2009/05/23
瀕死の大学13の特徴 10.研究成果の蓄積とPRは瀕死大学を救う。
瀕死の大学 13の特徴 10. 研究成果の効果的PRこそ死滅から救う。 若手研究者よ、蓄積を進めにはどうしたらよいか。 Part I 柏野健三です。今回も、地方大学の若手研究者を対象にお話ししたいと 思います。話の順番として、まず、小生の研究蓄積の話と蓄積促進の刺 激となったエレガントな文化人女性のお話をしたいと思います。男性に とって精神性を高めるにはエレガントな女性の存在は不可欠です。 非日常的な文化人に出会うことこそ、まさに創作意欲を高めるもの です。研究蓄積の促進には大いに役立ちます。 この報告は、男性の若手研究者にはもちろんのこと、女性にも役立つ と思います。日本文化に精通しない研究者が大手をふって歩くようでは 日本も終わりです。研究蓄積はもちろんのことですが、研究者は芸術と 文化への精通を目指して進みたいものです。 小生は、研究蓄積のみが重要であるといっているのではありません。 最近、わかったのですが、中途半端な研究者は日常的業務を拒否してい るということです。これは、まさしく瀕死大学の教育スタッフに見られ ます。とにかく、華やかなことには自らを目立たそうとしますが、地味 な仕事には精を出しません。ゴシップが大好きで、他人の研究室を覗いては 嫌われていることもわからず、相手に関係ないゴシップをまき散ら してかえります。誠にゴミよりもたちの悪い教育スタッフがいるものです。 私の知る若手研究者にも二つのタイプがあります。これも最近認識し たのですが、指導教授や交際する先輩によって生き方までも大いに影 響されています。一つは、講座制ではなく、直接命令権のない教授に 依頼されたことは、夜10時を過ぎても研究室に居残り、食事を取るこ ともなく、ひた向きに書類を仕上げるエレガントな若手研究者がいる とのことです。30歳前後といわれています。遊びたい年ごろではない のでしょうか。他の同世代の女性たちが飲み歩いて嬌声を上げている のを見るとき、この女性の姿が思い浮かばれます。このような女性を 育てた家庭とはいったいどのような家庭なのか。彼女を育てた両親、 そして大学のスタッフの雰囲気と知性や文化はどのようなものか。興 味あるところです。このような女性講師とウマがあっている女性教授 はやはり誠実な人柄といわれています。類は類をもって集まるとはよ くいっています。任期性でもあり、将来の栄達とは何の関係もありま せんが、それでもひた向きに研究や教育以外の単なる書類作成業務に 従事するのですから、何らかの報いがあってしかるべきだと思います。 一度、所要があって彼女とあったことがありますが、姿勢のエレガンス、 声音の心地よさ、澄み切った目とさわやかな笑顔が彼女の人間性を 表しているとおもいました。司馬遼太郎にいわせると、女には二つの タイプがあるそうです。一つは、頭脳で考えるタイプ、一つは子宮で 考えるタイプです。彼女の場合、まさに謎で、論理的には鋭い切り込 みをしてきました。「この文献を研究者が進める根拠は何か」という問 いは、まさしく研究者の姿勢そのものです。しかし、渡された彼女の 論文をその後、精読すると、人生についての詩情があふれています。 まさにエニグマ(なぞ)そのものでとらえどころがありません。このよう な女性講師を採用した大学には福音が訪れることでしょう。天は、そ のような女性をどのように処遇されるのか。見守りたいと思います。 一人は、できる限り、自分の担当科目を減らすことを、あたりかま わず、訴える若手研究者です。それも自ら担当することを公式の会 議で可決されているにもかかわらず、 学期の途中で変更してほしいと訴えるから関係者は、たまらない との話でした。彼女の場合、コネがあれば就職できると考えています ので、周りの教授には一切気を使うことはないとのことです。採用後 も、そのようなやり方がいつまでもとおると考えているのではないで しょうか。司馬遼太郎の小説『胡蝶の夢』に登場する島倉伊之助に似 ています。世間とい うものが理解されていないのです。しかし、30歳を過ぎて、自分がど のような地位にあるかを理解できないようでは、周りのひんしゅくを かうばかのです。伊之助を超えて悪いことには、研究実績(レポートの 域を超えないが、政治的に評価する者もいるかもしれない)もあるには あるが、研究の理念には乏しく、ひたすら食を得ることのみを考え、 研究者としてどのような理念を持ち、どのような課題を設定するかに ついては認識がないと聞く。いわば、カレントな話題提供者です。 とにかく、彼女らの論文のテーマは、師匠ゆずりで、ソーシャル・エ クスクルージョンがはやりなら、すぐにそれに飛びつくタイプである。 エクスクルージョンがなぜフランス社会で発生したのか。その歴史的 意味は何かは一向に分析しようとはしません。ただ、事例報告に終始 するのみです。小生が研究者としてもっとも嫌悪すべき対象です。 だが、案外この ような人物が女性であれば、女性特有のやり方で支持者をふやしてゆ くことがたまにあります。小生は、このような女性とはプライベート では一切相手にしないことにしています。