2009/09/09
古代都市国家成立物語"スサノヲ"
□□●●●□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □●●●●●□ 再生神話の郷 メールマガジン □●●○●●● 古代都市国家成立物語"スサノヲ" □●●●●●● 作:荒人 □□●●●□●□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ◆◆あらすじ◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 紀元百年頃、フツを頭とするモンゴル系鉄造りの民が、島根半島に漂着した。 その地は三代前に流れ着いた同胞のオロチ衆が、鉄と暴力で支配していた。 鉄造りの道を閉ざされたフツ達は、銅・錫・鉛を発見したことにより、 青銅造りとして生きる場を与えられる。 息子のフツシは、明日に希望の持てない現状を打破しようと、戦いの準備を始める・・・ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ==================================================================== 第十章 大砦 四 ==================================================================== 大砦の兵士達の動きは、静かだった。 組頭《くみがしら》が集まって相談が始まった時、広場の兵士の姿は、幾分か減っていた。 突然、コムスの建物のある方角から女の悲鳴が聞こえた。 組頭《くみがしら》達は立ち上がり、声のする方へ走った。 今度は、オロチの館《やかた》の方角からも悲鳴が上がった。 組頭《くみがしら》達は二手に分かれ、広場の兵士に声をかけながら走った。 コムスの建物の外には、略奪物を運び出す兵士がいた。 中にも兵士の姿が見える。 駆けつけた組頭《くみがしら》の一人が、手にした槍を、外の兵士の胸に突き刺した。 もう一人の組頭《くみがしら》が建物に駆け込み、中にいた兵士二人を槍で貫いた。 その組頭と、中にいた他の兵士の視線がぶつかった。 兵士は無言で駆け寄り、槍を抜こうとする組頭に組み付いた。 それを見たもう一人が、腰の短剣を抜き、その組頭の胸に突き立てた。 この動きを合図にするかのように、中から三人の兵士が走り出た。 外には、三人の組頭と三十人ほどの兵士が、様子を窺っていた。 走り出た三人の兵士は、一斉に短剣を抜くと、組頭に襲いかかった。 中で組頭を倒した二人の兵士も、駆け出て加勢した。 これを見ていた外の兵士達は、互いに顔を見合わせた後、組頭に襲いかかった。 オロチの館では、押し入った兵士十数人と六人の組頭達が、館の内と外で対峙していた。 五十人弱の兵士達が、少し離れた所で遠巻きにしている。 組頭の一人が建物から離れ、部下の兵士を呼び集めた。 九人いるはずだが、六人しかいなかった。 それを見た他の組頭も、建物に背を向け立ち、集合をかけた。 兵士達はのろのろと移動を始めた。 その時、館の中から槍や短剣を手にした兵士達が、組頭の背中に突進した。 倒れた組頭の背中から槍を引き抜きながら、年嵩の兵士ミシロが怒鳴った。 「みんな聞け、強欲な頭《かしら》の身内はいなくなった。中にある物を運び出せ、山分けにするぞ」 兵士達の間から、歓声が上がった。 ミシロは、コムスの建物に向かった。 そこでは既に運び出しが始まっていたが、やはり年嵩の兵士ワクリが指揮を執っていた。 「おう、こっちは三人が槍で殺られたが、四人の組頭を殺ったぞ。そちらはどうだった?」 「大人しく出て来れば咎めないなどとぬかすから、組頭も一緒になって山分けをするか?と聞いてやった」 「ほう、何と答えた?」 「それは出来ぬ、とさ」 「で、どうしたのだ?」 「突撃させようと点呼を始めたから、飛び出して六人とも殺った」 「ということは、組頭は全部殺ったわけだな」 「そうだ、・・・これからどうする?」 「お宝をみんなで分けよう」 「そうではない。この砦や鉄衆砦をどう仕切るかということだ」 「そっちの話か。兵士砦の組頭がどう出るかだな。とりあえず、ここの全員を集めよう」 「若い連中はどうする?頭《かしら》 や|《くみがしら》組頭のガキもいるぞ」 「逆らいそうなのがいるか?・・・ごちゃごちゃ言えば殺ればいい」 「言わなければ?」 「みんなと同じだ。今まで親父の威光でいい思いをして来たが、これからは同じ扱いだ」 □次号へつづく ●再生神話の郷 http://saisei.mycms.jp/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ Copyright (c) 2008 山陰 環の道プロジェクト. All Rights Reserved.


