時は後漢。最古の字典「説文解字」に学ぶ中国文化講座 

咬文嚼字、つまり、文を咬み砕き、字を咀嚼する。それにより現れてくる中国古代文化を観察していく、ハイレベル中国語講座です。

  • 発行周期 不定期
  • 最新号 2009/05/30
  • 部数 65部
  • メルマガID 0000288301
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サンプル誌

時は前漢。最古の字典「説文解字」に学ぶ中国文化講座 Vol.1        

2009.4.7


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学而不思則罔(wang3),思而不学則殆(dai4) (論語より)

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孔子の言葉に以下のような名言があります。 

学而不思則罔(wang3),思而不学則殆(dai4) 

(学びて思わざればすなわち暗し、思いて学ばざればすなわち危うし) 


「学ぶ」と「思う」の本来の意味を調べるため、 


昔の字典を開いたことがあります。 


そうすると、以下のようになっていました。 

学,識也。《広雅》 
識別の「識」です。 

意外なのは「思」の意味です。 

思,容也。《説文解字》
容,盛也。《説文解字》 


「思う」とは本来、「容れる」、「盛る」という意味だったようです。 


ところで、 

「容れる」、「盛る」には、その「容れる」対象、「盛る」対象が必要です。 



孔子は、「学」と「思」をきれいに対比させて使っています。 



とすると、「思う」の「容れる」「盛る」の対象は、 

「学ぶ」なのではないでしょうか。 



それならば、 

「学ぶ」の意味は「空の器」と理解していいのではないか、と考えました。 


ここまで考えると、私はドイツの哲学者のカントの言葉を思い出しました。 

著書「実践理性批判」の中の言葉です。 


「概念(言語)には、それに対応する対象が伴っていなければならない」 


あなたは、「学」と「思」の関係をどう考えますか?




<編集後記>

レッドクリフ2、10日から始まりますね。

レッドクリフ1は見ましたか?

もし見たとしたら、どんな場面に感動しましたか?



私は甘寧の部下が農民の牛を盗んだ際、

甘寧の処置の仕方に感動しました。
 

非常に私のイメージの中の古代中国人像に近かったです。




「1人の過ちは全員の過ち、皆で反省し、

被害を受けたものへは皆でわびる心。」 



それによって、全員の心をひとつにしたのが、甘寧という武将の 

本当の力だと思うんです。


武力といった能力もさることながら、 

むしろ、ああいったところにこそ、 

武将としての本当の力量が現れてくるのだろうと思いました。 


もし、あの場面で、すぐに軍規に従って処刑をしていたとすると、 

他の兵士は、「恐怖」という心理で甘寧に従うことになるでしょう。 


そうすれば、戦場でも、軍規の「恐怖」を背に、 

兵士一人一人は戦うことになります。 


「恐怖」を背に戦う兵士達一人一人が挙げる戦績と、 

それに対して、「甘寧将軍のために!」という「情熱」の心で 

戦う一人一人の兵士達が挙げる戦績がどちらが高いかといえば、 

確実に後者のほうでしょう。 



「恐怖」を背に戦う兵士は、劣勢になるとすぐにひるみます。 



それに対して、「情熱」を胸に秘めて戦う兵士は、少しくらいの 

劣勢はものともしません。むしろ、その劣勢が、更に兵士の力を 

呼び覚ますでしょう。 



これが「士気」というものなのだと思いました。



奸計を好んで用いた曹操であれば、

自ら農民を装ったスパイを使い、牛が盗まれたと演出させ、

曹操自ら農民にひざまづくことで、「悪の行為には上も下もない」ことを自ら示し

たかもしれません。


それによって、兵士からの尊敬を集めると同時に、

また、口コミによる民からの信頼を狙うという計略を使ったかもしれません。


曹操は、孫子兵法の注釈書を書いているくらいですから。


発行責任者 阿部芳久


★発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 
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