2009/05/24
異業種参入がイノベーションを起こす
新規事業開発にはいろいろなパターンがあり、企業の背景までも含めるとそれこそ千差万別です。そんな中で今回は異業種からの参入の新規事業開発をみて みましょう。 これまで数え切れないくらいの会社に出入りしてきましたが、その中で感じるのはそれぞれの業界には業界常識というのがあるということです。家電、広 告、銀行、メーカー、建設、サービス・・・・・・それぞれの業界常識、ビジネス慣行、閉鎖性、業界秩序、横のつながり度合など、第3者としてはいろん な業界の違いがよくわかります。 その業界常識が時に業界外部の人間からは非常識に思えるケースもしばしばあります。そして業界の常識として疑われることのないままゆでガエル状態で 閉塞状況に陥り、環境変化への対応が遅れとなって、新たなイノベーションが出にくい状況がいろいろな業界で共通して起こっています。 新規事業開発のミッションは、成長が鈍化した本業以外の新たな事業収益の柱を構築していこうとする点は多くの企業に共通しています。しかし本業の世 界とは違い、未知との遭遇だらけの新規事業開発は経営トップをはじめ担当者を悩ませる厄介な経営課題です。 異業種からの参入は、業界人にとっては予想もしない脅威となるのは、業界常識では考えられないイノベーション旋風をもたらす点にあり、しかも厄介な のは予測も困難なことで対応が後手後手に回ってしまいます。異業種参入の新規事業が業界常識にとらわれない発想と行動でイノベーションを起こす例はた くさんあります。 具体例をあげましょう。 東急不動産が遊休地の活用の新規事業として取り組んだのがホームセンター事業でした。しかしご存知のように普通のホームセンターの世界とはだいぶ違 い、いろんな発見商品との出会いがある楽しい店です。これをホームセンターの分類に入れるのは違和感すらありますね。ここで注目すべきは不動産業から の参入という点です。 東急グループにはデパートもあればスーパーもありますがこうした流通でない異業種からの参入であるために、流通業界の常識に縛られないある種イノベー ションを起こしたといわれています。 もうひとつ例をあげましょう。ビデオレンタルのTSUTAYAです。ツタヤの創業者の増田さんはアパレルファッションの鈴屋にいました。このファッ ション業界は旬のマーケティングというべき流行が支配する世界で、今はやりのものを品ぞろえして売りきるということが常識の世界です。売れなければタ イミングを逸し、在庫を抱え経営を圧迫します。一方ビデオレンタルの世界は今日でこそ人気商品を多数そろえることは当たり前ですが、以前は人気商品の 品ぞろえはせいぜい2〜3本、いつでもレンタル中の輪ゴムの札が掛っていて借りられるどころではありませんでした。そこにファッション業界の旬のマー ケィングを導入して流行のビデオを何十本もそろえたわけですから、集客力の差は歴然でその後のサクセスストーリの示す通りです。 このように業界常識にとらわれない発想と行動力で新しいビジネスモデルを実現していくと、従来の常識では考えられなかったイノベーションが起こりま す。こうした例はフランチャイズビジネスで多く見ることができます。 業界常識は、参入される側にとってはリスクとなり、異業種からの参入組にとってはチャンスなのです。


