2009/06/01
TIPS通信☆くらしの情報発信研究会メールマガジ「ホタルの不思議」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ TIPS通信☆くらしの情報発信研究会メールマガジン 「ホタルの不思議」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2009. 6. 1.[026-vol.11] ━━━ ホタルを初めて見たのは、いつの頃だか覚えていますか。 暗闇に浮かんだ小さな光が舞う様子はとても印象的です。幼い頃のホタルと の出会いは、誰しも忘れられない思い出になっていることでしょう。 日本には40数種のホタルが棲息しているそうですが、そのうち幼虫時代を 水中で過ごすものは、ゲンジボタル、ヘイケボタルなど3種類だけだそうで す。すべての種類が光りながら飛翔するとはかぎらず、成虫になると光らな いもの、草地に住んでいるものや昼間活動するホタルも多いのです。 ホタルはこの世界に産み落とされた瞬間から光り始めます。つまり、卵、幼 虫、蛹も発光します。但し、卵の光は微かでわかりにくいようです。一番よ く知られているゲンジボタルは、6月〜7月下旬に1匹のメスが500〜1000個 の卵を水際の苔に産みます。孵化した幼虫は、水の中へ落ちて、川の中の小 石の裏側などを棲みかとし、カワニナという巻貝をえさとして成長すること は有名ですね。 成長した幼虫は、3月中旬〜5月に川から出て陸に上がり、土にもぐって蛹に なりますが、陸に上がるのにも条件があります。ずっと水の中で暮らしてき た幼虫たちは、雨の降る夜に地上に上がるのです。実際に幼虫が陸に上がる 様子を観察した人の話では、その日は久々の雨だったこともあり、待ちかね ていたように、1000匹以上の幼虫たちが護岸を登っていたそうです。雨のそ ぼ降る川辺を、無数の幼虫たちが光を放ちながら登っている様子は、きっと 幻想的だったことでしょう。 やわらかい土の中で、土まゆを作り蛹になったホタルは、やがて羽化して再 び地上に出てきます。雄たちは雌を求めて光りながら飛びまわり、そして約 1〜2週間のうちに交尾、産卵し寿命を終えます。 ちょうど今ごろの時季から初夏にかけて、風のない暖かな夜に、ホタルたち は舞いはじめます。しかし、ご存知のようにどの川にもホタルがいるわけで はありません。昔はたくさん飛んでいたけれど、今ではもう見られないとい う川もあれば、周辺の人々の取り組みでホタルが戻ってきたという川もあり ます。 ホタルに魅せられて、ホタルの数を増やすことをライフワークにしている人 や、もっと視点を高くして、ホタルを通して見えてくるもの、私たちを取り 巻く大きな環境を再生・保全していこう、という考えで行動している人たち もいます。小さな虫が、人々が行動を起こすきっかけになっていることも、 考えてみれば不思議です。 遥か遠い昔から連綿と繰り返されてきたホタルの暮らしは、この先も途切れ ることなく続けられるでしょうか。その小さな光は、いまここに生きている、 すべての生命の不思議そのもの、という気がしてなりません。 この夏も、どこかの里山でホタルたちに出会いたいものです。 ==================================================================== ■ 発行:くらしの情報発信研究会 ■ 発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ ■ 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000280297.html ■ Copyright (C)2009 くらしの情報発信研究会 ■ 掲載記事の無断転載を禁じます。


