2009/10/21
【第253回】2004年事例3より(第2問)
―――― ◆【1日3分 生産管理リーディングマラソン】 ―――― 発行人のYoshikiです。 「1日3分 生産管理リーディングマラソン」をご愛読いただき、 ありがとうございます。 この日刊メールマガジン「1日3分 生産管理リーディングマラソン」 は中小企業診断士1次試験受験生が毎日読み続けることによって少し でもものづくり、生産管理の用語が身近になることをお手伝いできれ ばと思っています。 ものづくり、生産管理を理解した中小企業診断士が増えることで日本 のものづくりがこれからも国際競争力で打ち勝っていく下支えになる ことを望んでいます。 また、中小企業診断士を受験しない方でも、生産管理や日本のものづ くりに興味を持った方にも読んでいただけるよう心がけています。 ■メルマガの登録・解除はこちらから http://www.mag2.com/m/0000280531.html ■筆者(若井吉樹)のプロフィール http://ameblo.jp/yoshiki-wk/ ―――― 第253号のメニューはこちらです。 ■過去の2次試験の事例から ■■編集後記 ―――― 【第253回】2004年事例3より(第2問) ―――― 過去の2次試験の事例を紹介しながら、そこで出てくる生産管理の用語 やそこに書かれている状況について紹介しています。 2次試験でどのような事例が出てくるか知っておくことは大事です。 今年は2次試験を受けない方も2次試験でどんな事例がでてくるかを知 っておいて損はないと思いますので読んでみてください。 今日は2004年の事例、 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例3 「生産・技術を中心とした経営の戦略および管理に関する事例」 の第2問を見てみましょう ―――― 第2問 C社の受注決定に至るまでの営業プロセス上の問題点をあげ、その改 善策を120字以内に述べよ。 (解説) 営業プロセスというと引き合いから受注に至る部分がメインになりま す。本文のなかで引き合いから受注に至る部分で問題的な表現の部分は いかになります。 ―――― 近年、価格や仕様についての顧客の要求が厳しく、営業部は仕様の頻 繁な変更や価格交渉のため、顧客への訪問や設計部との打ち合わせが増 加しており、引き合いから受注に至るまでの期間が長期化する傾向にあ る。 この間に同業他社の値引きによって受注を奪われるケースも見られる。 一方、顧客から技術的な側面からの提案が求められてきている。 ―――― 「引き合いから受注に至る期間が長期化し、その間に同業他社から値 引きで攻められる」「顧客からの技術的な提案を求められる」のどちら もお客様の仕様を詰めていく過程で、営業がお客様と設計部との間の情 報伝達に留まっていることから起きていることが考えられます。 もし、わたしたちの家に訪問販売員が来たとき、販売員の説明に対し て質問を投げかけたとき、その場で答えてもらうのと、その件について は持ち帰って技術部隊に確認して後日回答します、というのとどちらが 買ってしまう可能性が高いかと考えれば答えは明白です。 では、どのような改善策があるかについては、いろいろな考えがある と思います。 ・営業と一緒に設計部のメンバーが客先訪問して仕様を詰める ・顧客と仕様を詰めていくときの過去のケースを整理し、営業は何をど のように詰めていけばいいかをシートなどで標準化する ・営業にも必要最低限の技術的知識を付けさせて、何でもかんでも設計 部に確認するということを少なくする ・ベテランの設計部員を営業部へ異動させる など、いろいろな考えがあると思います。 本文のケースだとこれというのはあまりないと思いますので、自分で答 えやすいものを選んで120字以内に書けばいいでしょう。 ―――― (本文) 【C社の概要】 C社は、食品関連の包装機械の製造・販売を事業としている。設計、 部品加工、組立など完成品に至る一貫した工程を社内に持ち、合理化、 省力化のための機器製作には定評がある。製品のユーザーである大手・ 中堅の食品メーカー5社が主な顧客である。 