2009/12/21
写真学校で学んだ【12号~影を観る】
◆━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇ 人生で大切なことは、写真学校で学んだ ~写真がもっと楽しくなる~ 【第12号】2009.12.21 ◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━◆ こんにちは! フォトグラファーの朝風です。 年末が近づいてくると、 やらなきゃならないのが大掃除。 なかなか捨てられない性分の私としては、 いつもモノとの決別を強いられます。 今回はどれだけのモノを処分できるのか、 決断の時期がやってきました。 さて、 今回のテーマは、「影を観る」です。 写真は光と影でできている、 という当たり前の事実から、 人生を観察していきたいと思います。 ■目次 ----------------------------------- 1.影を観る 2.おすすめ写真集「東京貧乏宇宙」 3.編集後記 ■1. 影を観る ----------------------------------- 写真学校の授業中に聴いた、ふとした会話が気になった。 「カメラで撮影するときには、“影”を意識しなさい」 影。 写真は「光」と「影」でできている。 僕もそうなのだが、カメラのファインダーをのぞくと、 つい、「光」のほうを意識してシャッターを押してしまう。 光が当たっているところは明るく、 そして、画面の中では目立つからだ。 ところが、「“影”を意識しろ」という。 光と影を考えるに、非常に面白いことがある。 それは、日本と欧米の写真観の違いだ。 いや、写真観の違いというより、 文化、というか根底にある価値観のようなものかもしれない。 それは、 写真を撮るという語源にも現れている。 「欧米では写真を“光”で創るが、日本では“影”で創る」 フォトグラフという言葉がある。 英語で書くと、photograph photoはもともと光の意味。 物理学用語の photon が「光子」を意味するように。 graphは書く、描くという意味だ。 つまり、 フォトグラフは「光で描く」ということになる。 光で描く、それが写真。 ところが、 日本語で写真を撮る行為は“撮影”と呼ばれる。 文字通り、「影を撮る」ということだ。 影を撮る、それが写真。 影を撮る。 なんとも日本らしく奥ゆかしい語源ではないか。 欧米は、光の側から観て写真を定義し、 日本は、影の側から観て写真を定義した。 どちらも真を得ていると思う。 光と影が織り成す芸術が写真だ。 しかし、 被写体を観察するときには、 ついついどちらか一方に偏った見方をしてしまっているようだ。 そして、おそらく、多くの人が “フォトグラフ”の視点になっているのではないかと思う。 光があたっているところこそが真実だと。 だからこそ、 「影を観なさい」と意識させたのだと思う。 光だけでは写真はできない。 光だけなら、印画紙上に真っ白な絵ができるだけだ。 影だけでも写真はできない。 “影”があるから、“光”を感じることができる。 “光”があるから、“影”を感じることができる。 どちらか一方だけだと、 その存在すら、無いのと等しくなってしまう。 僕は、他人を見るときにも、 “光”の部分がほぼすべてだと思い込んでしまうことがある。 “影”に対する想像力が薄いときがある。 でも、 誰でも、光の部分や影の部分を持っており、 それが、その人の人生の輪郭を浮き彫りにしているのだと思う。 朝、出逢った笑顔の人は、 夜、家で泣いているかもしれない。 いつも明るく元気そうに見える人が 実は、大きな人生の課題を抱えていたりする。 影を観る、とは、光が当たっている反対側を意識すること。 そこには、 もうひとつの真実がずっしりと存在しているようにも感じる。 ******************************* 影を観よう。 誰の人生にも、光と影が存在する。 ******************************* カメラのファインダー越しに見える光と影の世界。 影の部分がどうなっているかも、しっかりと意識していきたい。 ■2. おすすめ写真集「東京貧乏宇宙」 --------------------------------------- 「東京貧乏宇宙」 東京で風呂なしアパートに住みながら、 夢を目指して一途に生きる東京人42人の あるがままの生活を描写した写真集です。 (私も6ページ参加しています) 普段、あまり見ることのできない他人の部屋の中が 赤裸々に写されています。 私も、岡本篤さんという役者さんのページを 担当させていただきました。 「“生きるのが嫌になっていた自分が恥ずかしくなった。 生きる勇気をもらいました”と、芝居の終演後に お客さんから涙ながらに握手を求められたことがあった。 そのときは嬉しかったというより、身が引き締まる思いがした。」 ・・・という岡本さんの言葉が印象的でした。 東京貧乏宇宙、 雷鳥社から全国大型書店で好評発売中です。 東京貧乏宇宙 http://tinyurl.com/copr85 NO DREAM,NO LIFE. 夢があるから生きていける。 お風呂がないが、夢につつまれて生活する東京人42人。 風呂なし居住空間の住人の魅力は格別である。 誰の部屋にも独特の小さな宇宙が広がっているからだ。 ■3.編集後記 ------------------------------------ 年賀状を書く季節になりました。 今年1年間に撮影した写真の中から、 年賀状にふさわしい写真を選ぶのですが、 なかなかいいものがなかったりします。 「今年はいったい、何を撮ってきたんだ・・・」 ...と、ちょい落ち込むことがありますが、 撮影の思い出を振り返るいい機会でもあります。 今年は、どんな写真を撮りましたか? 今回も最後まで、読んでいただき、 どうもありがとうございました! ~~∞~~~∞~~~∞~~~∞~~~∞~~~∞~~~ □人生で大切なことは、写真学校で学んだ □発行者:朝風智之 □隔週刊発行 □メール:asakaze59◎yahoo.co.jp(◎はアットマーク@) ~~∞~~~∞~~~∞~~~∞~~~∞~~~∞~~~ このメールマガジンはインターネットの本屋さん「まぐまぐ」を 利用して発行しています。 ------------------------------------------------ □購読登録・中止・変更: まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000286441.html □内容の無断転載はしないよう願います。 ------------------------------------------------
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