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2009/10/06

週刊メルマガクリルタイ Vol.13 人生是RPG

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◇◆◇◆◇◆◇ 週刊メルマガクリルタイ ◇◆◇◆◇◆◇   
                          
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こんにちは。
『奇刊クリルタイ』アルバイト見習い補佐代理補欠Parsleyで
す。

今月より、不肖私が「文化系女子」について考察するシリーズ
をはじめることにしました。ご笑覧下さい。

また、魔王14歳さんに、『サガ』シリーズを題材に、ロールプ
レイングゲームの表現技法について考察して頂きました。
RPGファンの方は必見です。どうぞご覧下さい。


>>index-------------------------------------------------

1『文化系女子研究所(1) 腐女子もバンギャも文化系!?』
                        ~Parsley~

2『サガシリーズに見られる断片と抑制の演出表現』
                      ~魔王14歳~

3『クリルタイ』活動日誌

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1『文化系女子研究所(1) 腐女子もバンギャも文化系!?』
                        ~Parsley~

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■はじめに

これをお読みの諸賢は、「文化系女子」と聞いて、どのような
ひとを思い浮かべるのだろう?
実は、男性は自分の中のイメージを膨らませて、自分だけの
「文化系女子」像を作り上げているのではないだろうか?

きっかけは、Twitterで「文化系女子」について話題になった
時に、微妙に話が噛み合わなかったことだった。
その方は「文化系女子は屈託があってひねくれている存在」と
するのだが、私の知っている「文化系女子」は、皆ミーハーで、
好きなものに対して自明的な人ばかりだ。この差はなんだろう?

よくよく考えてみると、「文化系女子」とは、とてもあいまい
な言葉だ。
厳然とした定義というものが存在しない中、皆が自分の中の
「文化系女子」を作り上げている。

こういった状況を一度整理する必要があるのではないか―。
当方が、「文化系女子研究所」を立ち上げたのは、そんな理由
になる。
諸賢の中で、これから私が研究していくことに対して、「それ
は違うのではないか」ということがあれば、是非ともご意見を
賜りたい。
また、「自分が文化系女子だ」と任じる貴女には、是非とも感
想を聞かせて貰いたい。
それが、この研究をより深めるのに役立つと確信する次第であ
る。

■文化系女子をマッピングしてみる。

ひとくちに「文化系女子」と言ってみても、現状では定義があ
いまい過ぎて、実際はどのような女性を指しているのか分から
ない。
そこで、まず広義の意味での「文化系女子」を定義した上で、
その性質ごとに区分してみることを試みる。
まずは、ここで言う「文化」とは何か、を考えてみよう。
間違っても、ぶんか社や文化放送のことを指しているわけでは
ないことは明らかだ。
ラテン語のcolere(耕す)から派生した英語のcultureには、
「洗練したものにする」、「教化する」といった意味合いがあ
る。イギリスの文明批評家マシュー・アーノルドの展開した議
論は、「文化」を人間の精神面での向上を示す言葉として位置
づけるものだった。日本語では、個人レベルになると「教養」
という言葉の方が近しいといった意見もあるようだ。
おおざっぱに断じると、個人の精神面で向上が図れるコンテン
ツのことを「文化」と呼んでいると考えることが出来そうだ。

さて、現代では、「個人の精神面の向上」のためのコンテンツ
は多様になっている。
つまりひとによってはそれが、やおい同人だったり、ビジュア
ル系バンドの追っかけだったり、70年代日活ロマンポルノだ
ったり、ベルギー象徴主義派の画家の作品群だったり、太宰治
だったりすることになる。
それを、全て包括する言葉として、「文化」があるとするなら
ば、腐女子やファック隊も「文化系」に分類して差し支えない
ことになるのではないか。

ひとが趣向するコンテンツと、「文化」が不可分なものだと明
らかになったところで、まず横軸として「サブカルチャー」
「ハイカルチャー」という分け方をしてみたい。
それに対して、個人の性質として、「内向的」「外向的」とい
うものがある。これを縦軸にしてみよう。
そうすると、大まかに4つに分類されることになる。

1.「洋画・美術」ゾーン(外向・ハイカル)
2.「文学少女」ゾーン(内向・ハイカル)
3.「ロック・ポップス」ゾーン(外向・サブカル)
4.「腐女子」ゾーン(内向・サブカル)

1は、東急BUNKAMURAに通うようなひとが典型になるだろう。パ
トリス・ルコント監督作品を観て、ルネ・マグリットの展覧会
を観るといったのが、標準的な層とここでは規定する。また、
邦画でも最近の作品を多く鑑賞しているので、宮崎あおいや蒼
井優など、"森ガール"と親和性が高い。

2は、江国香織などの女流作家から、海外の作家まで幅広い
(ライトノベルをのぞく)小説を好んで読む層。歴史に興味を
持ったり、60~70年代の邦画を観に行ったりするひとも、この
カテゴリーに入る。最近の太宰治ブームや仏教ブームなどは、
この層がよりライトになっていることを示していると思われる
が、ひとまずここでは置く。