昭和41年の創業以来、食品関連の包装機械を中心に手掛けていたが、 平成2年に即席カップ麺の充填包装ラインの開発に成功して以後、着実 に成長してきている。現在、資本金は3,000万円、従業員は40名、 大都市圏に本社、地方圏に工場が1つある。本社には総務部と営業部、 工場には設計部、資材調達部、製造部がある。 前期の売上高は11億円で、前々期に比べて5%増加した。月生産台 数は、単体の装置で5~10台程度、単体の装置を複数組み合わせたラ イン装置で3~5台程度である。即席カップ麺の充填包装ラインの売上 は、10年前にはC社の全売上の約30%であったが、今期は約70% になっている。 なお、C社は、カタログに掲載している標準タイプの単体の装置(約2 0種類)に、顧客の要望に応じて機能を追加したり、形状を変えたり、 組み合わせてラインにしたりする受注生産形態を採っている。 C社の現在の主力製品となっている即席カップ麺の充填包装ラインは、 調理された麺やスープなどをカップに詰めて包装するまでの一連の製造 システムである。即席カップ麺の蓋の溶着は、同業他社の装置と比べて 約1.3倍の速度で処理できる。 一般に、食品関連の機械製造業は、需要の変動が大きい他の機械製造 業に比べて、需要の変動が小さい分野である。この業界では、ユーザー が大手企業の場合には、商社経由での取引が一般的である。また、近年、 即席麺メーカーの中国企業への資本参加が活発化してきている。 【受注から生産までの流れ】 まず、引き合いに応じて営業部が客先に出向いて仕様を確認し、設計 部は営業部から伝えられた顧客の要望に基づいて仕様書を作成する。次 いで、営業部は設計部から仕様書を受け取り、再度客先に向かい、仕様 内容を確認する。 仕様が顧客により確認された後、設計部は見積もりに必要な情報を営業 部に提供する。その後、営業部は見積書を作成し、顧客に提示する。受 注に至ると、設計部は仕様に基づいて詳細設計を行い、詳細設計図を資 材調達部に引き渡す。 新規受注品が「生産計画」に追加された後、資材調達部はパソコンに より、部品・材料データベースから、その製品に必要な部品や材料、そ の数量、在庫の有無などを確認する。 発注が必要な部品・材料については、組立工程のスケジュールなどを考 慮してリードタイムをパソコン上で計算する。さらに、上記データベー スから部品加工の作業手順書を引き出し、外注先または製造部に提供す る。 しかし、顧客の個別の要望に応じた1回限りの仕様である「特注部品」 は、個別に手作業で手配事務を行う。最近、「特注部品」が多くなって きており、資材調達部の手配事務が煩雑化してきている。 発注が必要な部品・材料のうち、購入部品・材料は、資材調達部が発 注する。加工部品の内外作の決定にあたっては、社内の稼働率が優先さ れ、社内の工程に空きがあれば社内加工に向けられる。社内の工程の空 きは、資材調達部が随時、製造部からのヒアリングによって把握する。 外注加工品と購入部品・材料の受入、検品を行うのも資材調達部である。 常時取引のある加工部品の外注先は20社あり、どの部品をどこに発 注するかは、各外注先の特性に応じて、資材調達部の外注管理者が決め る。 外注先の加工進捗状況は、各外注加工品の納品予定日の3日前に電話で 確認することで把握する。顧客への納期や組立作業での必要日数などを 勘案すると、外注加工品の発注から「生産計画」上の組立作業日までの 日程に余裕がない場合も多い。 製造部は、部品加工課、組立課、アフタサービス課の3つに分かれて いる。部品加工課は、資材調達部から社内で加工する部品の依頼を受け、 「生産計画」に基づいて課内の週単位の日程計画を作成する。完成した 部品は組立課に引き渡す。 組立課は、資材調達部が受け入れた外注加工品と購入部品・材料、な らびに部品加工課から引き渡された社内加工品によって、装置の組立、 配線、調整、最終検査を行う。 毎日の作業については、「生産計画」に基づき、組立課長が組立課の社 員に指示する。 しかし、外注加工品の納期遅れが原因で、「生産計画」どおりに組立作 業が開始できない場合がある。 製品の引渡しは営業部と製造部が立ち会って、客先で行われる。 アフターサービス課は、納入した製品に関する定期点検や修理などを客 先で行う。 