このような人物は、他人を 蹴落としてまで、自己の栄達を図ろうとしますから周囲と摩擦を起こ します。 組織内にあっては、秩序を乱し、大学の発展に水を差しているのが現 状のようです。このような傾向の研究者を排除できるかどうかが、大 学の発展を左右するでしょう。 研究成果をPRしようにも、研究蓄積のある教員スタッフを抱えていなけ れば、PRはできません。繰り返しになるかもしれませんが、小生の33 歳から42歳まで(1981.4.1.~1991.3.31)の10年間、どのように研究成果 を出していったのか、それはなぜ可能とされたかについて30代の若手研 究者にお話したいと思います。今回もエリート研究者と自負される旧帝 国大学系の大学やその他一流と自負される大学に所属する教員には馴染 まない話だと思います。 論文数(長さは16,000字前後から20,000字前後のみ) 11 翻訳論文(同上) 41 翻訳書 単著 2冊(上下) 2人で共著 1冊 翻訳論文が多いのは、小生の個人的趣味によるのかもしれません。 とにかく、研究するのが面白い時期でした。横やりが多々入りましたが、 毅然として戦いました。相手が誰であれ、戦うことです。それしか自分 と愛するものを守ることはできません。愛するもののために戦うことで す。そうすれば戦いの意欲が非常に亢進されます。小生は、戦いのとき、、 戦いの大義を掲げます何のために戦うのか。。これだけで十分です。理不 尽な挑戦をしりぞけることができます。 大学には、自由な雰囲気のせいか、ずいぶんと無茶な人もいます。精神 に障害があるのではないかと思わせる教授もいました。教授会では、自 己の要求を通すために、大声で恫喝し、深夜に度重なる電話攻勢をかけ る教授もいました。かつて、一人の学部長が、自分の研究成果を蓄積す るために、自己の研究分野で実績を上げていた助教授に、協力を強いる ため、電話による恫喝という手段に訴えたことがあります。早速、その 助教授は今で言うボイス・レコーダーを設置し、対策に乗り出しました。 陰険な学部長である教授は、協力しないなら、学部長の権限で協力させ るよう仕向けると発言したのですが、当の助教授は、毅然として「好き なようにやられたらいかがですか」ときりかえしたところ、その後、学 部長の攻勢はビタリと止んだとのことです。どちらが、不条理か、誰の 目にもあきらかですから、ことが公になれば、学部長の進退問題に発展 する事件ではありました。これまで、資格審査を武器に若手教員を脅せ ば、なんとでもなったのでしょう。しかし、ここにきて、毅然とした態 度を取る若手教員が現れたものですから、さぞかし当の学部長も驚いた ことと思います。この若手教員が資格審査を受ける身にもかかわらず、 毅然として不条理に挑戦できたのは、様々な要因がありますが、一つは 正義感、一つは研究蓄積の自信、そして世界的研究者との交流が促進さ れていたからだと思います。その後、同助教授は、皮肉なことに滞英中 に本人の知らないうちに39歳で教授に昇格することになります。しかも、 審査委員の中に、彼を脅した教授も含まれていたとのことです。本人も 驚いたようです。これは、自己のすべきことを地道にやっておれば、必 ず誰かが認めているという実例です。 研究業績は無言の圧力です。公然と戦いを挑まれることもやがてなくな ります。そして研究蓄積が進めば、その次に文化的素養を磨くことも教 授としての使命かもしれません。 研究を進めるにあたって、刺激が必要です。小生は、幸いなことに良き 学友に恵まれました。小生の同窓にはほとんど研究者がいません。しか し、天は見捨てずで、妖精のごとく文化人が小生の前に現れました。そ してなお、彼女は文化的に、そして学問的に小生を刺激し続けています。 彼女は和食文化にも精通し、食材の知識と料理法については玄人の領域 に属します。おまけに剣術の達人ですから、驚くばかりの才女です。小 生と彼女の精神的交流のきっかけは、吉田松陰の辞世でした。 「身はたとひ 武蔵の野辺に朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂」という辞世です。話 題は日本人の生き方ということについて話しておりましたら、松陰の辞 世を二人が同時に思いついたということです。彼女は、父親の影響で真 言密教の経典に造詣が深く、小生も多々教えられるところがあります。 『大日経』や『金剛頂経』にも目を通すようになり、空海のわかりやす い案内書として司馬遼太郎の『空海の風景』に注目しました。空海は司 馬氏の言うように形而上的思考の巨大な理論家ですから、彼の著作に親 しめば親しむほど理論家として成長していったものと思います。司馬氏 の指摘にあるように「空海の密教は、これら左道的な未昇華のものをそ の超人的な精神と論理とをもって懸命に昇華しきったところに大光彩が あると思われると」とのべていますが、まさしく、彼女が独身を通して いるのも、空海の「生涯女を犯さず」を彼女なりに実践しているのかと 思うほどです。彼女は、水準以上の美しさを今でも保ち、目鼻立ちが整 い、良家の子女が香りがし、エレガンスそのものです。