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行政管理研究センターは、行政の合理化、効率化を目指し設立されました。この趣旨に則り、最近の行政改革の主な動きについての情報を網羅的に提供します。

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2009/11/20

行政管理研究センターメールマガジン 2009.11.20

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  行政管理研究センターメールマガジン       2009.11.20

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  財団法人 行政管理研究センター
  (IAM=Institute of Administrative Management)
  E-Mail: XLB02564@nifty.com
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┃目次【主なもの】┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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┃【行政改革】「政策評価、行政評価・監視」に対する事業仕分け結果 他
┃【行政評価】 国の行政機関の法令等遵守態勢に関する調査結果に基づく勧
┃       告(回答)
┃【地方行財政】地方分権改革推進員会「第4次勧告」 他
┃【国の予算・財政】平成20年度決算検査報告(概要)
┃【国会の動き】予算重点方針について
┃【行政の情報化・統計】世界情報通信事情 他
┃【行政判例】解職請求署名簿無効決定異議申立棄却決定取消請求事件 他
┃【その他=審議会・白書・学会等の動き=】行政の腐敗指数 他
┃【行政研究所だより】飲酒運転を理由とした公務員の懲戒処分(大江研究員)
┃【理事長トーク】 美術展あれこれ
┃【投稿コーナー】【俳句】
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◇書籍紹介◇
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○「行政機構図2009年版」(A4版308頁、定価:2,600円(税込))
  本書は、我が国の行政機構(局・課及び出先機関・付属機関等)の名称、職
 員数等を図説したものです。また、課別の所掌事務一覧並びに独立行政法
 人、国立大学法人、特殊法人一覧等も収録しております。

○「人事・行政管理法令集(平成21年度版)」
 (A5版1365頁、定価:3,690円(税込))
  総務省関係の法令のうち、組織・通則、人事管理・恩給、行政管理、行政
 評価、行政相談、統計の関係法令等を収録。

》》購入申込先《《 
  財団法人 行政管理研究センター
  Tel: 03-5969-8211 Fax: 03-5688-8400
  E-mail: XLB02564@nifty.com


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◇IAMからのお知らせ◇
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【賛助会員募集】
 当センターの事業目的にご賛同いただける団体、個人の皆様には、賛助会員
としてご入会いただきますようご案内申し上げます。
 賛助会員としての特典、会費及び入会申込書については、当センターのホー
ムページをご覧ください。
http://www1.biz.biglobe.ne.jp/~iam/member.html

【『季刊 行政管理研究』論文の公募】
 『季刊 行政管理研究』に掲載する論文等を募集しております。行政学、行政
法、公共政策等の分野についての論文、研究ノートを奮ってご投稿くださいま
すようご案内いたします。
 投稿要領等につきましては、以下のページをご覧ください。
http://www1.biz.biglobe.ne.jp/~iam/quarterly_par.html

【行政機関等の個人情報保護法制セミナー(初任者コース)開催のご案内】
 行政機関(独立行政法人、地方公共団体等を含みます。)において新たに個
人情報保護法制に係る実務をご担当になられた方々を対象として学識者や実務
家の方から、個人情報保護に係る制度の概要や公文書管理法(2009年6月成立)
が同制度に及ぼす影響、行政機関等個人情報保護法の最近の動向・実務上の留
意点、独立行政法人や地方公共団体の個人情報保護制度の現状・今後の課題な
どを具体的な事例を交えながら分かりやすく解説するセミナーを下記の通り開
催します。
講座内容・講師
・個人情報保護制度の概要及び問題事案の事例解説等
  財団法人 行政管理研究センター 研究員 大江 裕幸
・行政機関等個人情報保護法の最近の動向及び実務上の留意点
  総務省行政管理局 個人情報保護室 担当官 高石 浩平 氏
・独立行政法人及び地方公共団体における個人情報保護制度の現状と今後の課
題
 日本大学法学部 准教授 友岡 史仁 氏
(注:演題、講師については変更する場合があります。)
日  時:2009年12月7日(月) 10:00~16:25
場  所:全国町村議員会館(東京都千代田区一番町25番地)
     (地下鉄半蔵門線 半蔵門駅 5番出口より徒歩2分)
定  員:240名(先着順で受講を承り、定員に達し次第締め切らせて頂きます)
受 講 料:7,000円
申 込 先:E-mail:XLB02564@nifty.com
     Fax:03―5688―8400
担  当:石丸・藤森


