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「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」イロコイ族の格言。 現代は7世代どころか四半期先の業績に右往左往する時代。そんな世界のニュースを7世代先に思いをはせて読み解きます。先祖から受け継いだこの美しい星を、7世代先の子孫に残すために。

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2009/11/21

「7世代に思いをはせて」【第62号】『帝国以後』の世界が始まる?

「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」
ネイティブ・アメリカン(イロコイ族)の格言。 
	
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アメリカ合衆国の「帝国」として弱さを指摘し、
その崩壊過程を解明するエマニエル・トッドの『帝国以後』*
その書は、こんな言葉で終わっています。

「二十世紀にはいかなる国も、戦争によって、もしくは軍事力の増強のみによって、
国力を増大させることに成功していない。
フランス、ドイツ、日本、ロシアはこのような企みで甚大な損失を蒙った。
アメリカ合衆国は、極めて長い期間にわたって、
旧世界の軍事的紛争に巻き込まれることを巧妙に拒んで来たために、
二十世紀の勝利者となったのである。
この第一のアメリカ、つまり巧に振舞ったアメリカという模範に従おうではないか。
軍国主義を拒み、自国社会内の経済的・社会的諸問題に専念することを、
受け入れることによって、強くなろうではないか。」

「現在のアメリカが『テロリズムとの闘い』の中で残り少ないエネルギーを
使い果たしたいというのなら、勝手にそうさせておこう。
それはもはやすでに存在しない覇権の維持のための闘いの代用物に他ならない。
もしアメリカがあくまでも全能を証明しようとするのなら、
遂には己の無能を世界に暴露するという事態に立ち至ってしまうだろう。」


この言葉が書かれたのは2002年。それから7年。
長い時間をかけて、アメリカはその無能さを世界に暴露しました。
トッドの指摘したとおり、アメリカには「帝国」として振舞い続ける能力は、
軍事的にも、経済的にも、そしてイデオロギー的にもなかったわけです。

トッドは、これからの世界をこのように予見しています。

「ゲームはゆっくりと進行する。なぜならアメリカだけでなく、
大国のいずれもがそれぞれの根本的な欠落をいくつも抱えているからである。
(中略)
それゆえにゲームはチェック・メイト(王手詰み)で終わらず、
ステール・メイト(手詰まり)で終わることになるだろう。
つまり唯一の強国が勝利で終わるのではなく、
どの強国も支配権を握ることができないという状態で終わるだろう。」

「いま形作られつつある世界は、唯一の大国に統制される帝国となることはないだろう。
それは、厳密に同等ととまでは言えないまでも、
ほぼ等しい規模を持ついくつかのネーションないしメタ・ネーションが
互いに均衡を保つ、複合的なシステムとなるであろう。」

アメリカが支配する帝国ではなく、
アメリカも大国の一つとして他国と均衡を保ちつつ存在する世界。

そして「国際協調」を掲げて当選したオバマ米大統領。
大統領は、アジア歴訪の演説の中で、
アジアへの関与とそれによる米国内での雇用の創出を繰り返し訴えていました。
すなわち、アメリカも資金を(貢物のように)世界から調達しながら、
世界の製品を買い続けるといった特殊な(帝国のような)国ではなく、
自国からの輸出で輸入品の代金を支払うという普通の国になることを説明してまわる旅が、
今回のアジア歴訪であったとも考えられるのです。

そして、これまでの55年体制を覆し政権交代を果たした日本の首相が繰り返す、
「対等な日米関係」と「アジアとの関係強化」。

世界はあらたなる流れのなかにある。
そんな希望を感じた、日米首脳会談でした。

そしてその新たな流れを、大国だけのための世界ではなく、
すべての人々、すべての命のための世界の構築へと、
わたしたちひとりひとりが進めていかなければならないと、
強く思いました。


最後に。トッドの予想する世界は、基本的にはとても明るいものです。
説明し始めるとまた長くなるので、
機会があればぜひその著書を読んで見てください。

*『帝国以後―アメリカ・システムの崩壊』
エマニュエル・トッド著 2003年 藤原書店
゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★


一週間の気になるニュースを題材に、毎週土曜日の発行を予定しています。
小橋かおるの「誰にでもできる」平和活動・「花と爆弾」や
アフガニスタン、イラク関連イベントも随時紹介させていただきます。


☆「with…若き女性美術作家の生涯」上映会のお知らせ
生きること、命のきらめき、
たいせつなことをたくさん教えてくれるドキュメンタリー映画です。
まだご覧になっていないかたは、ぜひどうぞ。

日時:2009年11月29日(日)16:45~18:00
会 場:神戸アートビレッジセンター(KAVC) 
住 所:神戸市兵庫区新開地5-3-14 
http://www.rokin.or.jp/news/images/20091022_map.html 
参加者:150名まで(参加費:無料)
詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
http://www.rokin.or.jp/news/common/2009/1023_0800.html#kanren


☆アフガニスタン関連イベント
「花と爆弾」で支援させてもらっている宝塚・アフガニスタン友好協会の
写真展。27日までです!

◆写真展 「アフガニスタン 16年の軌跡-人々との出会い」 入場無料
日時:2009年11月16日(月)~11月27日(金)
     午前10時~午後6時 (土日祝 休館 最終日午後2時まで)
場所:朝日新聞大阪本社 1F アサコムホール
    〒530-8211 大阪市北区中之島3-2-4/Tel:06-6201-8304
    地下鉄四つ橋線肥後橋駅4番出口すぐ
    京阪中之島線渡辺橋駅12番出口すぐ
詳しくは宝塚・アフガニスタン友好協会のサイトへ
http://www010.upp.so-net.ne.jp/k-tafajapan/news.html


♪ 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 ♪


♪♪ 発行者プロフィール ♪♪
小橋かおる 「花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-」著者。
2004年の出版以来、アフガニスタンとイラクの子どもたちの支援と、
戦争で泣く子どもたちのいない世界を築くために、
「誰にでもできる」平和活動をさまざまな形で推進中。
「花と爆弾」HP:http://www1.plala.or.jp/cheko/kaoru/



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