2008/09/16
プルトリナ王国縁起 序章その1
====================================================================== ┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓ ┃プ┃┃ル┃┃ト┃┃リ┃┃ナ┃┃王┃┃国┃┃縁┃┃起┃ ┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛ 2008年9月16日 第2回配信 ====================================================================== あーあ。 たいくつ。 もっていたチョークを指先でくるくる回す。 アルベナク先生のたいくつな解説が延々と続いているのよ。 こういうときが一番たいくつ。 眠くなるわ。 でも寝るのはもっともったいない。 だってせっかく起きている時間なんだもの。 太陽が地平線から昇って、半日かけて西の空に沈むまで、一時たりとも 寝るなんてもったいない! だったらこんなお勉強なんて抜け出してしまえばいいのよ。 と、ここで行動を起こしたら、これまでの計画が泡と消えてしまう。 私は「バカで将来が心配なプリンセス」と思わせなくちゃいけないんだから。 計画を実行して2年目。 城内での私の評価が最低まで落ち込んでいることを確認している。 だから、あとちょっと。 あとちょっとで、次の段階へ進めるのよ。 このお城から永久に抜け出して、自由の身になるためなんだから。 だから、今は抜け出しちゃいけないわけ。 そう、「バカで将来が心配なプリンセス」としては、ここは居眠りを するのが筋よね。 でも本当に眠ったらダメ。ここはフリだけ。 自然に、自然に……。 ――……セス。 ――……プリンセス、ミアルティナ! 起きなさい! 目を覚ますと、アルベナク先生が顔を真っ赤にして私を見下ろしていた。 目を覚ますと……? え!? やだ、私、本当に寝ちゃってた!? 「講義中に寝てしまうとは、なんと緊張感のない! そのようなことでどうす るのですか!!」 どうするもなにも、早くお城から抜け出したいだけなんだけど。 なんてことは言わずに。 「……ご、ごめんなさい」 しおらしく、ね。 それにしても本当に寝てしまうなんて、むしろそっちのほうがショックだわ。 こんなことじゃ、お城から出た後の生活に支障が出るわ。 あくまで、お城の中での行動は「フリ」なんだから。 「嘆かわしい! プリンセスはやがてはこの国を統治する身ですぞ。女王も 嘆いておいででした。もっとしっかりなさい!」 お母さまには申し訳ないけど……。 でも、お母さまだって、しっかり統治しているとは思わないもの。 式典に参加したり舞踏会を催したり、お城の中でただ遊んでいるようにしか 見えない。 そんなことを私もしなくちゃいけないなんて、ぞっとするわ。 お母さまの跡を継ぐなんて絶対いや! だからこそお城を脱出しなくちゃいけないんだわ。 アルベナク先生のお説教が続くけど、半分私に対する愚痴だから無視。私も 聞いているフリをしながら、絶対お城から脱出してやるって、心の中で誓う。 早くチャンスが訪れないかしら……。 ☆ ☆ ---------------------------------------------------------------------- はじめまして! ご購読ありがとうございます。 作者の砂海原裕津ともうします。 メルマガの紹介文にもありましたが、10数年ぶりにペン(?)をとりまし た。ペンをとる、ってなんかもう表現がおかしいですよね。キーボードを 使って打ち込むわけですから。 かつてのお話は第1回配信のメルマガをご覧ください。 バックナンバーで見ることができます。 今回のお話はずっと頭の中で動かし続けてきたものを文章化したものです。 なかなか文章化するのは難しいのですが、がんばります! ミアルティナともども、よろしくお願いします。 それでは、次回をお楽しみに♪ ┌─────────────────────────────────┐ | プルトリナ王国縁起 | | 発行者:砂海原裕津( http://www.samihara.com/ ) | | 発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ | | 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000272603.html | └─────────────────────────────────┘



