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2009/07/20

けんちくけんちく013

2009/07/20 けんちくけんちく 013
けんちく探訪
http://www.geocities.jp/mirutake/
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  48 入間市 米軍ハウス
      photo by mirutake 2007.12

米軍ハウスについて私が知っていることと言えば、遠くから密かに
聞こえてくるものでしかなかった。70年代?ロックのミュージシ
ャンがが住んでいるというのは何となく聞いたことがあった。八王
子に住む友人とか実際に見ている人からは、米軍ハウスについては、
大した物じゃないと言う情報しかなかった。
90年代?柏木博氏が戦後住居史をパネル展示したときに取り上げて
いたが、影響力はかなりあったのではないか?という思いはあった
が、ではどのような物なのかと言うことには、一向に想像力が働か
ず解らない状態だった。

去る土曜日(2007/11)に、「王様のブランチ」という番組で、いろ
んな規模の住まいを紹介=値段を当てるという番組があった。いつ
ものようになんとなく見ていると、「平成ハウス」というのを入間
市でやっていると取り上げていた。米軍ハウスとの関連も言われて
いたと思うが、よくわからないまま見ていた。「平成ハウス」とい
う物件もパーチクルボードを室内全面に使っている物で、おまけに
便器が室内に露出している。これは清家清の「私の家」からきてい
るとしか思えず、建築家の関係している物に思えた。


そこで早速インターネットで調べてみると、入間市の一角に米軍ハ
ウスの賃貸物件が残っていると言うことが解った。そしてそこには、
「かつて日本の住まいは米軍ハウスから大きな影響を受けて、それ
を残してゆきたい」と言うことが書いてある。そして「平成の現在
にその流れを込めて、新たな住まいの提案をやって行こうと思って
いる」というようなものだった。このコンセプトには、即、すごい
なーと思わずにはいられなかった。そして何かが在るのかもしれな
いという思いが湧いてきた。どんなことになっているのか、これは
見てこなければ。


現地は都心から1時間半かかった。
冷たい風が吹いていた。(07/12)国道から**美術館というのと、
**パン屋さんと言うのがそれらしく見えた。この奥にどうもある
なーと言う感じ。

まず見えたのは殺伐としたハウジングがあった。道路も庭も整備さ
れていないのがつらい感じを与えた。一部には長年保たれた樹木が
あって、なるほどこういう感じであったのかという感慨はあった。
こんな物かなとも思った。



けれどそれだけではなかった。
一軒のハウスが、改装されて、白色にペイントされて、光っていた。

なんと愛らしいたたずまいか。猫ちゃんが迎えてくれるではないか。
写真を撮っていると足に体をすりつけてくる。



これは奇跡のたたずまいだと思う。
低い平屋の屋根。その低さに続いて増設された玄関用の室。そして
もう少しそのまま伸ばして、テラス用の庇。この低さは得難い物だ。

そもそも背の低い平屋の建物があり得ること自体が奇跡としか言い
ようがない。夢のたたずまいが実現されてしまっていると言ってい
いでしょうか。美しいです。現在に建てようと思っても不可能な建
設計画(たたずまい)だからです。建築家という固有種のある一部
には可能か?と思えるのですが、そのくらい稀少です。
下見板張りというのは、アメリカンハウスのイメージぴったりだ。
戦後アメリカの家族ドラマが幾つもTV放送されたが、そのハウスの
イメージそのものだ。私たち団塊の世代が住宅を手がけるようにな
った頃も、耐火下見板張りや、アルミの下見板張りのアメリカンス
タイルが流行ったものだった。建築家達も手がけていたのだ。そん
なことも下見板張りを見ていると思い出す。

現在の設計環境から言うと、平屋と言うのは大変難しい、あり得な
い選択にさえ見える。でからこそ美しいと言うところへ昇華した観
点になって行くといえる。もっともこの場所あり得ていると言うこ
とは、場所性、家族の構成、などからあり得る選択と考えることも
できると言うことでもある。
また1階の床が低くて、とてもそこが美しいのだが、逆にそこが木
造故の湿気対策としてあり得ないという批判もあった。土間コンで
床暖でも出来ればあり得るのだが、予算として苦しい選択だ。けれ
どこの事も翻って考えれば、では何故にここで成立しているのか?
と言うことになる。立地条件や、隣棟間隔とか、気象条件とか、こ
この地域性が好条件だったのか。実際何十年もこの木造が持ってき
ているのだから。これらのことをもっと良く吟味してみなくてはと
思う。


この平屋のハウス群を残そうと思った管理者に敬意を表します。営
業が成り立っていることもまた、奇跡と言えるのではないでしょう
か。米軍ハウスの生き残りとして、平屋ハウスの希少価値として、
かつてミユージシャンが過ごした場所として、等々の意味付をもっ
て、入間の文化として生き残って行くのでしょう。

                   071221
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  発行者 mirutake
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