2009/12/18
破滅男の軌跡 「悪い医者の依頼を受けて 過去編」その4
発行に間が空いてしまいました。申し訳ありません。 約15年前、私は知り合いの医者からの依頼を受けました。 その医者が勤める病院の院長のでたらめなオペの後亡くなった患者。 葬儀場に運ばれた後、その遺体には院長がオペのあと置き忘れた手術道具が残されていることが分かり、発覚する前に遺体を一時回収できないかとの依頼。 私は、難しいと思いつつ引き受けました。 さて、葬儀場から遺体を持ち出すとなると、強引なことはできない。 警察を呼ばれておしまいである。 買収するしかない。 しかし、困難なのは、とにかく時間がないこと。 仮通夜でも行われている場から遺体を預かって病院に運び、手術道具を取り出した後葬儀場に戻さなければならない。 そして、医者から預かった金は80万のはした金である。 引き受けたものの、「さて、どうしたものか」 不良アメリカ人留学生と車で葬儀場に向かいながら私はない頭をひねり続けた。 さいわい、私もアメリカ人も、簡単に済む仕事かと考え、終わったら繁華街に繰り出すかという気持ちで小奇麗な格好をしていた。 連れのアメリカ人は、実はクソのようなでたらめな奴だが、ブロンドの青い目で、見た目は上品かつ精悍である。 私は笑ってしまうようなプランを急いで練り上げ、とりあえず乗り込むことにした。 まずいならとっとと逃げ出せばいいことである。 葬儀場に着いた私は、責任者を呼んでもらい、一気にまくしたてた。 「私は、国の非合法機関に属する者である。現在ある国際問題を扱ってこの CIA職員と一緒に行動している。 実は、事情があって、こちらに置いてある遺体を一時預からせてもらいたい。 理由を説明するわけにはいかない。あなたの判断で、秘密裏に事を運ぶことができたら、わずかではあるが謝礼をすることができる。 もし、あなたが断るということであれば、こちらのCIAの工作員が、別の強硬手段を講じる用意がある。 2時間程度で遺体は問題なく返すことができる。 できるなら、穏便にことを済ませたい。協力してくれ。」 私と、不良アメリカ人は、いつでも逃げられる体制を整えながら、応対した40代のしょぼくれた葬儀場の店長の返事を待った。 続きは次回。


