2009/12/22
『カシスウー論』 ~『ビックエコー 秋葉原駅前店』編~
『カシスウー論』 ~『ビックエコー 秋葉原駅前店』編~ こんにちは 菓子酢ウーロンです。 第38回『カシスウー論』は、『ビックエコー 秋葉原駅前店』編です。 -------------------------------------------------------------------------- ときどき、私は一人でカラオケボックスへ行く。 平日の昼間に仕事をしたり、寝たりするには、カラオケボックスがなかなか重宝するからだ。 カフェではグーグー寝るわけにもいかないし、 そもそも電源コンセントがない店では、時間を気にせずパソコンを使うこともできない。 ネットカフェにも何店か行ってみたが、あの異様に閉鎖された空間がどうにも馴染めず、 仕事に集中することも、寝ることもできなかった。 その点、カラオケボックスはなかなかいけるのだ。 もちろん、カラオケボックスにも、問題というか、超えなければならないハードルは存在する。 受付で「お一人様ですか?」と聞かれて、「はい」と答えるのはけっこう恥ずかしいし、 「ご利用時間は?」と聞かれて、「3時間で」と言うのは、それ以上にずかしい。 しかし、一時間ほど寝て、残りの時間で仕事をしようと思うと、どうしてもそのくらいの時間になってしまうのだ。 受付の人は顔色ひとつ変えず、事務的に手続きをしているが、 心のなかでは「コイツ、3時間も一人でナニ歌うねんっ!」と思っていることだろうし、 年末になってくると昼間から高校生や大学生の集団が出没するようになり、 「アイツ、一人で3時間かよ」「暗~い」「きも~い」という視線にさらされる。 それさえ耐えれば、睡眠と仕事の時間を確保できるので、 昼間一人で仕事をする人で、「我こそは」というタフなハートの持ち主は、ぜひ試してみてください。 さて、年末というと、あっちこっちで今年のランキングなるものを目にするようになる。 今年一番のニュースとか、視聴率ランキングとか、今年を象徴する一文字なんていうのも、 大きなくくりで言えば、ランキングの一種だろう。 ちなみに、清水寺で毎年やっている「今年の漢字」は『新』だった。 2008年が『変』だったことを考えると、変化とか、刷新というのは毎年安定的に起こることで、 特別その年を象徴しているわけではないのになぁ・・・と私なんかは思うのだが、 まあ、みんなの投票で決めているので、そこに文句を言うわけにもいかない。 以前、あるベンチャー企業の社長のところへインタビューに行ったとき、 「自分が思っている以上に、自分がマイナーな存在であることを認めなければいけない」と言っていたから、 「今年の漢字が『新』なんてピンとこない」と言ってみても、所詮はマイナーで、無力な意見なのだろう。 ついでなので、マイナーで、無力な意見を述べさせてもらうと、 清水寺の住職だか、何だか知らない偉い人が書く字は「あれ、ホントにうまいのかな・・・」 と私はいつも疑惑の目を向けている。 そりゃあ、習字のうまさで寺の人事を決めているわけじゃないだろうから、 ものすごくうまいほうがむしろ不自然だけど、 たくさんの人がありがたがって、一斉にメディアが報じる割には、 「ちょっとイマイチじゃないかなぁ」と思っているのは私だけではないはずだ。 そう思いませんか?? でも、もしかしたら、あの住職だか、何だか知らない偉い人もかなりのプレッシャーを感じていて、 主催している漢字能力検定協会から、早めにこっそり「今年の漢字」を教えてもらって、 本堂の隅かどこかで、夜中にひっそりと練習しているのかもしれない。 そう考えると、同情的にもなるし、 ごちゃごちゃと文句をつけるのも、申し訳ないと思う。 『新』や『変』のように比較的簡単な字のうちはいいけど、 そのうちに、薔薇の『薔』とか、麒麟の『麟』なんて字が選ばれちゃったら、 住職は夜も眠れないんじゃないか・・・なんて心配になる。 薔薇の『薔』なんて覚えるだけでもたいへんで、 もし大勢の面前でまちがえでもしたら、寺の威信は地に落ちてしまう。 もっとも、薔薇の『薔』とか、麒麟の『麟』が選ばれるなんて、 どんだけエキセントリックな一年やねん! って思うけどさ。 清水寺の話はさておき、 一応出版業界で働いている私としては「本のランキング」もやはりちょっとは気になってしまう。 雑誌「ダ・ヴィンチ」では、例によって「ブック・オブ・ザ・イヤー 2009」という特集をやっていて、 総合一位は『1Q84』だった。 良くも悪くも、それには納得せざるを得ない。 普通の小説が書店で売り切れ続出になるなんて、やっぱり異常なことだし、 異常な事態を引き起こしたというだけでも、何かしらの力があったのだろう。 それはそれとして、「ダ・ヴィンチ」の特集で私が一番気になったのは、 (普段はほとんど読まない)コミックのランキングだった。 あくまでも「ダ・ヴィンチ」の読者が選ぶランキングなので、世間一般の評価はわからないが、 一位は『聖☆おにいさん』(セイント おにいさん)という作品だった。 マンガにまったく興味のない私は、もちろんこの作品を知らなかったのだが、 「ダ・ヴィンチ」の記事を読んでみると、現世で、ニートみたいな生活をしているブッダとイエスの物語らしい。 そして驚いたことに、「ダ・ヴィンチ」のランキングでは去年も一位だったらしい。 余談ながら、私は20代前半のころ、ある芝居の脚本を書き、 そのなかでブッダの「ぶっちゃん」とイエスの「いっちゃん」というキャラクターを登場させたことがある。 そのせいもあって、『聖☆おにいさん』には妙な親近感を覚えて、 さっそく一巻と二巻を買って読んでみた。 内容は、ブッダとイエスが二人でディズニーランドやプールへ行ったり、写メを撮ったり、 ブログをやったりしている普通の日常を、ただ漫然と、脱力したトーンで描いたもの。 まあ、なんというか、おもしろくないことはないけれど、これが一位ですか・・・それも二年連続・・・・ というのが、私の正直な感想だった。 要するに、私はとことんマイナーな存在なのだろう。 ちなみに、その他のコミック・ランキングでは、 六位に『ガラスの仮面』、十三位に『こちら葛飾区亀有公園前派出所』が入っていた。 つい最近、テレビで松崎しげるが「愛のメモリー」を歌った後に、 「同じ歌を長年歌い続けるのは、たいへんなことだ」と自分で語っていたが、 ややもすると「一発屋の言い訳」に聞こえてしまう、日焼け男の戯言とは比較にならないほど、 『ガラスの仮面』と『こち亀』のランキング入りは評価できる。 新しい物語を生み出し続け、それが認められているのだから、文句なしの快挙だろう。 もっとも、井上雄彦と浦澤直樹くらいしかマンガを読まない私に評価されても、うれしくはないだろうけどさ・・・ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 菓子巣ウーロンの『カシスウー論』 感想やお問合せは cassis.oolong.2009@gmail.com まで 登録解除のお手続きは http://www.mag2.com/m/0000287963.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


