2009/11/20
石平(せきへい)のチャイナウォッチ No.072号
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 2009.11.20 No.072号 ╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ ~誰よりも中国を知る男が、日本人のために伝える中国人考~ 石平(せきへい)のチャイナウォッチ http://www.seki-hei.com ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ =★==========================================================★= ■ 「時限爆弾」となる「蟻族」の行方 ■ =★==========================================================★= 10月31日付の『中国青年報』は、 アモイ市公安局の翔安支局が政府サイトに掲載した 一通の「人員募集要項」で話題騒然となったと報じている。 公安局職員食堂の「野菜洗い係」1人を募集するのに、 「大卒以上の学歴」を要求しているからである。 それがネットなどで取り上げられると、 全国の大卒たちはいっせいに憤慨してみせたが、 このような「募集要項」が政府機関から堂々と出されたことは逆に、 大卒の直面する厳しい就職事情を物語っている。 実はここ数年、大卒の就職難は深刻な社会問題となっている。 ある葬儀屋からの5人の人員募集に500人の大卒が殺到した話とか、 蘇州市の公共トイレの清掃係募集に大卒が多く応募してきた話とか、 就職前線の厳しさを伝えるエピソードがよく伝わってくる。 2007年度の場合、中国経済は12・9%の驚異的な 成長率を上げているのに、同年度大学卒業生の約3割が 就職できなかったことは中国政府の認めたところである。 今年は、教育部が発表した大卒の就職率は68%だが、信じる人は誰もいない。 それは単に、上からの「就職ノルマ」を課せられた大学側が、 卒業証書の発行と引き換えに卒業生に 「就職証明書」を強要したことの結果に過ぎないことはよく知られている。 たとえ政府が言う通りの「就職率68%」であるとしても、 それは今年度の大学卒業生610万人のうち、 約195万人が就職できていないことを意味する。 過去5、6年間もずっとこの調子だから、 大卒失業者の累計人数は膨大になっていると推測できよう。 大卒失業者はどういう生活を送っているのか。 10月30日付の『中国経済時報』は生々しい記事を掲載している。 北京の郊外には今、約10万人以上の失業状態 あるいは半失業状態の大卒たちが住んでいるという。 彼らは暖房も浴室もトイレもない狭い一室に住み、 自炊しながらやっと食べていけるような生活を強いられている。 もちろん北京だけでなく、全国各都会にも このような人たちが大勢いることが北京大院生の調査で判明している。 彼らのことは「蟻(アリ)族」と呼ばれている。 実は筆者の親戚(しんせき)の中でも「蟻族」となった若者が現にいるから、 上述の新聞記事はけっしてウソ偽りでないことがよく分かる。 大量の「蟻族」の存在は、政権にとっては頭痛のタネであろう。 近現代にいたる中国史上、富と権力から疎外された若き知識人は 常に反乱や革命を起こす中核となっているからである。 現在の「蟻族」の場合、エリートだと自任しながら社会的立場もなく 貧困層同然の生活を強いられる一方、国内の富豪たちの超セレブ生活ぶりや 権力による腐敗の氾濫(はんらん)を目の当たりにしていては、 心の中は穏やかであるはずはない。 彼らの多くは、この社会がどこかで間違っているのではないかと、 政治や社会全体のあり方に懐疑の目を向けていくだろうが、 それはすなわち、「革命思想」の芽生となるのである。 予想できる近未来に中国の就職事情が改善されることはまずない。 07年度に13%近くの成長率を上げながらも 3割程度の大卒が就職できなかったことは上述の通りだが、 今後は「8%成長」がかなえられるかどうかがおぼつかないような状況だから、 就職難はむしろ長期的な傾向となろう。 その中で、人数がますます膨らんでいく「蟻族」の不平不満はいつになって爆発するのか。 それはまた、中国社会の抱える「時限爆弾」の一つなのである。 ( 石 平 ) □PR■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□ ■□■遂に発売開始! 谷沢永一が司馬遼太郎を熱く語る! □■ □■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■□ 「この作家の登場でわが国は初めて最も成熟した人間理解を得た」 そう断言する谷沢永一による初の語り下ろしCD。 司馬作品を語るにこの人をおいてなし。 希代の読書人が熱く語る、最初で最後の司馬遼太郎論。 