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■行政の動向┃
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【行政改革】
・「政策評価、行政評価・監視」に対する事業仕分け結果
 行政刷新会議は13日、「政策評価、行政評価・監視」に対する事業仕分けを
行い、「抜本的な機能強化」との評価をしました。
http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/pdf/nov13kekka/1-23.pdf

・規制改革推進のための3か年計画等のフォローアップ結果
 規制改革会議は9日、規制改革推進のための3か年計画(改定)のフォローア
ップ結果を公表しました。
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/publication/index.html#followup21

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【行政評価】
・国の行政機関の法令等遵守態勢に関する調査結果に基づく勧告(回答)
 総務省行政評価局は11日、全府省に行った「国の行政機関の法令等遵守態勢
に関する調査結果」に基づく勧告(平成21年3月27日勧告)について、各府省が
講じた改善措置の結果を公表しました。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000043630.pdf

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【地方行財政】
・地方分権改革推進員会「第4次勧告」
 地方分権改革推進委員会は11月9日、「第4次勧告~自治財政権の強化による
「地方政府」の実現へ~」をとりまとめ、同日に丹羽委員長から鳩山首相に手
交しました。第4次勧告は、地方税財政における諸課題を「当面の課題」と「中
長期の課題」とに分け、地方税財政制度の再構築に向けた諸提言を内容として
います。
http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/torimatome/torimatome-index.html

・地域主権戦略会議の設置
 政府は11月17日、閣議決定により、内閣府に地域主権戦略会議を設置しまし
た。
http://www.cao.go.jp/chiiki-shuken/index.html

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【国の予算・財政】
・平成20年度決算検査報告(概要)
 会計検査院は11月11日、平成20年度決算検査報告を作成しました。
http://www.jbaudit.go.jp/report/summary20/index.html

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【国会の動き】
・予算重点方針について
 予算重点方針が11月17日の閣議にて報告されました。
http://www.kantei.go.jp/jp/tyokan/hatoyama/2009/091117sisin.pdf

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【行政の情報化・統計】
・世界情報通信事情
 総務省は、諸外国のインターネット、ブロードバンド市場の動向について、
公表しました。
http://g-ict.soumu.go.jp/index.html

・平成21年賃金構造基本統計調査
 厚生労働省は、主要産業に雇用される労働者の初任給に関する調査結果につ
いて公表しました。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/09/index.html

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【行政判例】
・解職請求署名簿無効決定異議申立棄却決定取消請求事件
 最高裁大法廷は、11月18日、地方自治法施行令115条、113条、108条2項及び
109条の各規定のうち、公職選挙法89条1項を準用することにより、公務員につ
き議員の解職請求代表者となることを禁止している部分は、その資格制限が地
方自治法80条1項の請求手続にまで及ぼされる限りで、同法85条1項に基づく政
令の定めとして許される範囲を超え、無効であるという旨の判決を言い渡した。
なお、本判決には、4人の裁判官からなる3つの補足意見、3人の裁判官からなる
1つの反対意見及び1つの追加反対意見が付されている。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=38179&hanreiKbn=01

・泡瀬干潟埋立公金支出差止等請求控訴事件
 福岡高裁那覇支部は、10月15日、沖縄県知事及び沖縄市長に対してされた、
中城湾港泡瀬地区公有水面埋立事業・臨海部土地造成事業に関する一切の公金
の支出等の差止めを求める住民訴訟について、判決確定時までに支払義務が生
じた部分並びに調査費及びこれに伴う人件費に関する部分を除き、請求を認容
する旨の判決を言い渡した。本判決は、まず、従前の土地利用計画につき根本
的な見直しが行われている現段階において、本件埋立事業等に基づく埋立工事
を継続することができるか否かは、法的には、公有水面埋立法13条ノ2に基づく
本件埋立免許及び承認の変更許可を得られる見込みがあるかどうかにかかるこ
とになり、これをより実質的にみれば、現在沖縄市において策定中の新たな土
地利用計画に経済的合理性が認められるかどうかにかかることになるという認
識を示した。その上で、新たな土地利用計画に経済的合理性が認められないに
もかかわらず、漫然と、従前の土地利用計画に基づいて埋立工事が継続されて
いるとすれば、これに係る公金の支出等の財務会計行為は、違法と評価される
ことになるとの一般論を提示した。そして、本件においては、経済的合理性の
調査・検討がされていない以上、今後策定される予定の土地利用計画を前提と
して、本件埋立免許及び承認の変更許可が得られる見込みがあると判断するこ
とは困難であるとして、本件埋立事業等に係る財務会計行為は、予算執行の裁
量権を逸脱するものとして、地方自治法2条14項及び地方財政法4条1項に違反す
る違法なものというべきであるとして、今後事業の土地利用計画を見直し、本
件埋立免許及び承認の変更許可を求めるために必要となる調査費等に係る財務
会計行為等を除き、公金支出の差止を認容した。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=04&hanreiNo=38172&hanreiKbn=03

