2009/06/22
ヨーロッパの旅No.13
次の日、昼前にホアンが家へと来た。ちょくちょく遊びに来てくれる。 僕は、明日出ることを伝えた。そして、お礼に今夜日本食をみんなに作ることに した。 ホアンと一緒に家の近くにある中国人のお店へと行き、僕はバーモンドカレーを 買った。 スーパーで玉ねぎや人参、ジャガイモなどのカレー一式を買った。 お金は、非常時のためにと取っておいたお金で足りた。 このお金は、ドイツのハンノーバーにいた時、モンセフらと一緒にストリートで ジェンベを演奏し得た金だった。 気持ちよくお金を使えて嬉しかった。 その後ホアンの仕事探しに付き合った。 バーやパブ、レストラン、カフェなどとりあえずめぼしい店に行き、自分の履歴 書を残してくる。これで運が良ければ電話が来て面接してくれるのだそうだ。 確率はそうとう低いらしく、100件は周るとホアンは意気込んでいた。 しばらく付き合った後、僕はホアンの好運を祈り別れた。 ランブラ通りの近くにある教会の前を歩いていた時、ストリートパフォーマーが いた。 僕は目を疑った。なんてことだ。 それは以前アムステルダムで出会った人達だったからだ。 彼らは日本人で、コンビのパフォーマーだ。 やすとごっつと言い、彼らのパフォーマンスはサッカーボールのリフティングだ 。 落とさずにずっとリフティングし、頭などに載せたりしてパフォーマンスする。 アムステルダムにレインズプレインという中心に近い広場がある。そこに毎夜1 1時くらいから出没するリフティングのパフォーマーがいた。 僕はいつも通っていた道なので、彼とすぐに友達になった。 彼はいつもそこにいるので有名だった。 そしてパフォーマンスの腕も本当に上手かった。彼はリフティングしたまま広場 の街灯に登るのだ。すごすぎる。 北アフリカのアルジェリア出身でアブドラという。彼は僕が日本人ということで 、すごく気に入ってくれた。彼には日本人の友達がたくさんいるらしい。 それはみんなパフォーマーだった。 アブドラは、このサッカーボールリフティングの世界ではめっちゃ有名らしい。 日本からみんな修行しに、アブドラに会いに来るらしい。 やすとごっつもそういった理由でアムステルダムに来ていた。 そうして僕らは出会ったのだった。 僕がアムステルダムを出るとき、彼らは、この後フランス南部に行って、観光客 相手にパフォーマンスの修行をすると言っていた。 なのでバルセロナで再会するとは思ってもみなかった。 信じられない気持ちで、本当に驚いた。 教会の前で一緒に話した。 しばらくすると、そこに別の日本人がやってきた。 なおとという人だ。 やすとごっつはこの人と待ち合わせをしていたらしい。 あと、高田さんという人がいて、彼はなおとのカメラマンらしく小さなビデオカ メラで僕らをずっと撮っていた。 その後みんでランブラ通りへ行った。 なおとはミュージシャンらしく、高田さん曰く、Mr.Childrenと同じ事務所らしい 。 それはすごい!と思った。 ランブラ通りでやすとごっつがパフォーマンスを始めた。 なおとがそれを見て、どうすればもっと人が見てくれるかをアドバイスする。 なおとは忙しいらしく、その後10分くらいして行ってしまった。 もっと彼と話してみたかったので残念だった。 皆で写真を撮った。 別れ間際、[なおと]でネット検索してみて。一番上に出てくるのが僕だから。 と言い残し彼は行ってしまった。 その後、ネットで検索してみると本当に一番上に出てきた。 どうやらすごい人らしい。なかなか面白い出会いだった。 ちなみにやすとごっつもすごい。彼らはナイキをスポンサーに持っている。 彼らのボールから服、カバンなど全てナイキのものだった。 彼らのこのヨーロッパ修行の旅は、遊びではないのだ。 さらなる高みを目指しているのだ。 この先、またお互いの人生が交差し、彼らと再び出会える日がくるだろうか。 その時彼らは、そして僕はパフォーマーとして道を歩んでいるだろうか。 同じ夢を持つもの同士、いつか一緒に昔話を語りながらうまい酒でも飲みたいと 思った。 その日の夜、僕はカレーを皆の為に作った。 トニーーとマリア、そしてホアン。クリスティーナやモニカも遊びに来てくれて 皆でカレーを食べた。みんなものすごく美味そうに食べてくれ、鍋はあっという 間に空っぽになった。よかった★ みんなで写真を撮った。記念となる良い一枚となった。 夜中、トニーとマリアに誘われ近くのバーへ行った。 明日出発というのが、心寂しくなってきた。 言葉は相変わらず通じないが、お互い気を許しあえる関係になってきていた。 闇夜に浮かぶ月は、いよいよ新月へと向かってきていた。 続く


