2009/07/10
ブランド経営のヒント【サウスウェスト航空の採用方針/ヒントの活かし方編】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇◆ ◇◆ ブランド経営のヒント ◆ ~卓越したブランド経営・ブランド進化の『ヒント』がここに~ ━━━━━━━━━━━━━ J Consulting, LLC. Prensents ━ ------------------- ◇毎週火曜・金曜発行◇ ----------------- こんにちは。 今回は【サウスウェスト航空の採用方針/ヒントの活かし方編】で す。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■目次 --------------- ◇前回(火曜日)のおさらい◇ ------------- ・テーマ【サウスウェスト航空の採用方針】 ・ヒント 【ブランド価値を増進する戦略的人材採用】 --------------- ◇今回(金曜日)の追加項目◇ ------------- ・ヒントの活かし方【人材採用プロセスへの応用】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ ◇◆ テーマ【サウスウェスト航空の採用方針】 ◆◇ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 最近、あなたが仕事中にユーモアセンスを発揮した体験を話してく ださい。ユーモアで急場をしのいだ体験は? (サウスウェスト航空の採用面接での質問) --◆解説---------------------------------------------------- サウスウエスト航空はアメリカ合衆国テキサス州ダラス市を本拠地 としている航空会社です。 定時運航・格安運賃を顧客に提供する一方で、従業員には高い給与 水準を維持し、1973年以来、毎年利益を上げ続け、株主にも報いて いる組織です。 アメリカのビジネス誌「フォーチュン」は、1997年に同社に対して 「アメリカでもっとも働き甲斐のある会社」「アメリカで6番目に 尊敬される会社」「世界で3番目に尊敬される会社」と評価してい ます。 同社のポリシーは「従業員第一主義」「顧客第二主義」です。 このポリシーでは、サウスウェスト航空は何よりも従業員を大切に し、敬愛し、気遣うとともに、従業員にはこれと同じ態度で一人ひ とりの顧客に接することを期待しています。 すなわち「人間愛」の連鎖を実践しており、実際に高い従業員満足 ・顧客満足を得ています。 そんな同社が従業員に推奨しているのが「乗客に空の旅を楽しんで もらうこと」です。 実際にサウスウェスト航空では、こんな機内放送が流れました。 「客室内で気圧が変わることはないかと思いますが、万一そうなり ましたら、酸素マスクが4つ、魔法のようにお客様の頭上から現れ ます。即座に絶叫するのをやめて、コインを入れ、酸素を吸い込ん でください」 同社会長のケレハー氏はこう語ります。 「空の旅は思い切り面白くなくては!」 「人生は短く、辛く、深刻なんだから楽しまなければね」 この言葉は、同社の深い人間愛を物語っています。 よって同社の人材採用でも、「人を傷つけないユーモアセンス」を トップの評価項目に設けています。 「最近、あなたが仕事中にユーモアセンスを発揮した体験を話して ください。ユーモアで急場をしのいだ体験は?」 面接の時にこんな質問が出たりします。 またグループ面接では、ほかの人たちへの思いやりを見せるかどう かもポイントとなります。 グループ面接では、応募者の一人ひとりに5分の自己紹介の課題を 与えられます。 その際、応募者が話をしている時、面接官は「他の応募者の動き」 を観察しています。 その時間を使って、自分の話を準備しているのは誰か? 将来同僚になるかもしれないスピーカーを熱心に応援しているのは 誰か? サウスウェスト航空が採用するのは、後者の人材です。 同社会長のケレハー氏は口癖のようにこう言います。 「仕事のことなら何でも教えられるよ。しかし、どんなに頑張って も一人ひとりが持って生まれた資質は変えられない」と。 <参考文献> ●破天荒! サウスウェスト航空-驚愕の経営 (ケビン・フライバーグ、ジャッキー・フライバーグ 著/ 日経BP社 刊) ●サウスウェスト航空ホームページ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◆ ◆◇ ヒント【ブランド価値を増進する戦略的人材採用】 ◇◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回の事例は「ブランド価値」を核とした戦略的人材採用の好例と いえます。 サウスウェスト航空のブランド価値(そのブランドにしかない魅力 的な約束)の一つは『人間愛に裏打ちされたユーモア』です。 ですのでサウスウェスト航空は、そうしたブランド価値を一緒に なって高められる資質を有する人材を採用の時点から見極めてい ます。 なぜブランド経営では、人材の資質を重要視するのでしょうか? 以下の背景が挙げられます。 ・人材は戦略の実行要素にとどまらず、意志を持って、戦略を策定 しうる心・知恵・技術・体力の全てを有する唯一の経営資源であ る。 ・人材はモノ・カネ・情報といった他の経営資源を有効活用できる 唯一の経営資源でもある。 ・人材は『心』を核としながら、知恵・技術・体力を育てている。 故に経営資源の中核にあるのは『人の心』である。 一方で採用に応募する人材は、生まれ育った環境、先天的な性質、 後天的な努力などによってすでに一定の人格・資質が形成されてい ます。 そうした資質が、組織ブランドの価値観と相性がよいかどうかは 「心」の部分に関わる問題です。 理想をいえば、個人の資質と組織ブランドの価値観との相性が多少 合わなくとも、組織ブランドの価値観に馴染めませる仕掛けがあれ ばよいという考え方もできます。 しかしながら、限られた経営資源で、ブランドとしての顧客価値の 最大化・持続的な競争優位を実現する上では『ブランドの価値観に すんなりと参画できる人材』の優先順位を高めざるをえないのも現 実です。 その上で、さらに組織ブランドの価値観を共有・共創する仕掛けが 用意されているのが『卓越したブランド経営』の特徴です。 サウスウェスト航空は「人間愛に裏打ちされたユーモア」をブラン ドの価値観として明確化し、戦略的な人材採用を行っています。 またサウスウェスト航空は、採用後、OJTや各種人事プログラム、 社内コミュニケーション施策等によりブランドの価値観を共有・共 創する仕掛けも多く有しています。 そうした取組みにより、顧客価値・競争優位の源泉となる「サウス ウェスト航空らしい組織文化」を育んでいます。 