2012/05/23
四字熟語物語【平成のたちくらみ拾遺集】&故事ことわざ物語
今週はわが地方の年に一度の例大祭でした。 その昔は、うちの店の前まで夜店が並んだもんですが、今は閑散と して、ひっそり静かです。 時代が変わったなあ、なんて書くと、年寄りの繰言みたいになって しまいますが、商店街を歩くたびにそう感じてしまう今日この頃です。 ****************************** 【平成のたちくらみ拾遺集】&故事ことわざ物語 319才餘り有りて識足りず(さいあまりありてしきたりず) 才能は有りすぎるほどあるのだが、見識が足りないこと。 才能があり、なおかつ見識もある人物はなかなかいないということでも ある。 それでも才能さえ有れば許されてしまうからなあ。 才能も無く、見識も無いとただのお騒がせ野郎になってしまうが、こう いう奴も世の中にはいっぱいいるね。 320材大なれば用を為し難し(ざいだいなればようをなしがたし) 人はあまりに器が大きすぎると、世の中に用いられないものであると いうこと。 杜甫の詩にある言葉で、材木の大きすぎるのは細工がしにくくて、役 に立たないということを人間にたとえて言ったもの。 しかし、大きすぎて役に立たないって、ただの役立たずではないのか (ウドの大木)。 もっとも今の政界みたいに、小さいのばっかりだと、細工もしやすい 代わりにすぐに壊れてしまうからなあ。 321財に臨みてはいやしくも得ることなかれ (ざいにのぞみてはいやしくもうることなかれ) 人は金銭や品物を欲しがるがあまり、道理に外れたことをしてはいけな いということ。 礼記にある言葉で、まあ当然といえば当然の言葉なのだが、いまだもっ て世間にはこういう輩がゴマンといる。 はっきり言って、この点において、人間はここ数千年、大して進歩してない ような気がする。 **************************** おまけ:『平成のたちくらみ2』--故事ことわざ物語-- **************************** 《第六章》公玉氏の恋人 その9 「私、公玉さんが思っているほど大した女じゃないんです。期待に答えら れずに、失望させてまったら、もう行くところはありません。考えてみれば、 私と公玉さんは※369【冰炭相容れず】で、何もかも違う世界の人なん です。私よりずっと相応しい女性がたくさんいるでしょう。お父さんがそう 思うのも当然なんです」 「でも、逆に※370【冰炭相愛す】という言葉もあるじゃありませんか。公玉 さんは、自立した女性が好きだと言っていました。家や財産に寄り掛かっ て、何もかも頼ってくる女性はどうしても好きになれないんだと。今のゆか りさんの人柄なら、十分公玉さんとお似合いだと私は思いますよ…… ※371【雨垂れ石をも穿つ】、※372【石の上にも三年】ですよ。お二人の 愛情が通じ合っているのなら、どんな分からず屋だって、いつかは必ず 分かってくれると思いますけど」 「ありがとうございます。私、公玉さんからプロポーズされた時、本当に嬉 しかった。『本当にこんな私でいいのかしら、こんなに幸せでいいのかし ら』って思いました。『この人のためならなんでもしてあけたい』って。で も正直何か怖かった。私のせいで、彼の将来がグシャグシャになってしま うんじゃないかって。それで自分から※373【鼬の道切り】を決心したんで す」 「なぜ?」 (つづく) ★☆故事ことわざ解説☆★ 369 冰炭相容れず(ひょうたんあいいれず) 冰とは氷のことで白く冷たい、炭とは炭火のことで黒(赤)く熱い。 そのように全く性質が違うのでお互いうまく合わないこと。 もとの意味は君子と小人は一緒にいることができないと言う意味だが(本 文ではこちらの方に近い意で使っている)、大体は単に性格が違って仲が 悪いことに使う場合が多い。出典は『史記』 370 冰炭相愛す(ひょうたんあいあいす) 369とは全く逆の故事で、全く性質の違う者同士がお互い愛し合うこと。 どちらかというと男女の仲に用いられることが多いが、お互い違うところ、 自分に無いところが魅力になるわけで、世間を探せばこんな夫婦、カップル など珍しくも何ともない。 ただ、これが離婚や別れとなってくると、がぜん369が意味を持ってくる。 ま、言ってみれば、この二つは表裏一体、セットの言葉と言えるだろう。 出典は『淮南子(えなんし)』。 371 雨垂れ石をも穿つ(あまだれいしをもうがつ) 『文選』の言葉で、力のない者でも絶えまぬ努力を続ければ大事を成し遂 げることができると言う事。 雨垂れはただの水なのに長い年月の間に石に穴を開けることができるように、 たとえ小さな力でも根気良くやればいかなる事も成し遂げられると言う事。 いかにも日本人の好きそうな言葉だが、雨垂れが石に穴を開けるためには、 石の全く同じ場所に落ちなければならず、その段取りをする人もいなけ れば、なかなか事は為し得ない、要は何事も一人では出来ないということ だ。 372 石の上にも三年(いしのうえにもさんねん) 冷たい石の上にも三年も座り続ければ、やがて暖まって居心地がよくな る。どんなつらい環境でも粘り強く頑張れば必ず報われる、という教えで、 辛抱の大切さを説いた言葉。 ただ、例え三年座っていたとしても、石は座布団のように柔らかくはなら ないか。できることなら石の上になど乗りたくないと言うのが筆者の心境で ある(痔になるわい)。 373 鼬の道切り(いたちのみちきり) イタチが人の前を横切ることで、イタチは一度来た道を二度と通らないと 言う言い伝えから、行ったまま、二度と戻らなかったり、音信が途絶えたり するという不吉な前兆とされていた。 そこから、交際や音信が途絶えることをさして言う。 とは言うもの、歩いていて、突然イタチが目の前に現れることなどそうそう あるもんではない。(昔はどこに行くにも歩きがほとんどだったから、そうい う機会も多かったんだろうが、果たしてそれがイタチかキツネかタヌキか、 瞬時に見分けることのできる人物すら今や滅多におるまい。ちなみに筆者も もちろんできない) たぶん、昔の日本ではそこらへんにいっぱいいたんでしょうな。 ----------------------------------------------------- メルマガ発行者:玉木 義大(たまき みちひろ) だいたい毎週水曜日発行 このメルマガはまぐまぐから配信しています。 ↓登録、解除、バックナンバーもこちら↓ http://www.mag2.com/m/0000148367.htm 発行者HP http://plaza.rakuten.co.jp/yojijukugo ------------------------------------------------------



