2009/03/23
ヨーロッパの旅No.8
100ユーロを一瞬にして失った僕は、気分が悪くなり家へと戻り寝込んでしまった 。 風邪をひいたのかと思った。そのまま昼過ぎから夜まで寝込んでしまった。 夜ホアンが帰ってくると、事の事情を話した。 当然のように大爆笑された。そりゃそうだ。 僕はホアンと話すことで少し気が楽になった。 さっきのはなんだったんだろう。熱が出て、寒気と眩暈がして吐きそうだった。 気の狂いというのだろうか、今は落ち着いてもう大丈夫だ。 ルームメイトのトニーとマリアには英語がほぼ通じない。 ホアンは英語を喋れるが、たまに言ってることとやってることが違う時がある。 たぶんこういう時は、ホアンが勝手に言ってることと違うことをしているだけだ と思う。こういうものなのだと思う。アフリカでも多々あり慣れた。 夜のうちにホアンは彼女の家へと行ってしまった。心細かった。 しかし、ホアンの部屋は狭く、自分が彼女の家へ行くことで、ここに僕を泊めさ せてくれたのだ。なんて良い奴だ。ありがとう。 とりあえず1週間ここにいて、そして早々にアムステルダムへ帰ることにした。 お金はまだ少しある。ヒッチハイクで帰ればなんとかなる。 次の日トニーとマリアに誘われて、ビーチへ行った。バルセロナから列車に30 分ほど乗りたどり着いた。2人の愛犬タトゥーとタミーも連れて。 バルセロナにもビーチはあるが、観光客だらけなので地元の人は避けるらしい。 夏の太陽がサンサンと照りつける中、ビーチはたくさんの人の笑い声で賑わって いた。バルセロナより落ち着いてはいるが、観光客や地元の人がたくさんいた。 ビーチ沿いにあるタトゥーショップへ入ると、トニーの友達がいた。 オスカーといい、彼もまたトニーのように体中にタトゥーが入っていた。 彼もまたアルゼンチン出身らしい。南米人らしくエネルギーに満ちていた。 声や動作が大きくて、常に大笑いしている。優しくてムードメーカーな人だ。 オスカーがパラソルを出してきてくれ、ビーチでみんなでビールを飲みながらの んびりした。 僕はせっかくなのでジャグリングをしたかったが、ビーチの砂は暑すぎた。やけ どするかと思った。そのかわり海はとても気持ちがよかった。 その後に入ったバーでは、サッカー欧州選手権の試合をしていて、ちょうどスペ イン対イタリアだった。接戦しPKの末、見事にスペインが勝ち、みんな良い感じ でハイテンションだった。 帰りの列車はタダ乗りをした。ここの駅は駅員がいなかった。 当然のように車掌が切符チェックに来た。次の停まった駅で一度降り、車掌が通 り過ぎた車両に廻りこみ、逃れた。僕らだけかと思ったら、たくさんの人が同じ ようなことをしていた。小学生の時、友達と悪さをして先生から逃げる感覚で楽 しかった。 よくよく車内を見ると、常に車掌が来ないかとみんなきょろきょろしていた。 タトゥーとタミーも、そんなみんなの笑いながら列車に乗っている姿を見て楽し そうだった。 今日一日みんなとのんびりと出来た事で、僕は元気になった。 その代わりお金が残すところ1000円を切った。 明日からは、ストリートでジャグリングしてお金を稼ごうと思う。その為にお金 を制限して旅しているのだ。 しかし今の自分の腕でうまく出来る自信は全く無いし、正直不安と恐怖のほうが 大きい。 けれどやるしかない。やってから悩もう。今の自分に出来ることは前に進むこと だけだ。 僕は今、こういう旅をしている。 続く