この事例は、ブランドの約束を実現するための人材マネジメントを 推進するあらゆる組織に参考になるかと思われます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ ◇◆ ヒントの活かし方 【人材採用プロセスへの応用】 ◆◇ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回のヒントの活かし方では、「ブランドの価値観に合致する人材 採用」をどのように実現するか?について考えてみたいと思います。 【人材採用までのプロセス】 1.採用基準の設定 2.人材募集 3.面談での質問と観察 1.採用基準の設定 一般に採用基準は、学歴・能力・職務経歴など履歴書に記しやす い基準が用いられやすい傾向にあります。 しかしながら、実際に採用後、最も注目されるのは「組織文化と の相性」であることが多いようです。 とくにブランド価値を競争優位とする経営の場合は『ブランドの 価値観に基づく組織文化』が競争力の源泉となるため、ブランド の価値観と相性のよい資質が採用基準として求められます。 具体的にはサウスウェスト航空のように、「人間愛に裏打ちされ たユーモア」を最も重要な採用基準にすることなどが挙げられま す。 顧客に約束しうるブランド価値を定義し、採用基準に結びつける ことは、ブランドらしい組織文化を築く出発点となります。 2.人材募集 採用基準を設定した後、人材募集にとりかかります。 その際、どういったメディアを活用する場合でも、「募集メッセ ージ」にブランドらしさを込めることが大切になります。どのよ うな人材を求めているのか?を端的に表すメッセージです。 例えばサウスウェスト航空の求人広告には、 エルビス・プレスリーの衣装に身を包んだケレハー会長が使われ ており、「エルビスが目をつけた場所で働いてみよう・・・。 履歴書はエルビスあてに」 といったユーモアを感じさせるメッセージが発信されています。 顧客市場を労働市場に置き換え、求めている人材(ブランドター ゲット)にどのようなメッセージを発信するか?というブランド マーケティング発想で人材募集を行うことが、ブランドと相性の よい人材を集める秘訣です。 3.面談での質問と観察 先述の事例でも紹介したように、面談での質問と観察は、ブラン ドの価値観と相性のよい資質を見分ける最も有効な手段です。 サウスウェスト航空の場合は、 「最近、あなたが仕事中にユーモアセンスを発揮した体験を話し てください。ユーモアで急場をしのいだ体験は?」 に代表されるビヘイビア(行動)インタビューで、幼少の頃から、 人を喜ばせるのが好きだったのかを徹底的に聞いたり、 グループ面接で応募者が話をしている時、面接官は「他の応募者 の動き」を観察し、「隣人愛の度合」を見極めています。 リッツカールトンでもあらゆる階層による面接が行われ、採用が 決定するまでに10回以上の面接を受けることもあるそうです。 その際にも、その人の価値観・資質・動機要因を検証するビヘイ ビアインタビューが核となっています。 『心の底から楽しんで「ブランド価値」を提供できうる人材か?』 質問や観察を通じて、見極めようとするのは、この1点にあります。 一般に面談は「履歴書ベースのヒアリング」という側面もあります が、ブランド経営を推進していく上では、こうした側面に加えて、 効果的な質問や観察を行うことが求められます。 ジェイコンサルティングでは、多様な事例研究に基づいて、ブラン ド経営を推進する「ブランド人材マネジメント」を支援しておりま す。 ◆ブランド人材マネジメント http://jconsul.co.jp/service/2009/06/bm-brand-humanmanagement.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ ◇◆ ジェイコンサルティングLLC情報 ◆◇ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ジェイコンサルティングは、理念を大切にするブランドコンサル ティングでブランド経営・マーケティングを活力とした組織進化を 支援しています。 ■サイトトップ → http://www.jconsul.co.jp/ ■ジェイコンサルティングの特徴 → http://www.jconsul.co.jp/aboutus.html ■サービス内容TOP → http://jconsul.co.jp/service/ ■サービスの形態・進め方 → http://jconsul.co.jp/service_flow.html ■書籍紹介 → http://jconsul.co.jp/brm.html ■記事紹介 → http://jconsul.co.jp/article.html ■無料奉仕コンテンツ紹介 → http://jconsul.co.jp/free_service.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ それではまた次回お会いしましょう。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 当メールマガジンの著作権は運営者であるジェイコンサルティング LLCに帰属します。よって、ジェイコンサルティングLLCの書面によ る許可を受けずに、当メールマガジンの内容の全部または一部の複 写・複製・転記載及び磁気または光記録媒体への入力等の一切の行 為を禁じます。各種コンテンツに転載する場合は、事前にジェイコ ンサルティングLLCまでご連絡下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎バックナンバー→ http://archive.mag2.com/0000291138/index.html ◎ご感想・お問い合わせ→ mailmaga@jconsul.co.jp ◎登録、変更、解除→ http://www.mag2.com/m/0000291138.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行元:ジェイコンサルティングLLC 発行責任者:桑畑 穣太郎(C) Copyright 2009 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 会社概要→ http://www.jconsul.co.jp/company.html サイトトップ→ http://www.jconsul.co.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


