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* FK * FK ――学校をめぐるコメント・コラム集 * FK *
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第193号 2008年 2月 16日(毎月1・16日発行)
目次
**学校をめぐるコメント**
500.「補講会」(?)
**日々雑感**
591.読書・所感−2008年2月前半
**最近読んだ本から
――――――――――――――――――――――――――――――――――
**学校をめぐるコメント**
500.「補講会」(?)
いくら時間があっても足りない。そう授業時間だけでは。――
そこで思いついたのが「補講」であった。「現代社会」の授業を5.6限とし
たあと(二コマ連続授業という形態である)の7限、授業のない残れる生徒た
ちを希望者のみ。完全自由参加を保障して始めてみた。
こんなところでこそ別の意味で良い勉強ができるのではないか、と期待して。
*
2008年 2月 4日 月曜
先週月曜が7人、今日が11人。
5.6限の現社受講生徒たちに提案してみて実現した7限の「補講」。まだみ
んなこういったおしゃべり(対談・座談)になれないので、なかなか大変では
ある。座談会というか雑談会なのだが。
いずれみんな話題を考えてきたり、合いの手を入れるのにも慣れてくること
だろう。
会の名前はあったほうが分かりよいので、いずれみんなに決めてもらえばい
いと思ってい。是非この先授業が終了したあとも持続させたいので。私として
は「補講会」でいいかと。補講は歩行とかけて、学校では補講会。外では歩行
会とでも。
ということでまずは私自身が楽しんでいる。是非とも長続きさせたいものだ。
*
2008年 2月 6日 水曜
補講会の(まだみんなで決めたわけではないが)A君が準備室前を通りかか
ったので中で少し話す。体育が休講とのことで。やはり歴史が好きなようで日
本史と中国史。史学を勉強したいとか。
*
2008年 2月10日 日曜
昼休みにA君が準備室に来るようになった。食事をすませてからだろうが、
気に入ってくれたのはありがたいことだ。話はどうしてもこちらが先にたくさ
ん話してしまうのだが。今、彼からは映画『大阪物語』を借り、私からはイ
ブ・モンタンの『Z』を。あと本も鈴木英治の『血の城』を。日本史・中国史
あたりが好きで大学でも勉強したいようだ。
こんなふうに準備室で話しているとふと自分の高校時代を思い出す。その時
はもちろん私が高校生であり、準備室で日本史担当の先生と話をしたことを。
このように順送りになっていくもの・していくものだなと思う。
補講会の方はあと一回でとりあえず終わりだが、その後は続けるかどうか彼
らが決めればいい。私がどうのこうのといってもはじまらないので。もちろん、
なかなか楽しみな企画なのだが。
*
2008年 2月14日 木曜
いよいよ授業も終わりが近づいてきた。まだまだやりたいこと・見せたい映
画やビデオが残っている。しかしタイムリミット。「現代社会」の勉強は終わ
りがない。すべてのテーマを網羅することは当然できない。しかしできるだけ
様々な問題を取り上げ、様々な角度から考えていけるように練習をしておきた
い。
私は生徒たちに次のように言う。
テーマに対しては、まず「感じること」――それはホットになったりクール
になったりすることが多いだろうが、まず何かを心が感じないことには始まら
ない。
ついで「考えること」。感じたままで感情のままでほっておいては勉強にな
らない。また単に「思う」だけでもダメだ。考える必要がある。そして場合に
よってはいくつも仮説が生まれるだろう。そう、次の段階としてはその仮説の
「検証」である。
――このような繰り返しで勉強をしていく。おそらく人生の終わりまでこれ
の繰り返しとなるわけで、その練習の機会が今なのだと思う。そう思って授業
を生徒たちと楽しくやっている。知的に楽しく。雰囲気は明るく、しかしテー
マは暗く重いことが多いのだが。
明るく微笑むことのできるような話題もないわけではないが、概して悲しく
も残念な話題が多くなってしまうのが私の授業の実態だ。しかしそれは現状の
「現代社会」そのままなので如何ともしがたい、と言い訳するしかない。
*
以上、補講会の中間報告。これからどんな風になるかが楽しみだ。
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**日々雑感**
591.読書・所感−2008年2月前半
2008/2/ 2(土)『総門谷R 阿黒篇』(高橋克彦 講談社 1991年 \1400)
『総門谷』(1985年)の続編。といっても時代はさかのぼり平安時代のはじ
め。桓武天皇・空海などが登場。そしていうまでもなく「あきら」も。ここで
は「諒」の一字で「あきら」と読ませている。もちろん「霧神顕」の生まれ変
わりというか、その逆ではあるが。
今後、この『R』シリーズは四部作となるようだが、今回の「あぐろ」篇は
第1作。現代から立ち戻ることになるのだが、メインの場所はやはり早池峰山
であり、その地底にあるとされる「総門谷」である。主たるバイキャラクター
として「蝦夷」が登場する。そもそもこの東北の地は蝦夷の地である。そこへ
桓武天皇による坂上田村麻呂の派遣、彼と蝦夷のリーダーとのやりとり・駆け
引きなどが出てくる。
例によって死んでるはずの歴史上の有名人物も。ハンニバル・サロメ・ネロ
等々が登場。抱腹絶倒・大言壮語・荒唐無稽とも言えるかもしれないが、まず
は楽しめばいいか。(多くの人びとが戦闘で死んでいく様は、読んでいて気持
のいいものではないが。)
今回着目したのは次のこと。
「自分は目覚めた者であると釈迦は言った。だが、目覚めて仏になったのでは
ない。もともと仏であったことに釈迦は目覚めたのだ。大なり小なり、我々の
心の中には仏が住まわれておる。」(P.377)
やや解釈が違うかもしれないが、すべての人間には仏性があるという考え方、
これが釈迦の説いた仏教なのではないかと私は思う。
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2008/2/ 3(日)『変身』(東野圭吾 講談社 1991年 \1350)
まずはテレビで放映されていたのを観た。もっとも何年か前に生徒から良い