しかし、彼女は、 誠に透徹した理論家で、一旦政治論を闘わせると、これは女であるはす がないと思ったものです。しかし、能や座敷香についても深く精通し、 この面においても小生は鍛えられたものです。和服のきこなしは玄人の 水準でかなりきこなしていることがわかります。日本の古典にも精通し ていましたので、『源氏物語』をよく話題にしたことがあります。日本人 の精神性について理解するためには、『源氏物語』は必読書かもしれませ ん。一面、新撰組の土方歳三の生き方が好きで司馬遼太郎の『燃えよ剣』 の愛読者でもありました。エレガンドで美しい女も、やはり「雄」らし いオスにはひかれるようです。その点彼女にも「雌」の匂いはするもの です。本人には内緒ですが、やはり我々人間も動物なのだと感じます。 強い男が求められているのです。つまり、最後まで戦う、そういう意味 の男です。土方は武士らしくありたいといって函館五稜郭に散ってゆき ました。壮絶な最期であったと思います。その意味では、彼女は美的な 生き方をもとめているように思われました。38歳にして現在も独身です が、このような生き方の明確な女性に相応しい「男」が果たして存在す るのか、疑わしいところです。空海のような男性が現れれば別でしょう が、実現は不可能でしょう。愛人との旅行のために、わずか1万円ばか りの金を公費で賄おうとする政府高官もいる世の中です。なおさら、こ のような高貴な女性は独身を通すほかはないのかもしれません。この女 性は、30歳過ぎの頃、小生のために一泊10万円の高級料亭旅館を数週 間、何の報酬も求めることなく、容易したことがあります。同宿したわ けではありませんが、やはり感ずるところがあったのだと思います。「女 性にして女性にあらず」とは彼女のような女性をいうのでしょうか。先 日も、空海の思想研究を推進するためにNPO法人を設立したいとの話が あり、実現に向かっているようで好ましいことです。 彼女は空海と尊父の影響から、統治論に興味がありますので、小生と してはもっぱら英国救貧法の統治構造と明治維新の統治構造について 話題にしています。おかげて、2冊の単著を書きあげることができまし た。 まさに、天の恵みとしか言いようがありません。世の中は不思議なもの で、志を高くもてば、同調者が現れるということではないでしょうか。 学ぶべきは年長者からのみではありません。迫力やひた向きさ、そして エレガンスというものは、年齢の上下を問わず学ぶことができます。 前回もレポートしましたが、本来なら、とても小生のようなマイナー な研究者の前には現れるはずのない若手研究者が現れました。ソーシャ ル・ポリシーとソーシャル・ワークの統合理論を構築しようと思ってい た矢先です。小生は、多人数の研究会には出席しません。効果がほとん どないからです。レベルの高低がありすぎる場合は困ります。また、品 性に欠ける出席者であれば、息苦しくなり、倒れるかもしれません。エ レガントな研究者との同席。これはむつかしことですが、今回の場合、 貧困とソーシャル・ワークに関する英語文献を精読する方向が一致しま した。彼女がエレガントであったことも大きな決定要因であったように 思います。前回の精読文献は、Sir Roy GriffsのCommunity Care:Agenda for Actionでした。1988年に公表されていますからも1980年代末の英国政府の community care政策がよく理解できる内容でした。 小生はわがままですから、人を選びます。たとえ高名な研究 者との研究会であっても出席したことはありません。 小生にとって彼らの社会的影響や地位はど うでもよいことなのです。エレガンスがなければ、だれであろうが、近 ずかないのが私の信条です。人生の目的は、最高の自分を創造することにあります。 男女を問わず、エレガンスを身 につけることを勧めます。エレガンスがなければ、チャンスからは遠く なります。生理的に嫌われては、まず浮上はできません。他の優秀な人 たちに紹介もできません。上向きの人間関係はひろがりません。香りに は意を払うことです。先日、フローリストに立ち寄りましたが、小生の フラグランスを賞賛してくれました。あまり、きくはなく、上品である ことが大事だとのことでした。 しかし、重要なことを見落としてはなりません。年長者は、この研究 によって何が実現されるかの明確な目標を提示する必要があります。 今回の場合、彼女の英国留学の早期実現、早期教授就任、Webによる 全国的名声の確立(著書出版等)実現を三大目標として研究会を開くこ とにしています。まだ始まったばかりで、どのようになるかは未知数 です。しかし、食文化についての知識や陶芸作品についての造けいも 深いようですので、将来は英国と日本をつなぐ、文化交流の促進教授・ 博士となることは間違いないでしょう。 さて、世界的名声に値する大学のホーム・ページでは所属教育・研究スタッフの業績が紹 介されています。反対に瀕死大学のホーム・ページには業績紹介のページはありません。 次回は、LSEや福井県立大学の研究PRについて触れたいとおもいます。


