いつかみたシネマ
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ハバナの男 - OUR MAN IN HAVANA(1960年) |
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スタッフ 監督: キャロル・リード キャスト ワーモルド / アレック・ギネス |
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あらすじとコメント 引き続きキャロル・リード監督作品。 当時としては、かなり風刺の効いた スパイ・コメディ。
キューバ、ハバナ。 時はカストロによる革命前夜。 米英合弁会社ファースト・ クリーナーズの現地代理店を営む イギリス人ワーモルド(アレック・ ギネス)は、面白味のない謹厳 実直な中年男だ。 12年前に妻に逃げられ、17歳に なるひとり娘が何かと彼の面倒を 見ていた。 ある晩、バーで飲んでいると 同郷のホーソン(ノエル・カワード)が 近付いてきて、彼の耳元で囁いた。 「英国諜報機関に協力しないか」 耳を疑うワーモルド。 しかし、娘の学校で金が必要だった 彼は、報酬金額を聞いて思わず 同意してしまう。 カリブ地区諜報部長の肩書きを 持つホーソンは、彼に「59200−6号」 というコード・ネームを与えた。 すぐにイギリスから諜報活動の 報告をせよ、という命令が矢のように 来はじめ、困惑したワーモルドは 「活動協力者リスト」と称して、自分の 友人たちの名前を書いて送った。 その後もデッチ上げの情報を流す 彼を、中々、見込みのある男だと 見込んだ本国の機関が考えたのは、 優秀な助手を送り込むことだった。 そして、秘書としてやってきたのが 美人のベアトリス(モーリン・オハラ) だったことから・・・
メンツを重んじるイギリス人を、 政治色を加味して風刺したコメディ。 米ソ冷戦が始まり、カストロが 革命を起こし、社会主義となった国 キューバ。 その前夜、各国が諜報活動を 活発化させていた時期を舞台に、 単なる一市民を俄かスパイに 仕立て上げ、逆に翻弄されていく イギリス諜報機関MI−6を描いた。 原作はイギリスの作家グレアム・ グリーン。 そこに名匠キャロル・リードが組む。 往年の映画ファンならピンと来るだろう。 秀作の「落ちた偶像」(1948)、映画 史上に燦然と輝く傑作「第三の男」 (1949)を手掛けた名コンビの三度目の 作品である。 今回もシニカルなイギリス人らしい 視点の原作をサスペンスが得意の 監督が映像化した。 内容はかなり辛辣で風刺が 効いているが、当時の背景を知らないと 興味が半減してしまうのも事実。 ただ、面白いのは本作がカストロ 率いる革命政府が樹立された後に、 現地でロケが許可された数少ない 作品であるという点。 だから、当時の現地の雰囲気が 抜群なる臨場感で描かれる。 ノリの良いラテン音楽。 暑苦しさと息苦しさを伴った街並みと 人々の熱気や吐息。 その中で、地味ながらも見事なる 実力派俳優たちによる演技合戦が 繰り広げられる。 劇作家としても超有名だったノエル・ カワードやウィリアム・ワイラー監督の 「大いなる西部」(1958)でアカデミー 助演男優賞を獲得したパール・アイヴス、 ジョン・フォード監督作品の常連 モーリン・オハラなど、実に皆、上手い。 主役は「戦場にかける橋」(1957)で アカデミー主演男優賞を受賞した、 クセ者俳優アレック・ギネス。 当時としては、何とも豪華な スタッフ、キャストが揃っている。 余談だが、かつて『007』シリーズで ジェームス・ボンドを演じたピアース・ ブロスナンが、そのままのイメージで 出演した「テイラー・オブ・パナマ」 (2001)は、本作のある種のリメイク だと思っている。 ただ、設定をキューバに出来ず、 パナマにしたのかなと、うがった 見方をした記憶がある。 本作で描かれるのは、007が 産まれる前の地味な存在だった 英国のスパイ。 当然、派手なアクション・シーンは ないが、スリルとサスペンスに満ち 溢れる展開は、流石のキャロル・ リードだと感じた。 ただ、コメディとしての部分は 時代性や国民性によって異なる 印象を受けるとも感じる。 まして、リード、グリーンの コンビ作として以前の二作と 見比べると、かなり格落ち感が するのは否めない。 派手さはないが、いかにも イギリスらしいシニカルな視点の ブラック・ユーモアに溢れた作品。 |
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< 余談雑談 > |
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入院生活の日々。 どうしても、大部屋では熟睡できない。 なので深夜に起き、以前の生活同様、 コーヒーを飲むために、夜な夜な一階の 自販機へと降りていった。 そこは『緊急救命センタ-』でもある。 静かな夜もあるが、救急車が数台も 横付けになり、更に入れなくて 敷地外で待機するときもある。 まさに映画かドラマのような世界。 しかし、全てが真実である。 酔っ払って担ぎ込まれる者。 同乗してきたのはスーツ姿の 赤ら顔でありながら、真っ青な 顔で搬送者の革靴を持ったまま 呆然としてウロウロする同僚。 蒼白な表情で『オペ室』を 見つめる者、中から時折 聞こえる悲鳴とも絶叫とも 付かない声、青い手術服を 着たドクターが、イスに座り込む 関係者に当時の状況を尋いている。 泣き崩れる女性をなだめる 家族たち。 傷害絡みなのか、警察官が若い 二人連れに事情聴取をしながら、 都度、無線連絡を入れる。 そのひとりは、やがて手錠を かけられ、パトカーに乗せられた。 異様な緊迫感と絶望感が 入り混じる空間。 そんなことが起きるのは、何も深夜 だけではない。 とある陽射しがやわらかい午後。 突如、看護師たちが中から出て来て、 院外の車寄せに移動カーテンが 張り巡らされた。 同時に、日光浴を楽しむ患者たちに 退去命令が出た。 救急車がやってくると降りてきたのは 頭から足元まで完全防護服姿の隊員。 ストレッチャーで降ろされたのは、 パンツ一丁で、全身が紫に変色した 中年男性。 意識はない。 薬品か有毒ガスの嘔吐の危険性が あるのか。室内では二次感染するからか。 すぐに医師たちが、防護服を着て心臓 マッサージに入った。 一緒に外にいた入院仲間が、病室から 見えると囁いた。 趣味が悪いのは百も承知だが、 上から覗くことにした。 部屋の窓から数人が見ていたら、 看護師が飛んできて、ブラインドを 降ろされた。 数十分後、ブラインドの隙間から そっと覗いた。 延々と施していた心臓マッサージの 甲斐なく、白い布が顔に被せられていた。 それを見て、骨折など蚊に刺された ようなものだと感じた。 |
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