大道芸人と愉快な仲間たち冒険記  RSSを登録する

3年の月日が流れる間に僕は世界を半分周り、そして僕は大道芸人となっていた。独特の世界観で人の世を渡り歩きその優しさに触れています。2008年夏の物語、舞台はヨーロッパ。『人生大学』-旅を大学ととらえた青年の人生物語である。

  • 発行周期 週刊
  • 最新号 2009/09/29
  • 部数 15部
  • メルマガID 0000279995
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2009/06/02

ヨーロッパの旅No.10

今日は「St. Juan day」というスペインの記念日らしい。
昼間からたくさんの人で通りが賑わっていると思った。

僕はホアンに誘われてビーチへと行くことになった。
ちなみにJuanはスペイン語でホアンと読む。
そう、今日はホアンの日なのだ。
『今日はおれの第二の誕生日さ』と、ホアンは嬉しそうに言っていた。

暗くなるにつれ、外で爆発音が多くなっていった。
爆竹の音だ。日本のと違って威力が違う。まるでダイナマイトだ。当たったら怪
我では済まなさそうだ。
僕の住んでいる家はバルセロナの中でも特に治安の悪い場所らしい。それは肌で実
感する。
売春婦が立ち並び、ジャンキーらが昼間からコカインを取引している。道路で寝
込んでいる人や、喧嘩もしょっちゅうだ。
ちなみにルームメイトのトニーは、部屋のベランダに大きな植木鉢を置いて大麻
を自生している。夏の太陽をたくさん浴び、大きく育っていた。外から丸見えだ
が、警察など問題ないらしい。
まあ、そんな所だ。

家を一歩出て、この一角を抜けるまでは注意を要する。
誰かが爆竹を放り投げるからだ。しかもアパートのベランダから下の通りめがけ
て放り投げる。一応人のない所へ投げているが、確かじゃない。
それに上から爆弾を落とされる訳で、とても怖い。

地元のホアンと一緒だと安心する。
僕は彼の後ろに付いて歩いた。

町中賑やかで、みんな陽気だった。ビール片手に、仲間と一緒に歌い叫び踊って
いる。
とても楽しそうだ。笑顔は伝わる。僕も楽しくなってきた。
オープンカフェはどこも満席で、大きな笑い声がたくさん聞こえる。
公園にはたくさんの人が集い賑わっている。
爆竹の音や、花火の音がどこからともなく響いてくる。
バルセロナの町全体がお祭り騒ぎだった。
どこにでも人が集まり、そこには笑顔の花が咲き乱れ、一つの楽しい時間を皆で共
有していた。
町全体のこれだけの大規模のお祭りは、4月30日のオランダの祝日・Queen’s day
を思い出す。

ビーチへ着くと目を疑った。長く長く続くビーチは、右を見ても左を見ても左右
の地平線まで人で埋まっていた。
所々ビーチ上にバーがあり、音楽がガンガンにかかり、皆のその熱狂振りはさす
がラテンパワーだなと感心した。

僕はとても興奮した!まず何からすればいいのか分からなかった。
ホアンが彼女と待ち合わせている場所があるので、とりあえずビーチ沿いをずっ
と歩いて見て行くことにした。
歩いていると、色々な特設ステージがビーチ上にあった。
色々な音楽がかかっていて、ダンスホールもあった。
ゲイの人達が集まる場所もあった。

歩いていると、アジア系の出稼ぎ者らが、缶ビールを売っているのによく出会う
。
ホアンが言っていた、良い商売だと。一つ確か1.5ユーロくらいで売っているが、
元値は20セントくらいだ。こういう日は飛びように売れるのでみなホクホク顔だ
。
ホアンは、自分が何か出来ないかとビジネスを考えていた。

その後、ホアンはお金の無い僕に缶ビールを買ってくれた。嬉しい★
彼女が来るまでもう少し時間がかかるようで、二人で堤防に座り乾杯をした。
ビーチはとても賑わっていて、見ていても楽しかった。

30分ほどしてようやく彼女が来た。
名前はクリスティーナ。彼女はスペイン人だ。ラテン系というより、濃すぎない
ドイツ系のような顔立ちでとても綺麗で美人な子だ。
さらにホアンとクリスティーナの友達が来た。モニカ、ペドロ、チアゴ、マヤ、
他に数人。さらにトニーとマリアも合流してその友達も来て、お馴染みオスカー
を始め、ミカエル、セドリック、アンドレ、エディ、ラウラ、エド、エブラハム
、ケール、クラウディオ、ホセ…、もうたくさんいすぎて訳がわからない。20人
以上いた。
みんなと挨拶した。

名前を覚えるのは大変だが、ガーナにいた頃、ラスタマンたちの父、パパジャー
が言ってくれた一言で僕の価値観は大きく変わった。『覚える努力をするんだ』
と。
最初から一期一会と割り切って、何もしないより、せっかく出会えたのだから覚
える努力をする。
そしてそれをすることで僕の人生は180度変わった。その後ヨーロッパへ戻ってき
て、僕の旅は、つまり人間関係はそこからスタートしたのだった。
忘れたら何度でも聞き返していた。しかし聞き返すのは3回までとも決めていた。
自分の中でルールを作っていた。そうすることで自然と頭に入った。それでも駄
目ならば手に書いた。
名前を覚えると、言葉が通じなくとも、みんなとすぐに仲良くなれ、すごく親切
にしてくれた。名前を呼ぶ事とはとても大事な事だと悟った。だって僕も呼ばれ
たら嬉しいもの。

今回出会った彼らのほとんどは南米の人達だった。
ホアン、クリスティーナの友達は少し英語を喋れるが、トニーとマリアの友達は
全く英語が喋れなかった。
それでも、僕はセドリックと仲良くなった。30歳ぐらいの人で落ち着いた人だ。
全くといっていいほど彼は英語を喋れず、僕もスペイン語は全く分からない。
何を話したかなど覚えていないが、目を見ながら、ジャスチャーでお互いの今の
気持ちを伝え合った。
全く話せない人と会話をするのは久しぶりだった。

言葉が喋れなくとも、心は通じあえる。それは正しい。けれどもそこに言葉が加
わるととんでもない事になる。そこには無限の可能性がある。
言葉とは魔法だ。
お互い全く話せない出会いに、僕はそんなことをふと思った。

夜は更けていく、パーティーはどんどんと盛り上がっていくのであった。

続く

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いつも読んでくださっている読者の方々へ

かなり配信が不定期となってごめんなさい。
僕自身がまだ旅をしている最中でして、安定して文章を書けるときが限られているのです。
そして今書いている内容は、2008年の夏の旅の物語です。
これからもなるべく定期的に配信していきます。
どうぞ楽しんで読んでください★
ちなみに、旅はあと一年続きます。
感想や、意見などどんなメールでも送ってくれると嬉しいです★
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