・不作為の違法確認等請求事件
 さいたま地裁は、10月14日、産業廃棄物処理施設設置許可申請及び産業廃棄
物処理業の事業範囲変更許可申請に対する埼玉県知事の不作為を違法とする旨
の判決を言い渡した。本件においては、原告業者が申請を行ったところ、被告
知事が申請書を返戻し申請に対する許可・不許可の処分を行わないとして、被
告に対し、上記不作為が違法であることの確認が求められた事案であり、本判
決は、標準処理期間を大幅に経過していること、国賠請求に係るいわゆる品川
マンション事件最高裁判決(最三小判昭和60年7月16日民集39巻5号989頁)の射
程が不作為の違法確認請求に係る本件に直接及ぶものではないこと、原告が不
作為の違法を主張して訴えを提起した以上、行政指導に任意に従えない意思を
表明したことは明らかであるから、このような場合には行政指導に従わない事
業者であることを前提に許可又は不許可の判断をし、許可をする場合には生活
環境の保全の見地から必要な条件を付することで対処すべきであり、行政指導
の継続を理由に許否の判断を留保することは許されないことなどを理由として、
本件においては、申請に対する処分を行うのに通常必要とする期間は既に経過
しており、これを正当化できる特段の事情は存在しないとして、本件不作為を
違法であると判断した。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=04&hanreiNo=38174&hanreiKbn=03

・違法公金支出金返還請求事件
 さいたま地裁は、9月30日、E町に合併前のF村が、補助参加人株式会社A
(参加人)に対し、3000万円の産業振興事業補助金を交付したことについて、
E町の住民である原告らが、同補助金の支出は公益性のない違法なものであり、
これによりF村と合併後のE町は、上記同額の損害を被ったなどと主張して、
当時の村長らに対する本件補助金支出相当額の損害賠償請求ないし賠償命令を
すること、並びに参加人に対して本件補助金支出額相当額の不当利得返還請求
をすることを被告に対して求め、参加人が被告に補助参加した住民訴訟につい
て、本件補助金がE町との合併の直前に急遽行われたものでありF村の議員ら
との意見交換が十分には行われずになされたものであること、一部の議員が参
加人の株主等になっていること、その金額が多額であることなどの問題点はあ
るものの、本件補助金の支出は公益上の必要性からなされたものであると認め
られ、その判断が社会通念上著しく妥当性を欠くものとまではいえず、裁量権
を逸脱、濫用したものであるとまではいえないとして、請求を棄却する旨の判
決を言い渡した。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=04&hanreiNo=38115&hanreiKbn=03

・個人タクシー値下げ請求却下処分取消請求事件
 大阪地裁は、9月25日、個人タクシー事業を営む原告が、近畿運輸局長に対し、
初乗運賃を480円に値下げすることなどを内容とするタクシー事業に係る旅客の
運賃及び料金の変更認可申請をしたが、同局長から他の事業者との間の不当な
競争を引き起こすおそれについて規定した道路運送法9条の3第2項3号の基準に
適合しないとして同申請を却下する旨の処分を受けたため、同却下処分の取消
しとともに、上記申請に応じた運賃等の変更認可処分の義務付けを求めた事案
につき、行政事件訴訟法37条の3第6項前段に基づき、上記却下処分の取消訴訟
についてのみ認容する終局判決(前判決)がされたところ、同局長が、原告に
対し、再度、上記申請を却下する旨の処分(再却下処分)を行ったことから、
原告が、再却下処分の取消し及び国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求める
訴えを上記義務付けの訴えに追加的に併合提起した事案において、道路運送法9
条の3第2項3号の基準に適合しないとして再却下処分をした近畿運輸局長の判断
には裁量権の逸脱又は濫用があったとして、再却下処分の取消請求を認容し、
さらに、上記申請を認可しないことは裁量権の逸脱又は濫用に当たるとして変
更認可処分の義務付け請求を認容するとともに、再却下処分は職務上通常尽く
すべき注意義務を尽くすことなく漫然とされたものであるとして国家賠償請求
を一部認容する旨の判決を言い渡した。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=04&hanreiNo=38158&hanreiKbn=03

