2009/01/28
ある中国美人の波乱の半生(その8)
---------------------------------------------------------------------- ある中国美人の波乱の半生では、したたかとも思える「王」という女性(仮名) の波乱に満ちた生き方にスポットを当てています。この記事は中国人少女が内 陸部の村から都会に移り住み、家族を想いながら必死に生きる姿を描いた、リ アリティーに富んだ内容のフィクションです。 ---------------------------------------------------------------------- 店を辞めた王は店が借りている宿舎をすぐに立ち退かなければならなかった。 店の女が6人共同生活していた粗末な宿舎ではあるが、一人300元を月々の 給料から差し引かれていた。深セン市内で一人で住むアパートは最低1000 元(1万5千円)ほど必要だった。 王は祐二と深セン市内の不動産会社を訪れた。入り口の看板に高級マンション の高層ビルの写真と賃貸物件紹介が所狭しと張られていた。家賃は2DKで3 000元ぐらいの値が付いていた。王はいつかはこんな高級マンションを賃貸 ではなく購入したいと思っていたが、いまはそんなチラシに目もくれず700 元の家賃、管理費、光熱費を含めて合計1000元ほどになる小さなアパート を契約した。今の宿舎からもさほど遠く無い距離にあった。 二人は不動産会社の女に案内され、深センの下町に立ち並ぶ古い6階建てのア パート群に歩いて向かった。アパートのビル群の狭い入り組んだ路地を通り、 ある建物に入った。暗く薄汚い階段を5階まで上り北向き窓の部屋に案内され た。家具もカーテンもない殺風景な部屋だった。 天井と壁も白いモルタルで塗られた6畳ほどの居間と、小さな流し台のついた キッチン、シャワー兼トイレの付いた物件だった。小さな窓から、路地を挟ん だすぐ目の前のアパートの1室で男女の大きな話声が聞こえ、路地の壁の空間 に響いていた。 祐二は不動産会社に家賃6ヶ月分4200元、敷金・権利金として2100元 を支払った。そのほかベッド、マット・枕、冷蔵庫、ガスレンジ、衣装ロッカ ー、テーブル、ソファー、カーテンなど生活用品一式を揃えるために、合計1 2000元ほどの現金を王に渡した。つぎの日曜日、祐二は王の宿舎から彼女 のわずかな所持品を運ぶのを手伝うため始めて王の宿舎に入った。 ほかの5人の女はすでにどこかに去って、ペットボトルや欠けた食器類など生 活ゴミだけが散乱していた。王は小さなテレビと衣服、靴、化粧品などを旅行 カバンと、手提げ袋に入れ、タクシーで運んだ。2回往復して荷物は部屋から 無くなり、2段ベッドが3台だけコの字形にフロアに残された。王は5年の生 活の跡が染みついた、がらんとした部屋をしばらく見渡していた。寂しさと、 これからの生活を考えると、言い知れぬ不安がこみ上げ、その目は涙でいっぱ いになった。 続く >>> --------------------------------------------------------------------- 中国の工場管理はこうする! http://bintain1949.blog29.fc2.com/ 発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000272980.html ----------------------------------------------------------------------


