2009/05/29
ブランド経営のヒント【エルメスの融合力/ヒントの活かし方編】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇◆ ◇◆ ブランド経営のヒント ◆ 〜卓越したブランド経営・ブランド進化の『ヒント』がここに〜 ━━━━━━━━━━━━━ J Consulting, LLC. Prensents ━ -------------------◇毎週火曜・金曜発行◇----------------- こんにちは。 今回は【エルメスの融合力/ヒントの活かし方編】です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■目次 --------------- ◇前回(火曜日)のおさらい◇ ------------- ・テーマ【エルメスの融合力】 ・ヒント【独自の世界観×ローカル文化×伝統と革新】 --------------- ◇今回(金曜日)の追加項目◇ ------------- ・ヒントの活かし方【新たな『文化市場』へのブランド拡張】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ ◇◆ テーマ【エルメスの融合力】 ◆◇ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ われわれはどの国をイメージする時も、消化吸収してエルメスの 世界に溶け込ませ伝統と新しさを溶け合わせてきた。 (エルメス当主:ジャン・ルイ・デュマ・エルメス) --◆解説---------------------------------------------------- エルメスは、1837年にパリで馬具工房として創業後、20世紀 はじめにファッッション分野へと本格的に参入し、現在は5代目に あたるジャン・ルイ・デュマ・エルメスによって率いられています。 デュマ氏は、こう語っています。 「われわれはどの国をイメージする時も、消化吸収してエルメスの 世界に溶け込ませ伝統と新しさを溶け合わせてきた。」 エルメスでは日本文化についても、自社の姿勢に重ねるように 「伝統」と「革新」の両面をクローズアップしています。 竹をモチーフにしたスカーフ「平穏」の解説では、「日々の瞑想」 という日本の習慣に言及し、渦をなす無数の桜に着物の男女が描か れた「一期一会」というスカーフも登場しています。 銀座の旗艦店メゾンエルメスは、45センチ角の手作りに近いガラ スのブロック1万3,000個を積み重ねて出来たモダンで実験的な建築 ですが、設計に関与したデュマは、和紙を通してやわらかい光が全 体を包む姿をイメージしたといいます。 日本の伝統文化のみならず、ポップカルチャーの分野にも関心を向 け、デュマは「革新」の一環として、マンガによる社史の作成を行 ったこともあります。 また日本のポップカルチャー関連分野とも積極的に関わりを持って おり、人気バンド、アルフィーの依頼により結成20周年記念のス カーフを特別に作ったり、日本人若手アーティストの提案で刀の鞘 を作ったりもしています。 <参考文献> エルメス(新潮新書) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◆ ◆◇ ヒント【独自の世界観×ローカル文化×伝統と革新】 ◇◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回、注目したいのは「われわれはどの国をイメージする時も、消 化吸収してエルメスの世界に溶け込ませ伝統と新しさを溶け合わせ てきた。」というデュマ氏のコメントです。 このコメントを要素分解すると、下記のようになります。 1.核となるエルメス独自の世界観 2.ローカル(各国・各地)文化との融合 3.伝統や革新(新しさ)との融合 ローカル文化への造詣を古代から現代に至るまで深めつつ、グロー バルな規模でブランドとしての「別格感」を顧客に感じさせること は高度な取り組みですが、上記の要素分解はそのヒントを与えてく れそうです。 まず、そもそも独自の世界観がブランドの核となるため、品質・イ メージ・スタイル・ホスピタリティ・希少性などによって顧客に 「別格感」を感じさせることが大切です。 その上でローカル文化との融合を図ると、日本文化をモチーフとし た商品にも見られるように、「テーマとしては親しみやすいが、 どこか謎めいている」エルメスらしさを感じさせることができます。 さらに伝統と革新という要素を付加することで、顧客にとっての いにしえや今と呼吸するブランドとしての魅力をも増すことができ ます。 エルメスのデュマ氏のコメントは、独自の世界観を軸としながらも、 柔軟で奥ゆかしいブランド拡張のヒントを示唆しているように感じ ます。これは業種を問わず、参考になるかと思います。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ ◇◆ ヒントの活かし方 【新たな『文化市場』へのブランド拡張】 ◆◇ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ エルメスは、馬具・バッグ・スカーフなどの製品や広告・広報・店 舗などの顧客接点を通じて、魅力的なブランド経験を提供すること で、価値あるブランド資産を蓄積しています。 