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【その他=審議会・白書・学会等の動き=】
・行政の腐敗指数
 11月17日、NGOトランスペアレンシー・インターナショナルは2009年世界の腐
敗認識指数を公表しました。日本の政治家や公務員の「清潔度」は調査180か国
中17位。
http://www.ti-j.org/

・白書
(11月13日閣議報告)
 犯罪白書 http://www.moj.go.jp/HOUSO/2009/index.html
(11月17日閣議報告)
 自殺対策白書 
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/index-w.html

・日本自治学会第9回総会・研究会
期日:2009年11月20日(土)~21日(日)
会場:同志社大学
主要内容:共通論題I「地域力の再生」
     共通論題II「地方分権改革を総括する」
http://www.nihonjichi.jp/program20091121.pdf

・日本法政学会
日時:200911月28日(土)~29日(日)
会場:日本大学法学部三崎町キャンパス
主要内容:シンポジウム「ガバナンスの理論と実際」
     国際シンポジウム「国際的視野からみた東アジアの法制度と
     (同時通訳あり) 政治行政―経済危機とガヴァナンスを中心に―」
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jalps/111gakkai.pdf
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jalps/091129.pdf

・第4回国際PPPフォーラム
『“2010年代のPPP”~市民・市場・政府の役割の再起動~』
 (同時通訳付、入場無料、申込順)
 *「職員4人で人口10万人都市を運営する」サンディ・スプリングスの創設者
  オリバー・W・ポーター氏来日
日時:2009年11月30日(月)13:30~17:00
場所:東洋大学白山キャンパス5号館井上円了ホール
   (東京都文京区白山5-28-20)
お申し込みは、http://www.pppschool.jp まで


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■行政研究所だより┃
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 当行政研究所は、所長(村松岐夫 学習院大学教授)のほか、主任研究員1人
(次長を兼務)、研究員7人で組織されております。今回は、大江研究員の投稿
を掲載しました。
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飲酒運転を理由とした公務員の懲戒処分

 以前、本メールマガジン第66号(8月7日発行)の「行政判例」欄で、「酒気
帯び運転を理由とした懲戒免職処分が取り消された事例」として、京都地裁と
大阪地裁の判決を紹介した。最近は、公務員が飲酒運転をした場合、懲戒免職
処分とされることが多いようであるが、その懲戒免職処分に対する取消訴訟の
判決の内容は、必ずしも一定していないようである。酒気帯びと酒酔いの別、
地方公共団体の処分基準の内容、発生時期等の指標に基づいて統計を取れば興
味深い結果が得られるように思われるが、裁判例は網羅的に公表されているわ
けではないため、そのような分析を正確に行うことは極めて困難である。なお、
「行政判例」欄では、裁判所HPに掲載された裁判例のみを対象とすることにな
っているため、新聞報道等で大きく取り上げられるような判決であっても、紹
介できないことが多いということは、かつて本コラムにおいて述べたとおりで
ある。

 ところで、先日新聞報道で、飲酒運転による懲戒免職処分の取消しを認めた
最高裁判決があったことを知った。そこで若干調べてみたところ、いろいろと
興味深い点がみられたため、この場を借りて紹介することにしたい。なお、本
件の地裁、高裁、最高裁判決は、加西市HP内の平成21年9月29日付「おしらせ」
(http://www.city.kasai.hyogo.jp/04sise/11osir/osir0909/osir090929a.htm)
において閲覧することができる。

