2009/05/27
◆◇【1000年水】おいしい水きれいな水を次世代へ ◇◆Vol.34 2009/5/27発行「民営化水道トップランナーのパリ水道が公営化」
━━━━━━━━━━━━━━━━ アクアスフィア 橋本淳司事務所 ━━ ◆◇【1000年水】おいしい水きれいな水を次世代へ ◇◆ Vol.34 2009/5/27発行 ━━ http://www.aqua-sphere.net/ ━━━━━━━━━━━━━━━━ ─■ CONTENTS ■───────────────────────── ★ きょうの話題 ★「民営化水道トップランナーのパリ水道が公営化」 ★ HOT TOPICS!★ JICA地球ひろばで「水と衛生」展 ★ メディア掲載 ★ 雑誌『ecocolo』(エココロ)で、 「はじめての浄水器選び」を監修しました。 ───────────────────────────────── ◆おはようございます。橋本淳司です。 新しい書籍が発売まで1か月となりました。 書籍のタイトルは、 『世界が水を奪い合う日、日本の水が奪われる日』 です。 ◆PHP研究所から7月1日発売予定で、 7月第1週には全国の書店に並びます。 日本人がいま知っておかなくていけない水問題について わかりやすくまとめました。 「日本の水が奪われる」は決して脅かしではありません。 ぜひ、お近くの書店でご予約いただければと思います。 □★□★ きょうの話題 ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「民営化水道トップランナーのパリ水道が公営化」 (→水の問題と解決のための知恵) http://www.aqua-sphere.net/1000/ws/wits/wits.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□★□ ◎民間の感覚で事業の効率化を図る ◆日本の上下水道も市場開放の流れにあります。 背景には水道事業の経営難があります。 利用料金で運営費用をまかなう受益者負担の原則は、 すでに机上の空論です。 ◆総務省が発行している地方公営企業年鑑によると、 日本の水道事業は決算規模で上水道が年間約5兆円、 下水道が約8兆円ですが、 料金徴収は上水道が3兆円弱、 下水道が1兆円弱です。 足りない部分は自治体の一般会計からの繰入金で補填し、 上下水道合わせて2兆2000億円あります。 ◆さらに負債も雪だるまのように増え、設備も更新の時期にきています。 建設改良費などは国庫補助金に頼るか、 子どもや孫と分担して負担するとの都合のよい考え方から 地方公営企業の企業債、つまり次世代への借金でまかなっています。 この長期負債が上水道で約12兆円、下水道で約30兆円、 あわせて42兆円あります。 ◆そして高度経済成長時代に整備され、 現在は老朽化した上下水道管の更新費用が、 2025年までに約113兆円になるとの試算もあります。 ◆こうしたなかで国は民間活用を提唱するようになりました。 人口5万人以下の水道事業者を中心に 技術者の確保などのむずかしい自治体が増え、 民間企業の資金や経営ノウハウの導入が検討されるようになっています。 民間の経営感覚を取り入れて 事業費を圧縮していこうということになっています。 ◎水道民営化のお手本はパリ ◆日本の水道民営化は、パリをモデルにしています。 パリ市の水道は、150年以上前から民間会社に委託されています。 施設は市の所有ですが、 その管理は営業部門をヴェオリア、 配水部門は、セーヌ川右岸をヴェオリア、 左岸をスエズに、 浄水部門は市と民間会社が出資する第三セクターに委託しています。 ◆じつはヴェオリア、スエズとは世界中の水道事業を寡占する 水ビジネスの巨人で、「ウォーターバロン」と呼ばれます。 ◆彼らはすでに日本にも上陸しています。 2006年、 広島市の西部水資源再生センター(下水処理場)の管理・運営について ヴェオリアを主体としたグループが包括委託を受注しました。 水道事業への初の外資参入のケースとなり、 「黒船来襲」と大騒動になりましたが、 その後もヴェオリアは積極的な営業展開を行っています。 最初のうちは、格安の落札価格を提示し、 「赤字受注」していましたが、最近は違います。 ◆2009年には、 千葉県手賀沼終末処理場の施設に入る下水をきれいにして 川に流すまでの業務を受注しました。 この入札で関係者を驚かせたのは、 ヴェオリアが他の入札企業より高い入札額をつけたにもかかわらず 落札したことです。 ◆ヴェオリアは、 これまで十数年にわたって一部業務を請け負ってきた 芦原製作所のグループより約1億円高い入札額を提示しました。 それにもかかわらず落札できたのは、 施設の屋根に太陽光発電を設けて節電を図るなどの提案で、 総合的に評価が高かったためです。 ◆日本では水道事業の経営悪化を防ぐために 事業の民間委託という大きな流れのなかにあり、 それは今後も続くと予想されます。 旧態依然とした日本の水道事業を立て直すにために、 ヴェオリアの来襲をよい刺激と考え、 これを機会に日本の水道の将来をきちんと考える機会とすべきです。 ◎パリ市の上下水道事業が公営に ◆こうした流れは世界中で起きていますが、 こうした流れに反するように、 民営化の総本山であるパリ市の上下水道事業が、 2010年までに公共の手に戻ることになったのです。 ◆2008年の夏、ベルトラン・ドラノエ市長は、 「より良い価格と、より良いサービスを提供するため、 100年以上続いた私的企業の独占を終わらせ、 上下水道の運営を全て市が取り戻す」 と発表しました。 ◆水道事業民営化のパイオニアのこの判断をどう考えるべきでしょうか。 