いつかみたシネマ
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マルチニックの少年 - RUE CASES NEGRES(1983年) |
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スタッフ 監督: ユーザン・パルシー キャスト ジョゼ / ギャリー・カドナ |
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あらすじとコメント 中南米を舞台にした作品繋がり。 いかに黒人が虐げられて 生きていたかを静かに描く 繊細さ溢れる作品。
1930年、西インド諸島にある マルチニック島。 そこの首都はフォールだが、 そこから離れた田舎のとある集落。 粗末な木造の掘っ立て小屋が いくつかある中のひとつに、祖母 (ダーリン・レジティム)と暮らす 10歳の少年ジョゼ(ギャリー・ カドナ)がいた。 近隣の黒人たちはフランス人の 経営するサトウキ
ビ畑で、少ない 賃金で馬車馬のごとく働かされていた。 そんな大人たちがいない日中、 貧しいながらも遊んだり、悪戯をして 楽しんでいる元気な子供たち。 中でもジョゼは、長老のメデューズ (ドゥタ・セック)に色々な話を聞いては、 知識を得ていた。 やがてジョゼは学校でも頭角を現し、 卒業を期に奨学生試験を受けてみろと 先生に言われる。 受かれば首都に行ってしまうが、 祖母は理解を示してくれ受験するジョゼ。 結果、合格するが、何と四分の一しか 奨学金がでないことが判明して・・・
貧しく虐げられてきた黒人たちの 日常を静かに描く佳作。 南米大陸の右上の方に位置する マルチニック島。 近くにはキューバやジャマイカ、 プエルトリコがある。 そのあたりは黒人が多い。 何故、彼らがそういった場所に 居座ることになったのか。 かつて、アフリカから強制的に 奴隷として連れて来られ、やがて 反乱を起こし、それぞれの地域で 自由を勝ち取ったが、結局、他に 行き場所がなかったのだ。 そういった黒人たちの歴史を 劇中、静かに語る長老の姿が切ない。 だから死んだら魂はアフリカに帰る のだと続ける。 自然の摂理や人間としての 尊厳を教えられる主人公の少年。 いつしか、陽気な音楽に満ちた 光溢れる場所というイメージだけで 実は何も知らなった自分も、少年 同様に育っていく感じがした。 その少年が成長するに連れ、 目の当たりにして行く現実。 学校の成績が悪ければ退学し、 大人たちと一緒にサトウキビ畑で 働くしかない現実。 それに反発することは許されない という実情。 白人たちは膨大な土地を持ち、 彼らに刈り取らせたサトウキビから 砂糖を作り、ラム酒を醸造しては 利益を得る。 そんな中、 口うるさく、時には 手をだす祖母が、本当は心底 優しいと主人公が知る瞬間。 フランス人と現地人の間に生まれ、 自分は特権階級の人間だと 信じきっていたハーフの少年が 辿る運命。 また、集落で一緒に育った少女が 奨学生試験を受けろと進められた 時の親の反応。 自分はモテると常に自慢話をする 首都と集落を行き来する船の青年が 実は文盲で、好きな女性に恋文を 書きたいからと主人公の少年に 文字を教わる。 各々に漂う切ないほどの絶望。 しかし、それでも皆、毅然として 前向きだ。 当時、フランスの植民地だったゆえ 純然と存在した差別。 人権など認められず、搾取される のが当然という中で、必死に、そして 健気に生きる黒人たち。 憤懣を声高に叫ぶ人間もでてくるが、 子供たちはいたって普通だ。 貧乏や被差別が当り前の中で 生まれて育っていくしかないからだ。 原作者も監督もマルチニックの出身。 それをかつて統治していたフランス 資本で作る。 その場所さへ、どこにあるか 知りえなかった島。 だが、当然だが、そこには それぞれの人間に、それぞれの 歴史がある。 そういったことを知るだけでも、 映画とは素晴しいと感じさせて くれる小品。 |
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< 余談雑談 > |
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大部屋の病室での人間模様。 治療が終り出て行く患者、 新たに入院してくる者。 共通しているのは、何かしらの 疾病や怪我をしているということ。 そこで人間の本性が出る。 いきなり自分は大人物だから、 一目置けと大風呂敷を広げる者。 とあるレースでワールド・ チャンピオンになった寡黙な 若きアスリートなど。 だが、誰もが、やがて治療か 手術以外、何もない日々に 感化されていく。 やがて、退院の日。 仲間になった者たちに拍手で 見送られ、涙ながらに出て行く 人間もいた。 時は年度末。 同じく看護師も数名退所していった。 誇り高き職業を辞し、仲間たちに 見送られる光景にも居合わせた。 しかし、患者同士の退院とは 微妙に違う温度差を感じた。 そこに流れていたのは、 『同僚』としての距離感だ。 寿退社で涙を流す相手に 送られる嫉妬と羨望の眼差し。 こちらの退院も近付いてきた日。 まだ、居残ってリハビリ治療する 若き仲間たちに、皆が退院したら 同窓会をしたいからと連絡先を 尋かれた。 教えると、すぐに向こうから アドレス告知のための簡単な 挨拶メールが来た。 その全員分に写メ画像が 添付されていた。 それぞれ金具などで固定 してある手術後の骨折箇所を 写したレントゲン写真である。 なるほど普通ではあり得ない 関係性だよなと妙に納得し、 こちらも真似してレントゲン 写真を携帯電話に登録した。 だが、まだ、それを添付して 誰にも送ってない。 |
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