 地裁判決の事実認定によれば、本件の経緯は次のようなものである。当時兵
庫県加西市建設経済部○○課長〔「○○」の部分は黒塗りされている。〕であ
った職員が、休日である平成19年5月6日に町役員らと焼肉店に行った際に、勧
められるままにビール中ジョッキ1杯、日本酒1合を飲んだ後、自家用車を運転
して約1.5キロメートル離れた自宅へと帰る途中、酒気帯び運転により検挙され
た。加西市においては、従来「職員の懲戒処分に関する指針について」におい
て、「事故を伴わない飲酒運転(酒気帯び運転を含む。)」の標準量定は「免
職・停職」と定めていたが、平成18年9月29日付け通達によりこれを「免職」の
みに改定していたという事情もあり、原告は平成19年5月11日付で懲戒免職処分
とされた。原告はこれを不服として、市公平委員会への不服申立てを経て、本
件処分の取消を求めて訴訟を提起した。以上の事実関係につき、地裁(神戸地
判平成20年10月8日)は懲戒免職処分を取消す旨の判決を、高裁(大阪高判平成
21年4月24日)は市側の控訴を棄却する旨の判決を言い渡しており、最高裁は9
月18日に、いわゆる三行半で上告棄却、上告不受理としている。懲戒免職処分
が取消されることになった主な理由を高裁判決に即してごく簡単にまとめると、
本件飲酒運転は、休日の職務とは無関係の出来事であり、検出アルコール量が
低いなど悪質性が高いわけではないこと、周囲に勧められて飲酒したに過ぎず
非違行為の原因・動機においても重い非難に値するとまではいえないこと、100
名を超える市民から嘆願書が提出されているなど公務員への信頼という観点か
らして非違行為の影響も多大とまではいえないことなどに鑑みると、昨今の社
会情勢の下で飲酒運転に対し厳罰をもって対処しようとした市の判断は理解で
きるものの、免職という懲戒処分の重大性に照らせば、本件において直ちに懲
戒免職処分をもって臨むことは、社会通念上著しく妥当性を欠き、裁量権を付
与した目的を逸脱し、これを濫用したものと評すべきである、というものであ
る。加西市HP内の11月10日付け「おしらせ」
(http://www.city.kasai.hyogo.jp/04sise/11osir/osir0911/osir091110a.htm)
によれば、本判決を受けて改めて停職9ヶ月の処分が行われたということである。
また、加西市HP内においては発見できなかったが、複数の報道によれば、最高
裁判決を受けて、加西市は指針を改定し、飲酒運転の場合の標準定量を「停職
以上」と変更したとのことである。

 本件において興味深いことは、加西市が最高裁判決を受けて指針を緩和した
ということである。行政法学における審査基準論の観点から本判決を読み直す
と、地裁判決においては指針を裁量問題における司法判断にとっては法的に意
味のないものと位置づけているが、高裁判決は指針の合理性の有無に検討を加
え、指針が画一的・機械的に適用されるわけではないということを理由に指針
の合理性を肯定している。地裁判決は、法的根拠のない内部基準を法的に意味
のないものとして位置づける伝統的な行政法理論の立場に、高裁判決は、内部
基準の外部化を語り裁量問題に係る司法審査において内部基準に一定の役割を
認めつつ司法審査における個別事情考慮義務を提唱する近時の行政法理論の立
場に、それぞれ親和的であるということができる。もっとも、いずれの判決の
立場に立っても、本件指針を緩和することが要求されているとは考えられない。
それにもかかわらず指針を緩和することは、同市HP11月10日付け「おしらせ」
における、「市職員に対しては、今後も飲酒運転等の非違行為を起こさせない
よう一層の綱紀粛正に努めてまいります」との市長コメントとの間に一貫性が
あるのか疑わしいように思われる。問題は、高裁判決において示唆されている
ように、指針において示された基準それ自体ではなくて、事案ごとの個別の事
情を尊重しながら行うべき基準の適用のあり方にある。

