2009/08/17
ヨーロッパの旅No.14
次の日昼前に起き、早速荷物のパッキングを始めた。 しかし、なぜかとても気が重かった。出ることに対し、まるで自分自身が喜んで いないかのように。 昼過ぎに、トニーの経営するタトューショップへ行った。 そこで右眉毛の端にピアスを開けてもらった。 以前から興味があった。 ピアスを顔面に付ける事で、人が僕を見たときの印象が変わる。 その事に興味があって、開けてみたいと思った。 ただ、自分からお金を払ってするのではなく、出会った人が与えてくれるチャン スがあればしたいと思っていた。 なので、トニーがタトューショップを経営していて、ピアスを開けてくれるとい うのは、僕としては、運命であった。 ショップの中に入るとタトューとタミーが楽しそうに駆け回っていた。 ピアスの穴を開けるのは、そんなに痛くなかった。血は一滴も出なかった。 ありがとうトニー。良い記念となった。 そしていよいよ出発するときが来た。 お金が無いため、もちろんヒッチハイクで行く。 ちなみにレインボーではお金はかからない。お金はかかっても自分次第だ。 しかし出ることに対し、僕と僕の心は一致していなかった。 僕の心は、朝からずっと気が重く、なぜかレインボーへ行くことを望んでいなか った。 なぜだか分からない。ただ、ずっと気が重かった。 なので、レインボーへ戻るのをやめた。 本当に直前で変えた。自分の心の言うとおり素直にすることにした。 そして僕はとうとう最後の切り札を使うことにした。 それはVISAカードだ。 実は今回持ってきていた。 ここへ来る前、アムステルダムにいた時、僕は大事な物を全て雄生に預けてきて いた。 僕は国際キャッシュカードとVISAカードの2枚を持ってずっと世界を旅している。 今回のスペインの旅も、ドイツの時と同じようにカードを2枚とも雄生に預けよう と思っていた。 しかし、今回スペインを旅して、その後アムステルダムへすぐ戻れるかまだ当時 分からなかった。 8月にドイツで行われる予定のヨーロピアン・ジャグリング・コンベンションとい うのに、僕と雄生は絶対に行く気だった。これは世界一のジャグリング大会であ る。僕らとしては行かないわけにはいかないのである。 そしてそれに行く為に、雄生とどっかの町で合流し、一緒に旅してそこへ行こう という案だった。 そして、僕が一度アムステルダムへ戻らずに、そこへ直接いく場合、お金が全く 無い状態になるので、そういった訳で一応カードは一枚だけでも持っていた方が 良いと思い、今回持ってきていたのだった。 これも雄生のアドバイスだった。 僕はカードキャッシングし、20ユーロを得た。 なんて重いんだ。 父へ感謝し、自分はまだまだだなと自らの力量を悟った。 そのお金でスーパーへ行き数日分の食料を買った。 いつもお金がなかったのでトニーやマリアらが何かを作ったのを分けてもらって いた。 ありがたくも、申し訳なく思っていた。 その日の夜、ホアンとクリスティーナと共に、一軒のバーへと行った。 このバーは、ホアンの妹が働いている所だった。 ここでホアンと色々と話した。なぜレインボーへ戻らなかったのかや、これから どうするかなど。 彼と話していくうちに、ここバルセロナに少し滞在し働くことを決意した。 彼が今仕事を探しているのを聞いて、僕も仕事を探して住んでみようと思ったの だ。 ホアンは乗り気で喜んでくれた。 しかし、実際にバルセロナの活気は凄すぎて、今の僕の本意としては好んでここ にいたいとは思っていなかった。しかし、なぜかいてしまう。ここを出れないの だ。 実は今日の午後、ヒッチハイクのしやすそうな所を探しに遠くまで町を歩いてき た。 レインボーをやめ、バルセロナからも出たいと思った僕は、フランス南西部へ行 こうと思った。 アムステルダムにいた時フランス人の友達が教えてくれた場所で、人々がビーチ 沿いにテントで暮らしている所があるらしいのだ。 面白そうなのでそこへ行ってみようと思った。 しかし、そっち方面へ行く道路で、良いヒッチハイクポイントはなかった。 どこも車が止まれる場所はない。 なにか、僕はバルセロナから出れない何かの力を感じ始めていた。 出たいのに出れないのだ。 どうしていいか分からずに、心がどんよりとする。 今夜ホアンと話、しばらくここに住み仕事を探すのは、新たな希望だった。 その後家へ戻り、ホアンに手伝ってもらいながらパソコンで履歴書を作った。 よし、やるぞ!! もやもやしていた気持ちが晴れてきて、希望に胸が膨らんだ。 多分、働ける気がする。何も根拠はないが、そう信じれた。 続く