近年、価格や仕様についての顧客の要求が厳しく、営業部は仕様の頻 繁な変更や価格交渉のため、顧客への訪問や設計部との打ち合わせが増 加しており、引き合いから受注に至るまでの期間が長期化する傾向にあ る。 この間に同業他社の値引きによって受注を奪われるケースも見られる。 一方、顧客から技術的な側面からの提案が求められてきている。 納期は、受注した装置にもよるが、ライン装置では通常、1~3ヶ月 である。近年、短納期の要請が顕著であり、これに対応できるような業 務プロセスの革新が重要になってきている。 ―――― ■■編集後記 ―――― 昨日インフルエンザ予防接種を受けてきました 病院にいくと来ている人のほとんどが予防接種を受けに来ている人 お昼休みにいったのですが、わたしの次の人で今日の分はもう終わりと いった状況でした 定期的に少しずつ入ってきているようですが もし受けようとされる方は早めに行かれるといいかもしれませんね ―――― ■Yoshikiの著作 世界一わかりやすい在庫削減の授業(サンマーク出版) 価格:¥ 1,470(定価:¥ 1,400) http://www.amazon.co.jp/dp/4763199471/ref=nosim/?tag=comameni-22 (解説) 在庫管理のツボが3時間でスラスラ読める! 経営者や経営幹部はもちろん、コンサルタント、仕入れ担当者、小売店 長、税理士、中小企業診断士・・・・・・ 流通の現場に関わるすべての人が一度は読んでおきたい入門書決定版。 まぐまぐの殿堂入りメルマガの「毎日3分読書革命!土井英司のビジネ スブックマラソン」(発行部数44,982部)に拙著『世界一わかりやす い在庫削減の授業』が紹介されました。 下記バックナンバーの8月18日を参照ください。 http://eliesbook.co.jp/review/ 御社のトヨタ生産方式は、なぜ、うまくいかないのか?(技術評論社) 価格:¥ 1,659(定価:¥ 1,580) http://www.amazon.co.jp/dp/4774132446/ref=nosim/?tag=comameni-22 (解説) トヨタ生産方式を失敗事例をもとに基礎からわかりやすく説明した新し いかたちのトヨタ生産方式の入門書 まぐまぐの殿堂入りメルマガの「1分間書評!『1日1冊:人生の知恵 』で拙著『御社のトヨタ生産方式が、なぜ、うまくいかないのか?』が ★5つをいただきました。 http://archive.mag2.com/0000094236/20080331064000000.html 雑誌「工場管理」に「生産現場の改善・改革と情報システムの連携」で 連載中 工場管理 2009年 04月号 [雑誌] 価格:¥ 1,380(定価:¥ 1,380) http://www.amazon.co.jp/dp/B001THJJGY/ref=nosim/?tag=comameni-22 ―――― ■ご紹介 メルマガの読者からいただいたメールを見ると、大手予備校の通学講 座や通信講座を申し込むとそれなりの金額になってしまうのでまずは独 学でやってみよう、という方がけっこういらっしゃいます。 でも独学となるとちょっと心配、でもお金が、というかたは一度「通勤 講座」というサイトを一度訪ねてみてください。 http://manabiz.jp/ 1講座1,500円から2~3千円と小さな金額で始められ、すべてを受講 しても10万円かからないものです。 大手予備校の通学講座は通学講座のメリットはあります。わたしも大 手予備校の短期集中講座を受講しました。そこで受験仲間を得てお互い 励ましあって勉強しました。 通信講座もそのメリットはあります。でも、近くに通学する学校がない 大手予備校の金額はちょっと厳しいというかたは、選択肢の一つとして 検討してもよいかと思います。 あえて1つポイントを紹介すると、「通勤講座」名前のごとく通勤途 中で勉強することを考えられていることです。 ずばり、分厚いテキストがないのです。基本的に音声をダウンロードし てそれを聞くだけ。なんか信じられない人は無料のダウンロードもある ので一度試してみてください。 2次試験用のサービスも始まったようなので一度覗いてみてください。 以上ご紹介まで。


