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離婚カウンセリングの現場で目にする男女の縺れあいをご紹介します。それは、私自身の後悔であったり、ストレスの発散であったりするかもしれませんが、離婚に悩む方にとっては生の知識として少なからずお役に立てるのではと思います。

  • 発行周期 ほぼ週刊
  • 最新号 2008/11/16
  • 部数 27部
  • メルマガID 0000275552
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2008/11/16

【知らぬが仏の離婚話】vol.4第一回目地獄の調停が始まった

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ほぼ週刊 『知らぬが仏の離婚話』
 
  2008年11月16日(日)
  通巻第4号
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こんにちは、石原オサムです。


先日、私たちのクライアントさんのご主人が自殺されました...

スタッフ一同、大変ショックを受け、皆とても暗い雰囲気です。

自殺されたご主人は、地元不動産会社の部長さんで、まだはっきりした事は分かりませんが、
会社の資金を横領していた事が自殺の原因のようです。

何度か、ご夫婦同席のカウンセリングを行ったこともあるため、私たちスタッフもご主人と
面識があり、私個人としてはカウンセリングを通してご主人と親しくなっていった経緯もあ
りました。

詳しくお伝えすることはできませんが、ご主人のお気持ちを考えると、やり切れない思いで
いっぱいです。


ご主人のご冥福を心よりお祈りします。




気を取り直して・・・


前回の続きです。


【調停委員に負けた】 

今回は第1回目の調停のお話です。



通常の調停では、申立人と相手方以外の第三者がその調停に同席することは珍しいのですが、
彼女が調停の行われる部屋に通された時には、既に相手方の元夫(A氏)と、この夫婦が結
婚した当時の仲人さんが入室されていたそうです。

調停委員は、60代後半の白髪の男性と、50代後半の女性でした。
男性の調停委員が彼女に申立ての実情を確認するために彼女の言い分を聞きました。

「あなたは、元夫のAさんに
過去12年間を遡って息子さんの養育費を500万円支払って欲しいのですね?
そして
今月より子供が大学を卒業する月まで毎月12万円の養育費も支払って欲しいとおっしゃ
っているんですね?」

彼女
「はい、そうです」

仲人
「ちょっと待ってください、この女は養育費か何だか知らないけど、とにかく“お金は一銭
もいらないから別れて欲しい”そう言って、生まれたばかりの子供を連れて勝手に出て行
ったんですよ!
まるで子供の種を取るために結婚したようなもんじゃないですか!
旦那が浮気したとかだったたら分からんこともないですけど、こんなに真面目な男に今さ
ら何を言いがかりつけよるんですか!
しかも、今はちゃんと別の人と結婚して子供もおるとですよ!
幸せに暮らしとるとですよ!!
そんなことに裁判所が係わることもようわからんです!」

彼女
「確かにそうです。私はそう言って離婚しました。
でも、養育費は子供の主張する権利です。離婚しても彼が父親であることに変わりはあり
ません。父親はたとえ離婚しても自分と同程度の暮らしを子供にもさせる義務がありま
す!
あなた方がどう言おうと、法律でそう決められてるんですから、養育費は払わなきゃいけ
ないんです!私はこの調停で話がまとまらなければ、すぐに裁判を起こしますし、絶対に
負けることはありません。子供を養っていくにはそれしか方法がありませんから、断固と
して養育費を支払ってもらいます」

仲人
「何が養育費をもらわないと子供を養っていけないだ!
そんなチャラチャラした高そうな洋服着てよく言うよ!
あんたが今持ってるそのバックは4、50万円するバックじゃないか、この間テレビで言っ
てたぞっ!そんなブランドもんのバックに金を使えるんだったら、子供の養育費だって自
分で払えるだろう!
養育費、養育費、って言いながら結局はあんたの遊びたい金欲しさだろ!」

男性調停委員
「まぁ、まぁ、××さん、いや、○○さん、冷静に...」

男性調停委員は同席した仲人の男性を一旦あだ名で呼び、それから本名を言い直して、彼を
落ち着かせようとしました。
彼女も少し驚いたそうですが、同席した仲人の男性と男性調停委員は知り合い、と言うより、
かなり親しい友人同士のようです。同席した事情も何となく見えてきました。

男性調停委員
「とにかく、事情がどうであれ、 Aさん、養育費はいくらか払ってあげた方がいいんじゃ
ないですか?一応、自分のお子さんですし...」

彼女
「ちょっと待ってください!
“いくらか払ってあげる”って、どう言う意味ですか?
私は毎月の養育費を12万円、これまでの養育費を500万円と言ってるんです!
 Aさんの年収からすれば12万円の養育費は相場です。びた一文まけるつもりはありませ
んからそのつもりでお願いします。調停委員さんだってそのくらいのことはご存知でし
ょ?
早くこの人たちを納得させて調停を終わらせてください!!」

