にフェスティバルの雰囲気が漂う。ドイツ国内はもとよ
りスイスやオーストリアといったドイツ語圏の国からも人がやってくる。レストラン
やホテルなどの利用者が増えるためフェスティバルには『経済効果』もある。

昨今の日本のMANGAブームはよく知られたところだが、同フェスティバルでも90年代
後半からその存在感を増している。前回、2006年を振り返ると、『名探偵コナン』の
作者、青山剛昌氏が招聘されほか、、MANGAブームを入り口に茶道のグループによる
日本文化の紹介なども行われている。また市内の映画館でも日本アニメが上映され
る。

今年のテーマは中国。市内の大ホールでは中国のマンガ家やその作品の展覧会が行わ
れた。それにあわせて、茶道グループも日本の『ティー・セレモニー』以外に中国茶
の説明や試飲なども行った。

■■コミックの描き方教えます■■
多数のプログラムの中、今回はマンガの描き方を教えるセミナーも開かれた。

これはドイツ、オーストリア、スイスといったドイツ語圏14箇所で展開している『コ
ミカデミー』によるもので、出版社業界の話からコミックのコマ割の説明まで幅広い
内容だ。老若男女、約20人が参加。熱心にメモを取る姿が見られた。

日本では京都精華大学が先駆的にマンガ学部を設置されることで知られているが、ド
イツでもコミックについて、何らかのかたちで『教える』という動きが出てきたとい
える。『コミカデミー』の資料によると、2009年からはドイツ国内で『コミカデミー
・キャンパス』を展開するという。

ところで、今でこそ、サブカルチャーとして認識されているMANGAだが、かつて日本
でも漫画は子供のものという考え方が大きく、それ以上にPTAなどから悪書と批判
された時期もあった。『手塚治虫物語』(朝日文庫)によると昭和30 年ごろの悪書
批判に対して、手塚は、マンガは『主食』とは別の『おやつ』といった『漫画おやつ
論』をテレビで展開したことが描かれている。

ドイツでもコミックといえば、あくまでも子供のものという考え方が主流だったが、
MANGA人気の台頭などを背景に10年ほど前からサブカルチャーとしての存在感が
増してきた。

期間中の訪問者数は25000人以上。前回に比べて20%増えた。(了)

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【ニュース】企業の文化支援、継続型多く
            商工会議所が調査
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ドイツ・バイエルン州北部のミッテルフランケン地方の企業を対象に、このほど文化
支援に関する調査が行われた。

■■社員500人以下の企業も文化支援■■
同地域管轄の商工会議所(ニュルンベルク市)は地域内の企業に対して文化支援に関
する調査を行った。2月13日から3月1日のあいだに106件の回答を得た。

同調査結果によると、そのうち76.1パーセントに相当する81社が文化に対してスポン
サリングといった文化や芸術家への支援をしたことがあるという。しかし調査報告に
はどの程度の回答率かは明記されていない。アンケートに回答する企業はそもそも文
化支援を行っているというケースが多いことは考えられる。したがって76.1パーセン
トという数字から同地方の企業は文化支援が盛んだという評価はできない。

しかし着目すべきは、文化支援を行っている企業の規模だろう。調査結果によると、
文化支援をしたことがある企業のうち38.5%が社員500人以上の規模の企業だとい
う。これは、いいかえれば文化支援をしたことがある企業の6割程度が社員数500人
以下の企業ということになる。

■■多い、支援継続派■■
支援分野は数字の上では展覧会が最も多いが、音楽や演劇・カバレット(政治・社会
を皮肉るようなお笑い芸)への支援も多い。さらに今後も支援の予定があるかとの問
いに対して、「No」と答えたのは23.3パーセント。4分3以上の企業は文化支援を継続
していくかたちだ。

一方、文化支援のための動機は何なのだろうか。
もっとも多かったのは企業の『イメージ』だ(74.3%)。しかし『パトロネージュ/
地域への助成』という動機も68.9パーセントを占めている。ほかには『存在感のア
ピール/販促』(50%)、『顧客との結びつき』(43.2%)と続く。

■■文化支援の本質は理解されている?■■
ドイツの企業は一般に地元へのまなざしが強い。都市の発展の歴史に伴走するかたち
で、拠点の社会の発展が企業収益につながるという考え方が源流にある。そのため文
化への支援はまわりにまわって、企業にとってもメリットが生じるということにな
る。

また一般にキリスト教圏では財を成したものや、権力・社会的地位を得たものには社
会に対して貢献しなければならない、という考え方がある。いわゆる『高貴なるもの
の義務(ノブレス・オブリージュ)』だが、この考え方が企業の経営者にも引き継が
れている面もある。

調査結果からいえば、企業イメージの向上が文化支援の動機の一位となった。おそら
くこれが大多数の本音ということだろう。しかし、一方で『パトロネージュ/地域へ
の助成』という動機も高いことから、文化支援の本質的な役割が企業経営者に浸透し
ているといえるだろう。(了)


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【編集後記】文化支援と社会の関係
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◆企業が芸術や文化にカネを出す『メセナ』。社会貢献のひとつと考えてもよいが、
日本でも議論がおこってすでに久しい。ドイツの場合、自社の拠点を対象にするケー
スが目立つ。ずいぶん以前だが、あるグローバル企業のアートプログラム担当者が
『拠点に対するお返し。企業の社会的責任だ』と述べたことがあった。グローバル企
業といえども貢献する社会とは『拠点』をさす。立脚する地域の『社会』の発展が企
業の成長につながるという考え方が奥に見える。

◆文化支援と社会の関係についての全体像の理解はなかなか大変だ。ただ文化の享受
という観点からいえば、仕事とそうでない部分をきりわける古代ギリシアの労働観も
影響しているように思える。仕事以外のところでは文化や芸術が重要だ。とりわけハ
イクラスの人ほどそう考える。ということは、生活の質の高い地域にはハイクラスの
人がくる。つまり優秀な人材が集まる。企業にとっては質の高い社員を雇える。そん
なモデルが描ける。さらに職住近接という事情も見逃せない。地元の生活の質の向上
は社員とその家族の住環境の向上を意味する。

◆コッミクサロンにも『パートナー』として地元の企業の名前が見える。そのひとつ
が日本でも筆記具や製図用品で知られるステットラー社。同社はエアランゲンと隣接
したニュルンベルクの企業だが、エアランゲンとの境界に近いところに社屋がある。
ジャーナリストに配られる広報資料には同社のペンがついていた。(高松 平藏)
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■■インターローカルニュース■■

発    行 : 高松平藏
U   R   L: http://www.interlocal.org/interlocalnews.htm
発 行 日 : 不定期
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