3は、サマフェスに行く層が典型になるだろう。また、ヴィジ
ュアル系のバンギャルは、この層でももっともエッジの効いた
存在と言っていいだろう。高じて、"アーティスト"になるとい
う夢を持ちやすいところも見受けられる。また、演劇好きの層
も近いメンタリティである。実は、ケータイ小説の読者が多い
ような気がするが、ここは考察が必要だ。

4は、文字通り、マンガやアニメといったものを愛好する層。
最初は、コンテンツを消費するだけだが、だんだんと自分の妄
想を形にしようとシフトするひとが多いのが特徴である。中に
はコスプレに走る層もいるが、これは3と4の中間のメンタリ
ティと位置づけたい。

…以上、まだ私個人の仮説に過ぎないので、異論反論オブジェ
クションは大歓迎である。
より「文化系女子」を理解するために、本研究所がお役に立つ
ことが出来れば、これに勝る喜びはない。


●Parsley
1976年東京都生まれ。埼玉の団地育ち。乙女男子。
『奇刊クリルタイ』アルバイト見習い補佐代理補欠。
最近転職しました。人生結構大変です。 
ブログ:『Parsleyの「添え物は添え物」らしく』
http://yaplog.jp/parsleymood/


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2『サガシリーズに見られる断片と抑制の演出表現』
                      ~魔王14歳~

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たとえば「ゲーム的リアリズム」という概念が語られる時、ノ
ベルゲーム以外のジャンルのゲームは想定されないことが多い
です。こういった物語評論の文脈において、多くの場合「ゲー
ム」という単語は自動的に「=ノベルゲーム(特に美少女ゲー
ム)」という意味合いにジャンルが限定されてしまいます。ゲ
ームには、そのシステム独特の豊饒な表現力があると思うので
すが、上述したような領域で見過ごされやすいのは少々残念な
ことです。

そこで今回はRPGを、特に表題で示した『サガ』シリーズを例
に挙げて、そのゲーム的表現について述べてみます。先鋭的で
タイト、一見破綻したように見えつつも全体としての整合性を
保った特異なゲームシステムが評価される『サガ』ですが、同
様の魅力が表現演出の面にも宿っていることを述べられればと
思います。

旧スクウェア社のRPGとしては『ファイナルファンタジー』(以
下"FF")シリーズが圧倒的に有名ですが、それと表裏を成す作
品が『サガ』シリーズであり、両者は様々な面で好対照です。
表現的な面で言えば、長大緻密なストーリーや最先端技術によ
るビジュアル演出等、映画的な方向性が『FF』の特徴とされま
す。
一方の『サガ』シリーズは、あまりストーリーを長々と語りま
せん。『サガ』の物語は、ひと続きのお話というよりも断片的
な細かいエピソードを集積することによって形作られています。
個々のシーンは非常に簡潔で、長大な演出やテキストは避けら
れます。一見素っ気なく思える『サガ』の演出ですが、簡潔な
表現は時に瞬発力と鋭さを宿します。その切れ味が、プレイヤ
ーに強い印象を与えるのです。

『FF』のように、一本の緻密な物語を体験していく作品では、
個々のイベントがストーリーの「流れ」に乗っていることが重
要になります。地道に繊細な描写を重ねてきたキャラクターが
いきなり突飛な発言をしたら違和感がありますし、全体の雰囲
気に馴染まないイベントを挿入することもできません。このよ
うな表現方法は作品に重厚な深みを与えますが、「流れ」に合
わない表現、異物を挿入しづらく、作品の幅を狭めてしまう面
もあります。こういった「一本の太い流れ」を重視する姿勢は
映画・小説的なストーリーテリングに通じるもので、『FF』は
そういう意味でも映画的なゲームだと言えるでしょう。

一方、『サガ』のストーリーテリングは極めて断片的です。特
に『ロマンシングサ・ガ』でフリーシナリオが採用されて以降
は、ストーリーの一本道性が廃止され、"イベントを順番にク
リアしていく"のではなく"世界各地を周りながら色々な事件に
触れていく"というスタイルが確立します。物語の断片化です。

そのため、『サガ』では作品の展開を事前に規定してしまうよ
うな固定的な「流れ」が生じません。ばらばらに集積された個
々のシーンを総合した結果として、「流れ」は後からが浮かび
上がってきます。だからこそ「殺してでもうばいとる」という
有名なセリフに代表されるような、突飛で印象的なシーンを挿
入する余地もあるし、そういったシーンもまた作品の「流れ」
に違和感なく還元されていくのです。

こういった『サガ』の性質は、シナリオだけでなく細部の演出
といったレベルでも、作品のデザインとして全体に通底してい
るものです。その例をいくつか挙げてみましょう。