男性調停委員
「いや、いや、そう焦らんでもいいでしょう。
お互いじっくり話をして、譲り合うところは譲り合っていきましょうよ」

彼女
「何を言ってるんですか! じっくり話合いだなんて悠長なことやってられません!
私は仕事を休んで、3時間かけて裁判所まで来てるんですよ!
養育費を払わなきゃならいってことが法律でちゃんと決まってるってことをこの人たち
に説明するのがあなたの仕事じゃないんですか?
どんなにこの人たちがごねても養育費は払わなきゃいけないってことはハッキリしてる
でしょう! 早く説明してやって下さい!! なんなら、私が説明しましょうか!」

彼女はエルメスのトートバックから六法全書と判例集のコピーを取り出して、養育費の支払
い義務について説明しようとしました。

すると、女性調停委員がはじめて口を開きました。
「今日はですね、基本的にあなたの申立ての実情を確認して、それを相手方に伝えることが
目的です。
ここは、話合いの場です。
あなたの意見を通すための場じゃありませんよ。
それに、裁判所には専門家の先生がたくさんいらっしゃいます。
六法全書なんか取り出してあなたの民法の講義を聞くほど私たちも暇じゃないんです。
何か勘違いされていませんか?
法律、法律とおっしゃるなら最初から調停ではなく裁判に持っていけば良かったんじゃな
いですか?
そんな高価なバックを買えるくらいなら弁護士さんにお願いするお金にも困らないでし
ょう?」

彼女
「このバックは友人から頂いたものです。
養育費とこのバックは関係ありません」

仲人
「何言ってるんだよ! そんなバックをプレゼントする奴なんて男しかいないでしょ! 男
から金を貰って子供を授業料の高い私立の小学校へ通わせてるじゃないか! その金づ
るの男に捨てられそうだから養育費を貰おうって魂胆だろ、そんなのわかりきってるよ!」

女性調停委員
「お子さんは、私立の小学校へ通わせてるの?」

彼女
「はい、親と違ってお勉強の方は得意で、塾にも通っています。
本人の強い希望もあって来年は私立中学を受験する予定です。
ですから余計にお金がかかるようになるんです」

女性調停委員
「子供を私立の小学校へ通わせて、塾にも行かせ、親はそんな高価なバックに良い服を着て、
ひょっとして、お車はベンツか何かに乗ってるんじゃないの?」

彼女
「いいえ、国産の中古車です。
ちょっと、さっきから車や子供の塾やら話されてますけど、養育費とは全然関係ないんじ
ゃありませんか?」

女性調停委員
「いいえ! 関係あるから 聞いてるんですよ! 
ところで、 Aさんはお子さんいらっしゃるんですか?」

Aさん
「はい、小学生2年生の男の子と保育園にかよう4歳の女の子がいます。」

女性調停委員
「小学校は、私立ですか?」

Aさん
「いいえ、地元の公立小学校ですよ。塾にも通っていません」

女性調停委員
「人には分相応ってことがあるのをご存知かしら?」

女性調停委員は彼女に聞きました。

彼女
「おっしゃる意味がわかりませんけど...」

女性調停委員
「あのね、何でもかんでも人に頼って生きるってことは良くありませんよ。
大体、あなたの年収はおいくら?」

彼女
「去年は280万円くらいでした」

女性調停委員
「それくらいの年収で今まで子供を私立の学校へ通わせ、塾にもやって、そんな良い服が着
れるなんてどう考えてもおかしいでしょ。
お金が無ければそんな生活できませんよね?
そんな良い暮らしをしておきながら、養育費を今までの分として500万円、これからは毎
月12万円も貰おう何てどう考えてもおかしくありませんか?

あなたより、Aさんの方がよっぽど慎ましい生活をしてるじゃないですか。
離婚の詳しい事情はわかりませんけど、あなたが一方的に出て行ったんでしょう?
さっきあなたそれを認めましたよね。
養育費の請求なんて無理なんじゃない?」

彼女
「・・・・・・・・・・」

男性調停委員
「まぁ、そう言うことだから、養育費の請求は諦めた方がいいんじゃないですか?
法律をどうこう言う以前の問題ですよ」

仲人
「だから再三言ってきただろう、あんたのやってることは非人道的ってやつだよ!」

男性調停委員
「調停を取り下げたらどうですか?」

女性調停委員
「あなたのような生き方をしている人間に法律は味方しませんよ。
養育費を請求すること自体が間違っていますよ!子供の権利とか言っておきながらご自
分が良い暮らしをしたいだけじゃないですか。
そんな派手な化粧をして、彼氏も沢山いらっしゃるんでしょ」


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相手方も調停委員も、そろって彼女を攻撃したようです。



彼女
「・・・・・・・・・・」


彼女は泣き出しました。



今まで裁判所は自分の味方だと思っていました。
調停委員は調停を申立てた側の味方、良き相談相手と思っていました。



なのに、


娼婦か何かを見るような目で見られ、

自分の生き方までも否定されようとは...








今回はここまでです。
最後まで読んで下さいまして、ありがとうございました。

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■編集後記
更新が遅くなって申し訳ございませんでした。
ほぼ週刊と題していますが、次回からは週2回の発行を考えています。
できるだけ定期的にお届けしたいと思いますので、宜しくお願いいたします。

by石原オサム
ご質問やご感想などお気軽にどうぞ ⇒ mag2@heartclick.jp
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