映画をめぐるエッセイのいくつか 

エッセイスト・大原やすゆきが映画に関するさまざまなエッセイをお届けします。

現在休刊中です    
解除

規約に同意して

          

サンプル誌


=================================
映画をめぐるエッセイのいくつか 第1号
=================================

こんにちは。発行人の大原やすゆきです。
映画に関するエッセイを発行してまいります。
よろしくお願いいたします。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

<目次>

★「まんまと流行に踊らされた私は迂闊であった」〜『崖の上のポニョ』をめぐって〜

★★ 有料メルマガ『映画をめぐる反哲学的なエッセイのいくつか』のご案内

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


★「まんまと流行に踊らされた私は迂闊であった」〜『崖の上のポニョ』をめぐって〜


ポニョ観てしまいました。
だって、流行ってて楽しそうじゃない。我慢できなかったんだもん。

日曜日の映画館、カップルと家族連れしかいないのだろうなと覚悟していたが、案の定。

まったく、世の中っちゅーのは、離婚したうら寂しい独身男はワシしかおらんのんかい。

いやいや、もちろん、世の中っちゅーのは、離婚したうら寂しい独身男は他にも息をひ
そめて、草むらとか、岩陰とか、石の裏などに生息しているはずなのである。

しかし、周りを見回してみるに、仲良くお手手つないで徘徊の限りをつくす相手が私に
はいないのであるから、
きっと私は一人なのであり、そしてこれからも一人なのであり、死ぬまで、いや、死ん
でからも一人なのであって、
陽の当たる日曜日はこそこそと沢ガニと一緒に石の裏などに隠れておればよいものを、
のこのこ出てくるものだから自業自得のそしりも免れないのであるが、
そうなると分かってて一人こんなところに特攻してくる俺ってどうよ。

まあ、そんなことはどうでもよい。
映画館でよくある嫌なことのひとつに、受付ねーちゃんに自分の観たい作品名を告げる
ことというものがある。
だって。見知らぬ人に自分の趣味、性向が露見するようで、何となく恥ずかしいとか思
ったことないですか。

で、今回も当然ながら、行列をなすチケット売り場に並び、座席を確定しなければ中に
入れてはくれない。
カップルはだいたい阿呆みたいな顔してハムナプトラとか20世紀少年とか、堂々と大
人の映画を主張してくさる。

ほんで、当然私にも順番が回ってくるわな、そら。

どうやら私、あの可愛い受付ねーちゃんに向かって「ポニョ」って言わなあかんみたい。

きぃきぃうるせー小人どもに交じって、作品名を言わず敢えて番号で伝えた私の気持ち
もスルーして受付ねーちゃんは「ポニョですね、ポニョ、大人一枚ですね」と澄まし顔
の大声でぬかしやがるものだから私は耳の先まで熱くなってしまった。

「ポニョは只今真ん中のお席が空いておりますが」
(うるっさいのう、おーきい声出すなやっ)
「それでは崖の上のポニョ、大人一名様」
(せやから、おーきい声でポニョポニョ言うなやっ)
「開演10分前からご入場いただけます」
(ごっつい心待ちにしてるみたいに言うなやっ)

席に着くと、周りはきぃきぃうるせー小人連ればかり。
わずかに私の前の座席におっさんとその隣におばはんがいるだけ。

ポニョとは、そもそも小人が観る映画だったのだ。
まんまと流行に踊らされた私は迂闊であった。
そもそも宮崎アニメに特に何かを期待しているわけでもない。
チケット購入段階でなかなか恥ずかしい思いもした。

ゆえに、もし、オモロかったら称揚するが、しょうもなかったら、前のおっさん、マジどつく。

映画の内容は、子供という権力に対する社会意識が、それとは分からない毒として現れ
ており、非常に興味深いものであったが、詳細は、私の発行する『映画をめぐる反哲学
的なエッセイのいくつか』という有料メールマガジンに譲りたく、ご興味のある方はぜ
ひ参照されたい。

などと露骨な宣伝をかましつつ、私は前の座席にいるおっさんをどつくかどうか、決め
なければならないのであるが、
この映画に結構うるるとキテしまったため、結局、どつくことはかなわなかったのである。

ふっ、前のおっさん、よかったのう。

誰かと映画を観て泣くことって結構恥ずかしい。
まったく、ひとりでよかったよ。


☆『崖の上のポニョ』
監督:宮崎駿
出演:山口智子 長嶋一茂 天海祐希 ほか


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

★★有料メルマガのご案内

『映画をめぐる反哲学的なエッセイのいくつか』
毎月第1・第4金曜日発行

11月7日(金)に創刊予定のメルマガ。
当メルマガの発行人でもあるエッセイスト・大原やすゆきがご提供する、映画を題材に
した知的エンターテイメントマガジンです。
映画に隠されているコードを読み解くことによって、現代社会のフィクションを暴きま
す。
そのことによって、私たちの生を覆う重苦しさを解放できれば、と思っています。
どうぞご期待下さい。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

『映画をめぐるエッセイのいくつか』
発行人 大原やすゆき
メール pluro1973@live.jp
登録・解除

現在休刊中です
解除

規約に同意して

上へ戻る