ブランド資産の主な中身は、顧客のアタマのなかに広がる「エルメ ス独自の世界観」と「その世界観に対する好意やロイヤルティ」です。 こうしたブランド資産を活用して、ブランドの対象市場・ターゲット ・差別化ポイントなどを拡張する手法を「ブランド拡張」(ブランド エクステンション)と呼んでいます。 一般に、ブランド拡張には、5つのパターンがあるとされています。 1.同一製品ライン内での拡張 <水平的拡張> 2.新たな製品市場への拡張 3.新たな顧客市場への拡張 <垂直的拡張> 4.高級品市場への拡張 5.低価格品市場への拡張 では今回のエルメスの取り組みは、上記のどれに該当するでしょうか? 最も近いのは「3.新たな顧客市場」への拡張といえそうです。 理由は異国の顧客をメインとした市場への拡張であるからです。 しかし、今回のヒントである「独自の世界観×ローカル文化×伝統と 革新」という公式に照らせば、新たな顧客市場への拡張の進化形であ る「新たな文化市場」への拡張といえそうです。 すなわち、今回の事例は「エルメスによる日本文化市場への拡張」に ついて取り上げたという解釈です。 日本文化を好む顧客は、確かに日本人が多数を占めますが、世界中の 「日本文化愛好家」にまで、その顧客層は広がります。 また「伝統的な文化市場と革新的な文化市場への拡張」という要素も 加味しているため、エルメスの独自の世界観が、異なる価値観を有す る市場に効果的に働きかけているとも解釈できます。 その意味で、今回のエルメスの事例から得られたヒントは、ブランド 拡張パターンの進化形と捉え、業種を問わず活用できそうです。 卓越したブランド拡張を実現するためには、そのアプローチ自体にも、 「伝統と革新」が求められるように感じます。 ジェイコンサルティングでは、伝統的なブランド拡張アプローチに 加え、最新の事例・知見に基づいた革新的なアプローチを援用した ブランド拡張支援を行っています。 ■ブランド拡張(ブランドエクステンション)支援 → http://jconsul.co.jp/service/2008/11/bd-brand-extention.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ ◇◆ ジェイコンサルティングLLC情報 ◆◇ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ジェイコンサルティングは、理念を大切にするブランドコンサルテ ィングでブランド経営・マーケティングを活力とした組織進化を支 援しています。 ■サイトトップ → http://www.jconsul.co.jp/ ■ジェイコンサルティングの特徴 → http://www.jconsul.co.jp/aboutus.html ■サービス内容TOP → http://jconsul.co.jp/service/ ■サービスの形態・進め方 → http://jconsul.co.jp/service_flow.html ■書籍紹介 → http://jconsul.co.jp/brm.html ■記事紹介 → http://jconsul.co.jp/article.html ■無料奉仕コンテンツ紹介 → http://jconsul.co.jp/free_service.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ それではまた次回お会いしましょう。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 当メールマガジンの著作権は運営者であるジェイコンサルティング LLCに帰属します。よって、ジェイコンサルティングLLCの書面によ る許可を受けずに、当メールマガジンの内容の全部または一部の複 写・複製・転記載及び磁気または光記録媒体への入力等の一切の行 為を禁じます。各種コンテンツに転載する場合は、事前にジェイコ ンサルティングLLCまでご連絡下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎バックナンバー→ http://archive.mag2.com/0000291138/index.html ◎ご感想・お問い合わせ→ mailmaga@jconsul.co.jp ◎登録、変更、解除→ http://www.mag2.com/m/0000291138.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行元:ジェイコンサルティングLLC 発行責任者:桑畑 穣太郎(C) Copyright 2009 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 会社概要→ http://www.jconsul.co.jp/company.html サイトトップ→ http://www.jconsul.co.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