日本人という不思議な人間を考えつくしたこの作家の、 思考の精髄とはなんだったのか! このCDの中で、谷沢永一は、 「司馬遼太郎作品はつまり、天晴れな男の系譜であるわけで、 そのことをよく読めば、なるほど、この世の中で人間と接触するためには どのような工夫をしたらいいかということが、 自ずから会得できるようになっているわけです。」 「司馬遼太郎の生涯のテーマは何かというと、日本人が日本の社会において 生きていくためにはどういう思案、工夫が必要であるかということを語るのが、 これが司馬遼太郎一代を通じてのテーマであった」 と語ります。 生前の司馬遼太郎氏と親しく交わり、 余人では到底知り得ない、司馬遼太郎の本当の姿を知っているだけに、 その司馬評は、他の追随を許しません。 司馬遼太郎が書斎を公開した数少ない友人谷沢永一。 常に鋭い洞察で人間の機微を解き明かしてきた谷沢永一が 司馬遼太郎を如何に料理するか! このCDの中でしか聴けない、興味深い話題が満載です。 この機会に、ぜひ、ご自身でその逸話の数々をお確かめ下さい! ■ 谷沢永一CD:: 司馬さんと「坂の上の雲」を歩く ■ 作家 司馬遼太郎と親交の深かった評論家 書誌学者である谷沢永―が、 「坂の上の雲」の時代を読み解き、司馬遼太郎の知られざる一面を披露する。 「坂の上の雲」をさらに楽しく理解し、人間 司馬遼太郎を知る永久保存版! ▼Disc1 「坂の上の雲」の時代を生きた人々 【 Disc1の主な内容 】 ・「坂の上の雲」で司馬遼太郎が本当に勝利したのか ・司馬が批判した参謀たちのもう一つの見方 ・正岡子規が日本に残したもの ・「人間通」と近代に生きた人々 など ▼Disc2 司馬遼太郎という人物と作品 【 Disc2の主な内容 】 ・日本人の生き方を模索し続けた司馬さん ・人間通、司馬遼太郎という人物 ・司馬作品に書評を書く(司馬さんとの出会いと親交) ・司馬遼太郎の表現力の巧みさ ・人間通、司馬遼太郎の作品たち など お申込みはこちらからどうぞ! ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 「谷沢永一公式サイト」 http://www.tanizawa-eiichi.com/ □PR■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□ ■□■「渡部昇一の昭和史 松本清張と私」全3巻CDセット □■ □■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■□ TVや雑誌で見る著名な評論家や知識人と言われる人の発言でも、 「なぜか薄っぺらな気がする」 と違和感を感じたことはありませんか? それは「歴史認識やそこからくる哲学がないから」 と思った場合ではないでしょうか? 祖先に対する尊敬の念だけでなく、 歴史に対する正確な知識や見解なくして 哲学のある意見だとは言えません。 昭和の文豪と呼ばれた、松本清張。 彼は膨大な資料を調べ上げ、 見事なまでに詳細にドラマを構築し、 昭和の闇に迫るミステリーを多く残しました。 しかし、そんな松本清張でも 残念ながら昭和史の理解不足、取り違いを多く犯しています。 著作をすべて初版で読んできたという、 松本清張ファンである渡部昇一が、 松本清張に対する違和感を解明します。 清張はじめ、近年の評論家や知識人の多くが取り違えた 昭和史観の項目に迫ります。 「ここがわからないと、昭和史がわかりません。」 このCDでは、そんなポイントをあげて、渡部昇一が語ります。 猪木正道氏はじめ、近年では保坂、半藤氏らはじめ、 昭和の論壇をつくってきた先生方でも取り違えてきた 昭和史のねじれを学びましょう。 このCDを買っても意味のない人がいます。 * 共産党員の方は聞き込むことができないでしょう。 * 社会主義を信望したい人にも不向きでしょう。 * 日本を外国に攻め込んでもらったりして欲しい と思っていると絶えられないでしょう。 上記の人には全く不向きですが、 日本人としての誇りを感じて生きて行きたい とお考えの方は、安心してください。 お申込みはこちらからどうぞ! ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 『渡部昇一の昭和史 松本清張と私』 http://www.watanabe-shoichi.com/sw3cd.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◆ 石平(せきへい)のチャイナウォッチ ◆ ◆ 発行者へのご意見:http://www.seki-hei.com/contact/ ◆ このメールマガジンは、「まぐまぐ」を利用して配信されています。 ◆ このメールマガジンの友人、知人等への転送は自由です。 ◆ ただし、ヘッダ・フッタ付きで転送してください。 ◆ 配信停止は、http://archive.mag2.com/0000267856/index.htmlからできます。 ━…━…━…━…━…━…━…━…━ http://www.seki-hei.com/ ━…━