『ロマンシングサ・ガ3』には何十人もの仲間キャラクターが
用意されています。しかし仲間に加える際などごく一部のイベ
ントが用意されているのを除けば、基本的に普段のプレイで彼
ら独自のセリフなどを見ることはできません。これはゲームの
システム上、仕方ないことではあります。ただし彼らには、最
後の最後で個性を宿す機会が巡ってきます。ラストバトルの直
前、強大な敵に挑むにあたって、仲間たちがそれぞれの思いを
一言ずつ言葉にしていくというシーンが挿入されるのです。こ
の時のセリフは一人数行程度の本当に短いものなのですが、ず
っと抑制してきた思いを一度に解放するような、強いカタルシ
スが得られるシーンとなっています。

ストーリーに多くのテキストが割かれイベントごとに長い会話
が交わされるゲームや、仲間同士が頻繁に会話する交流システ
ムが取り入れられたようなゲームであったなら、単なる短いセ
リフがカタルシスをもたらすことはなかったでしょう。「セリ
フを発する」という行為が日常的なものではなく、滅多に見ら
れない稀少なイベントであるからこそ、このような演出効果が
生じているのです。こういった、抑制を巧みにカタルシスに昇
華させるような演出は、本シリーズに多々見られるものです。

もうひとつ、ボイスの例を挙げましょう。本シリーズの戦闘ボ
イスの使い方は少々独特で、攻撃する際に掛け声を上げるとか、
必殺技の名前を叫ぶ、というよくある形にはなっていません。
キャラクターボイスは特定の状況で、しかも一定の確率でのみ
発動するという低頻度に設定されており、一戦闘で一回聞ける
かどうかというところです。ここでもやはり、抑制が一回一回
の演出の価値を高めるという作用が働いています。レアボイス
であるかどうかという以前に、そもそもボイスというエフェク
ト自体に特別な意味合いと快感が割り当てられているわけです。

(なお、前段の話と同様、『アンリミテッド:サガ』や『ミン
ストレルソング』では、仲間キャラクターたちがラストバトル
の際に一ターン一人ずつラスト専用ボイスを喋っていくという
演出が取り入れられています。キャラクターが戦闘中に喋ると
いうイベント自体が非常に稀であることから、ラストバトルの
特異性が強く強調されるという演出効果に繋がっています)

さらに細かい話をすれば、『ミンストレルソング』の無足・加
撃技などは、それぞれが固有の名前やエフェクトが用意されて
いながらも、低確率でしか発動せず意図的に見ることはできな
いシステムとなっています。さらに、つい先月発売された
NintendoDS版の『サガ2 秘宝伝説』では、「技」というシステ
ム自体が、連携攻撃を成功させた際にしか見ることのできない
特殊なエフェクトという位置づけに変更されていました。シリ
ーズ当初は"一度習得すればいつでも使用できる"という仕様だ
った技システムですが、その変化は常に同じ方向を向いていた
と言えます。

せっかく力を入れた演出を用意したのに、わざわざ鑑賞者の目
に触れにくい箇所に配置する……といったやり方は、一般の映
画・小説的な演出思想とは真逆なのですが、ゲームの場合はこ
れが効果的な表現となりえます。特に『サガ』シリーズでは、
この原則に則った設計が従来から随所に見ることができます。
アイテムコンプリートやイベント制覇といった類のプレイへの
配慮があまりなく、むしろ毎回のプレイの一回性を重視したデ
ザインが一貫して採られているのも、同根の思想としてどこか
に通じるものがあるからなのでしょう。

一度覚えた技はいつでも使える用にしてくれた方が、プレイヤ
ーにとっては一見気持ちがいいものです。ところが、『サガ』
はあえてそうしてくれない。本シリーズに通底する「細かいと
ころで思い通りに行かない不親切さ、歯がゆさ」は、まさにこ
ういったところに起因します。けれどその不親切さ、歯がゆさ
こそが、本作の最大の魅力にも繋がっているのも確かです。苦
労しないと、ご褒美はもらえない……というのはやや一般的す
ぎる話ではありますが、『サガ』はまさにそういう類のゲーム
であり、それこそがゲーム特有のカタルシスの在り方でもある
のでしょう。


●魔王14歳
ブログ「魔王14歳の幸福な電波」運営。
本やゲームの感想を書いたり、
人工神話的フィクションを書いたりして遊んでます。
http://d.hatena.ne.jp/Erlkonig/ 


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 3.『クリルタイ』活動日誌

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・大阪弾丸ツアこぼれ話

10月3日に、大阪まで『クリルタイ4.0』の取材に行って参りま
した。republic1963さんは往復鈍行。Parsleyは往復バス。
正直、身体が悲鳴を上げております。
『クリルタイ4.0』何が何でも売って、『5.0』が出る暁には飛
行機か新幹線で優雅に行けるようになりたいです。
そんなわけで、『3.0』を未入手の方は、買ってね♪

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・編集:Parsley
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