よとは聞かされていたが読む機会がなくここまで。
読了して、やはり映画と小説ではいくつか違いがあった。決定的な違いはや
はりラストシーンだが、あとは比較的に原作通りに映画は作られていたような
気がする。映画的な処理としては中心テーマとして若い男女の愛情を置くが、
原作では彼女「メグ」の登場シーンは意外と少ない。その時の心理を日記の形
で表出し、「ジュン」の変化を示唆する。
映画ではこの二人(玉木宏と蒼井優)が湖の畔にピクニックし、絵を描く幸
せな情景がふんだんに出てくる。これが観る者に潤いを与えるのだが、原作で
はその点やや無味乾燥なほどハードかつドライである。
また映画ではジュンに何が起こったのかをいきなり観客に教えず、ミステリ
アスにしてあるが、原作ではこうこうこういう理由でと示してある。
そしてラストだが、映画ではメグの絶叫で終わるのだが、原作ではその「右
脳」だけを吹き飛ばしてしばらくはそれこそ脳死状態(?)でしばらく生き、
そして死んでいく。メグは淡々とその死を受けいれていくような終わり方であ
った。問題はその最後となった医師のノートでの分析である。
*
そして我々には、新たに大きな宿題が与えられた。それは人の死とは何かと
いうことである。(中略)
最大の問題は、脳片という小さな塊にすぎないにも拘わらず、京極(引用者
注・ドナー提供者の名前)が生き続けていたということだった。心臓死の判定
がなされ、脳波は停止したが、彼は生きていたのである。たしかに脳細胞のひ
とつひとつがすべて死んだわけではなかったし、だからこそ移植も可能だった
のだ。
すると人間死の判定などできないのではないか。我々が知りうるかぎりの生
命反応がすべて消えたとしても、人間は密かに、全く想像もしない形で生きて
いるかもしれないのだ。(P.305)
*
なお装画のフォロンの絵は、かつてどこかで見たことがあるような気がした。
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2008/2/ 4(月)『分身』(東野圭吾 集英社 2005年 \695)
こちらは1993年のクローンもの(?)。なるほどクローンだから、「分身」
ということになるのか。
『変身』にせよこれにせよ、人間の命を弄ぶ(?)のは良くないということ
か。たとえそれが医療のためであったとせよ、得られるもの以上に失うものや
苦しみを与えるものだということだろう。
長編だが、どんどん読ませる筆力は大したもので、このころに直木賞を取っ
ていてもおかしくなかったかもしれない。というのも今回の最新の直木賞がそ
ういう若い人が受賞していたからで、従来言われていたある程度実績のある中
堅以上の人に与えられるとされていたはずの方針とは違っていたから。
所詮、文春出身作家のための賞だというのを暴露したのが今回の両賞であっ
た?!(いずれも文春発行)。
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2008/2/ 5(火)『相棒 season1』(碇卯人 朝日新聞社 2008年 \760)
日本史の授業の生徒さんから借りる。実に文章が上手く読みやすい。世の中
にはいくらでもこんな人がいるのだな、と。
これも警察もので、クールなエリート上司とホットで並(?)の部下のコン
ビで「特命係」を。邪魔者扱いされながらも事件を解決していくという一話完
結のテレビ番組の小説化。(毎水曜夜九時)
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2008/2/ 9(土)『南町同心早瀬惣十郎捕物控 夕暮れの女』(千野隆司 角川
春樹事務所 2002年 \680)
取っかかりは読みづらかったが、徐々に慣れてきてそれなりの面白さが分か
ってきた。ミステリーもなかなか凝っていて、解説によるとこのパターンは他
の作品にあるようだが、それをいわば換骨奪胎しているのだろう。私には分か
らないのだが。
連作になっているので早速続刊を読むことに。
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2008/2/10(日)『猿若町捕物帳 にわか大根』(近藤史恵 光文社 2006年 \
1600)
こちらも連作のようだ。玉島千蔭という30才くらいの同心が主人公。その配
下が40代の八十吉。話の進め方は概してこの八十吉の視点から展開され、堅物
の主人公を補佐していく。
中村座や吉原とも人間関係があるようだが、そのきっかけはもっと前の本を
読まないと分からない。ということでまずはシリーズ第1作から探して読むこ
とにしよう。
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**最近読んだ本から
2008/2/ 2(土)『総門谷R 阿黒篇』(高橋克彦 講談社 1991年 \1400)
2008/2/ 3(日)『変身』(東野圭吾 講談社 1991年 \1350)
2008/2/ 4(月)『分身』(東野圭吾 集英社 2005年 \695)
2008/2/ 5(火)『相棒 season1』(碇卯人 朝日新聞社 2008年 \760)
2008/2/ 9(土)『南町同心早瀬惣十郎捕物控 夕暮れの女』(千野隆司 角川
春樹事務所 2002年 \680)
2008/2/10(日)『猿若町捕物帳 にわか大根』(近藤史恵 光文社 2006年 \
1600)
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FK −−学校をめぐるコメント・コラム集 マグマグID 26043
(2000年 2月16日創刊) kishidafumio@hotmail.com
発行者 KISHIDA Fumio http://fkfk.infoseek.ne.jp
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インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
(http://www.mag2.com/)解除は http://www.mag2.com/m/000026043.htm/ へ。
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