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鳥取県西部に伝わる再生神話をもとに古代都市国家成立の小説、“スサノヲ”を配信します。

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2009/09/23

古代都市国家成立物語"スサノヲ"

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□●●○●●●  古代都市国家成立物語"スサノヲ"
□●●●●●●              作:荒人
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◆◆あらすじ◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
紀元百年頃、フツを頭とするモンゴル系鉄造りの民が、島根半島に漂着した。
その地は三代前に流れ着いた同胞のオロチ衆が、鉄と暴力で支配していた。
鉄造りの道を閉ざされたフツ達は、銅・錫・鉛を発見したことにより、
青銅造りとして生きる場を与えられる。
息子のフツシは、明日に希望の持てない現状を打破しようと、戦いの準備を始める・・・
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  第十一章 兵士砦 一
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新たな組が編成され、組頭《くみがしら》も決まったところで、これから何をするかが決められた。
三つの組が、それぞれ三つの兵士砦へ向かった。
残る十二組は、一人一人が松明を手にし、大砦周辺の探索を始めた。
その時、フツシ達が逃げ去ってから四時間余が経っていた。

 この約一時間前、フツシ達がグルカ砦を伺っていた。
物見櫓《やぐら》には、所在なさそうに二人の兵士が立っていた。
その下の番小屋の外で、二人の兵士が立ち話をしている。
砦の真ん中にある広場の脇に、高床式の食料庫がある。
入り口の階段で、二人の兵士が居眠りをしている。
隣には、半地下の穀物庫が二つ並んでいる。
双方の入り口にも、壁にもたれかかって居眠りする兵士が見える。

「フツシ、何人見える?」
 ムカリが囁いた。
「八人だ、番小屋の中は二人だな。この砦もいつもの配置だ。ダキル砦と同じ形で行ける」
この二時間前、首尾よく待ち伏せを終えたフツシ達は、ダキル砦を襲っていた。
やぐら櫓の二人と倉庫番の四人、そして兵士小屋の外の一人は、心の臓を一矢で射抜いた。
 兵士小屋の外の残る一人は肩を射抜き、声を上げさせた。
それを聞いて飛び出してきた二人の心の臓を射抜き、肩を射たれた兵士にも止めを刺した。
 遺体を隠して門を開き、やぐら櫓に仲間を登らせ、残りの者は広場の周りの物陰に隠れた。
全員が配置についてから、一番声の太いアスキが、居住小屋を走り回って緊急を知らせた。
各自の小屋で寝ていた十人の兵士は、広場の手前で様子を伺った。
物見と番小屋の兵士達が、門の外を見ているようである。
それを見て、十人は門に向かって走り出した。
そこへ矢を射ち込んだ。
一番手が外しても、二番手が射止めた。

 ダキル砦では、アスキ以外は誰も声を発しなかった。
しかしグルカ砦では、兵士を倒したあと大騒ぎしながら食料庫を襲い、ゆっくりと谷の方へ引き上げた。


 兵士砦へ向かった大砦の三つの組は、砦への中間地点に転がる兵士を見つけた。
数えると三十人、その全てが心の臓を貫かれている。
「組頭《くみがしら》、誰も砦には帰り着いてないぞ。砦の連中も殺られてるのかな・・・どうする?」
 一人の兵士が怯えた声で尋ねた。
「三十人全部がこんな殺られ方をしているなんて・・・どんな武器を使ってるのだ?」
 別の兵士の声も怯えていた。
「そうだな、どんな武器だ?・・何人で襲ったのだ?・・この人数で砦に向かっても、何も出来んな・・・
砦には、夜が明けてから出直そう」
 組頭《くみがしら》は、大砦に向かって歩き出した。

「なに、砦に帰ろうとした者達全員が、心の臓を貫かれているのか」
 各砦に向かった組頭達の報告は、全く同じだった。
フツシ達の足取りを探した組頭達も、成果を伝えることが出来なかった。
「奴らは何人だ?一対一で戦ったとしても九十人だぞ・・・砦も全部殺られてるかもしれんな」
ミシロが、答えを求めるように組頭一人一人の顔を覗き込んだ。
「この暗い中で右往左往してもしょうがない。明日考えようではないか」
 このワクリの言葉に全員が納得し、組の者が待つ場所に散らばった。


□次号へつづく



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