映画をめぐるエッセイのいくつか 

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2008/11/15

第2号 「わたくし30代男子のラブコメ鑑賞顛末記」~『幸せになるための27のドレス』をめぐって~

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映画をめぐるエッセイのいくつか 第2号
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こんにちは。発行人の大原やすゆきです。
映画に関するエッセイを発行してまいります。
よろしくお願いいたします。
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<目次>

★ 「わたくし30代男子のラブコメ鑑賞顛末記」〜『幸せになるための27のドレス』をめぐって〜

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★ 「わたくし30代男子のラブコメ鑑賞顛末記」〜『幸せになるための27のドレス』をめぐって〜


いやはや、時代はラブコメである。
世の中ラブコメの嵐といってもよい。
右を見ても左を見ても、人々の口を突いて出る言葉はラブコメであって、
ラブコメをせぬことには夜も眠れず日は昇らず、食べ物も喉を通らぬ。
おちおち恋も出来やしねぇほどラブコメは氾濫しているのであって、どのような氾濫の仕方かというと、
例えば「売ります、買います」という文句の踊るリサイクル・ラブコメショップのチラシや看板が街中いたるところで見られるし、
東京株式市場の平均ラブコメ指数は安定的に上昇している。
このあいだ駅前を歩いていたらラブコメ改正反対のシュプレヒコールを上げているラブコメたちがいた。
喫茶店ではラブコメしないのをいいことに油を売っているサラリーラブコメたちがラブコメ狭しとあふれている。

いまやそれほどまでに生活に密着しているラブコメであるが、
この歳になるまでついぞ劇場でラブコメなるものをみたことがなかったのであるから世間知らずにも程がある。

ここは思い立ったが吉日、わたくし30代男子、背中丸めて鼻の下伸ばして、行ってまいりました。
しかも一人で。
笑いたけりゃ笑え。
というか、ここで笑わないと、もう笑うトコないよ。

「をむなもすなるラブコメといふものを、をとこもしてみむとするなり」などと紀貫之は書いたかどうか知らないが、
というか書いてねーに決まっているのだが、まあとりあえずラブコメしに行こっと思って野を越え山を越えラブコメラブコメ歩いて劇場着いたら長蛇の列。
席はほぼ満席。男子は間違いなく、わたくし一人。

こらこら、そないに好奇の目で見るな。
ふっ。映画ライターのフリしてこましたろ。
仕事やから、しゃあなしに来ましたんや、文句ありまっかー。

しかし「をむな」たちの目にはどうにも映画ライターには見えなかったらしく、やはり終始好奇の目にさらされつづけることになる。

さらにわたくし、席をひとつ間違えたらしく、後から来た「をむな」に指摘され、赤っ恥をかくことになる。
その「をむな」とずっと隣どうし・・・。
っつーか、あんたも間違ったままの席で別によかったんちゃうん!?

ふん、まあええわい。今日はさっさとラブコメとは何たるかをつかんでラブコメラブコメ帰るんじゃ。

で、肝心の映画の内容であるが、誰と誰がくっつくのかは主要人物が最初に出揃った時点ですぐわかる。
とすれば、当然関心は、どのような紆余曲折ののち結ばれるかというプロセスにかかっている。
楽しめるかどうかのポイントは、ヒロインへ感情移入できるかという点は言うまでもなく(ほとんどの人はできるでしょう)、
もう一点はヒロインの妹に愛情を抱けるか。

ラブコメといえば「うる星やつら」とセカチュー(笑)を思い出してしまうわたくしであるが、
どうやらラブコメのパターンというのは知らぬうちに頭に入っていたのだな。
特に新しいなと思うところはないが、逆に言うと安心して見ていられる安定感がある。幸せは順番制で必ず回ってくるので、「をむな」のみなさん、ご安心を。


って、帰りのエレベーター、透明のゴンドラであって、外が丸見え。
高いところでは膝に力の入らないわたくしには恐怖の代物である。なんでこんなエレベーターばっかり作るのか。
で、ドアが開いて渋々中に入ろうとしたその時、
後ろからいきなり「をむな」の大群が押し寄せてきてわたくし、
痴漢に間違われぬよう咄嗟に両手を挙げ、ラブコメラブコメと回ったのである。
眼下には大阪・梅田の、灰色。




☆『幸せになるための27のドレス』
監督:アン・フレッチャー
出演:キャサリン・ハイグル ジェームズ・マースデン ほか



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当メルマガの発行人でもあるエッセイスト・大原やすゆきがご提供する、映画を題材にした知的エンターテイメントマガジンです。
映画に隠されているコードを読み解くことによって、現代社会のフィクションを暴きます。
そのことによって、私たちの生を覆う重苦しさを解放できれば、と思っています。
どうぞご期待下さい。

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最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

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