公営化の目的の1つには、 水道事業の利権に関する汚職疑惑など、特殊な事情があります。 ですが基本的には市長の発言にあるように、 低コストで良質なサービスを提供するための公営化なのです。 ◆公営企業の経営改革においては、 民営化(民間委託)だけが唯一の選択肢であるかのように 言われることが多いのですが、必ずしもそうではありません。 「公営化」「民営化」といった近視眼的な二元論に陥ると、 本質的な経営改善を行えままかたちだけ民営化された 郵便局の二の舞になるでしょう。 ◆たとえ公営企業であっても、 きちんとした経営改善を行えば、 低コストで良質なサービスを提供することはできるでしょう。 【1000年水バックナンバーはこちらから↓↓】 http://www.aqua-sphere.net/1000/1000_index.html □★□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ H O T T O P I C S ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□★□ ★ 6月2日から9月6日まで JICA地球ひろばにて、 http://www.jica.go.jp/hiroba/index.html 企画展『水と衛生』が開かれます。 水のことがよくわかると思いますので、 ぜひ遊びに行ってください。 □★□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ メ デ ィ ア 掲 載 情 報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□★□ ★ 雑誌『ecocolo』(エココロ)で、 「はじめての浄水器選び」を監修しました。 http://www.aqua-sphere.net/media/media09.html □★□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「水」のことがやさしくわかる!橋本淳司の本 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□★□ ◆小学校の総合学習教材として採用されています! ↓↓↓ 『人と地球の生命のみなもと「水の大研究」 不思議な世界をのぞいてみよう』(PHP研究所) http://tinyurl.com/24hn5f ◆「水」の入門書として好評をいただいております! ↓↓↓ 『おいしい水 きれいな水』(日本実業出版社) http://tinyurl.com/3bzy7t ◆2009年7月1日発刊予定! ↓↓↓ 『世界が水を奪い合う日 日本の水が奪われる日』(PHP研究所) □★□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 講 演 ・ セ ミ ナ ー 情 報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□★□ ★ 横浜市立桂小学校「水」の授業 「飲み水はどこからやってくるんだろう?」 <日時> 6月9日(水) <会場> 横浜市立桂小学校 <主催> 横浜市立桂小学校 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ 大地を守る会・ポコポコセミナー <日時> 8月29日(土)10:00〜12:00 <会場> 津田ホール(渋谷区千駄ヶ谷1-18-24) ※JR千駄ヶ谷駅/都営大江戸線・国立競技場下車 アクセス:http://tsudahall.com/ <主催> 大地を守る会 □★□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「水」の講演、出前授業!いたします ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□★□ ◆水の不思議や水問題についてわかりやすくお話しします。 ◆過去の講演実績はこちらからご覧ください。 ↓↓↓ http://www.aqua-sphere.net/seminar/water_s.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1000年水】おいしい水きれいな水を次世代へ Vol.34 2009/5/27発行 ────────────────────────────────── 編集・発行:アクアスフィア 橋本淳司事務所 http://www.aqua-sphere.net/ メールでのお問合せ、ご感想は welcome@aqua-sphere.net まで 登録解除のお手続きは http://www.mag2.com/m/0000273841.html バックナンバーは http://www.aqua-sphere.net/1000/1000_index.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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2009/11/11 ◆◇【1000年水】Vol.58 2009/11/11発行「グローバル水企業の資金源」
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2009/11/04 ◆◇【1000年水】Vol.57 2009/11/4発行「【1回2杯から1杯2回へ】トイレでジャバーと流れる水は減少中」
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