 本件は、職員の懲戒処分という処分権者に裁量が認められる領域において、
飲酒運転撲滅という社会的要請を予め示される指針という形でどのように取り
入れるべきか、取り入れた指針を個別事案にどのようにあてはめるべきか、指
針どおりの判断を行うのであれ、指針から逸脱する判断を行うのであれ、その
際どのような理由付けを行うべきか、そのようなプロセスを経て行われた処分
に対して裁判所はいかなるアプローチによりいかなる判断を行うべきかという
意味において、非常に興味深い素材であるということができる。また、本件の
ような飲酒運転を理由とした懲戒処分の問題は、多くの読者にとって「明日は
わが身」という観点から興味深いものなのではないかと思われる。もっとも、
公務員でもなく、ペーパードライバーであるがゆえにゴールド免許を保有して
いる筆者にとっては、理論上はともかく、実際上は何ら関係のない事柄である。


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■理事長トーク┃
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美術展あれこれ

 インターネットで刷新会議の仕分け作業を見ていて、なるほど、なるほどと
思う反面、あまりに近視眼的すぎるのではと思うことも。いずれにしても従来
ブラックボックスであった予算編成過程をオープン化したことは高く評価でき
ます。今後の課題の一つとしては、各府省自身の仕分け機能の強化も必要では
ないかと思います。それはさておき、今や芸術の秋真っ盛り。

 その昔、日経新聞の社長だった円城寺次郎氏から、審美眼を養うにはよいも
のを数多く観ることだと教わりましたが、いまだ日暮れて道遠しの感がします。
それでもめげずに、時間を見つけては美術館巡りをしています。この秋は、都
内の各美術館で多彩な企画展が催され、休日も大変忙しい思いをしています。
なかでも、上野の東京国立博物館「天皇陛下御即位20年記念 特別展「皇室の
名宝―日本美の華」」(前期)における伊藤若冲の代表作『動植綵絵』30幅は
圧巻でした。今回の展示品の大半は、皇居東御苑の三の丸尚蔵館(入場無料)
所蔵のものです。尚蔵館自体の展示スペースは大変狭く展示作品も少数ですが、
展示替えのたびに通えば、いずれ見尽くすことができるのではないかと気長に
構えています。

 六本木の国立新美術館「THE ハプスブルク」も16世紀から18世紀にかけての
作品が展示され、この間の美術の系譜を学ぶのに参考になりました。出品の多
くはウィーンの美術史美術館所蔵のものですが、これはという著名な作品は少
なく、ウィーンに行きたいという思いに駆られます。新美術館は国内最大の展
示スペースを誇り、独自のコレクションを持たないのが特色。開館当時は、何
故独立行政法人が場所貸しのような不動産業をやる必要があるのかと揶揄され
たこともありましたが、それなりに健闘しています。

 それにしても企画展は、どこも押すな押すなの状況。この夏、スペインに旅
行しプラド美術館をまる一日かけて観てきましたが、年間入館者数はあちらが
はるかに多いのに展示スペースがゆったりとしており、かつ動線が混線しない
よう工夫されていて混雑を感じません。国内の美術館はもっと工夫してほしい
ものです。

 美術品ではありませんが、皇居北の丸公園の独立行政法人 国立公文書館では、
昨日まで「天皇陛下御在位20年記念公文書特別展示会」を開催していました
(入場無料)。今上陛下の御即位を始め、国会召集の詔書、総理大臣任命の辞
令(官記)、行幸等を記録する公文書は、大変興味深いものがありました。と
りわけ陛下が地方に行幸された際の稠密なスケジュールには、ご高齢の陛下に
大変なご負担になっていることを改めて感じた次第です。

 前館長(理事長)が長期にわたり熱心に取り組んでこられた公文書管理法が
施行され、公文書館は張り切っているように見えますが、残念ながら入場者は
少なく、幸か不幸かじっくりと展示品を読むことができました。その時々の歴
史を刻む公文書を読む楽しみはなかなかの醍醐味であり、これをどのようにPR
するか、同館の今後の課題と思われます。

(ご案内)当センター発行の「季刊 行政管理研究」は常時論文を公募していま
すが、来年3月号に若干の余裕があります。下記投稿要領をご覧の上、奮って
ご応募くださいますようご案内申し上げます。

投稿要領 
http://www1.biz.biglobe.ne.jp/~iam/data/par_information_for_contributors200908.pdf


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◇投稿コーナー◇
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【俳句】
  冬紅葉落ち行く先や瀬戸の海

   岩国路家族総出の蓮根(はすね)堀り
     (岩国レンコンの名称があるほどの一品)

    朔風に落ちらんとする小鳥かな
     (朔(さく):北の方角)
                   寿羽山


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