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新規事業開発コンサルティングに長年携わってきた経験をもとに、独自の新規事業プロセスマネジメント論の視点から実践に役立つ持論を展開。

  • 発行周期 不定期
  • 最新号 2009/09/01
  • 部数 35部
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2009/05/01

マーケティングはつねに偏っている

マーケティングは「売れる」ことを追求すること、ということが言われます。しか
し、そうだとすれば売れ筋で無いものには目を向けないという結果となってしまう
ため、そこには偏りが生じることはどうしても避けられません。利益を追求する企
業のミッションからすれば当然のことですが、「売れる」状態がいつまでもそのま
まずっと続くものではないでしょう。
 こんな話があります。ある家電店での話し。80歳過ぎの高齢者がCDコンポを買
いに来ていろいろ品定めをしてみたけれど、どの機種も操作がとてもしづらい。聞
くところによると何を押せばどのように動くのかさっぱりわからないものばかりで、
英文で書いてあるもの、文字が小さい、わけのわからない機能が多すぎ・・・・・
・要するに製品スペックが自分のような高齢者向きではないとのこと。しかし自分
は文部省唱歌や日本の歌のCDアルバムを購入しようと思っている。それを聴くた
めにその高齢者はCDコンポを買いに来たわけで、実体経済としての需要が間違い
なくそこにあるのです。
この話を聞いて思ったのは、CDコンポの製品開発自体が高齢者をマーケティング
の対象外としているということです。では高齢者はCDを聞かないのでしょうか?
カセットテープも聞かない?そんなことはないですね。高齢者向が聴く音楽や落語
や文学作品はCDやテープになっているものも少なくありません。話題のipodもお
なじです。これを使いこなせる人には従来のメディアよりもはるかに便利なもので
すが、パソコンやメカに弱い人が使いこなすには難しい製品です。
普及の早い段階ならいざ知らず、一通り普及し買換え需要をねらう段階になった場
合はマーケティングの視点を変えてみる必要があるであるでしょう。以前は普及段
階にあったので売りやすかったということもあって、売れ筋にばかり目を向けてき
たとしても何時までもその状況が続かないわけで、局面が変わることをあらかじめ
予想して戦略シナリオを考えておかなければならないわけです。この点は携帯市場
に先行モデルとなる事例があります。高齢者向けに、機能が単純でわかりやすく文
字が大きく見やすい携帯電話がそれですが、他の分野にその考え方が応用されて新
市場を開拓していったという事例があまりにも少ないように思われます。
マーケティングはつねに偏っている。ということをいつも念頭に置いていれば、ビ
ジネスチャンスを捉える視点が自然と起こってくるでしょう。高齢化社会の到来と
いわれる割には高齢者向け製品や事業開発の視点が欠落しているケースをよく見か
けるのは何故でしょうか?
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