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誰よりも中国を知る男が、日本人のために伝える中国人考。来日20年。満を持して日本に帰化した石平(せきへい)が、日本人が、知っているようで本当は知らない中国の真相に迫る。

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2009/10/16

石平(せきへい)のチャイナウォッチ No.068号

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2009.10.16 No.068号
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~誰よりも中国を知る男が、日本人のために伝える中国人考~

石平(せきへい)のチャイナウォッチ

http://www.seki-hei.com
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  ■ 日本人に健全な国防意識必要 ■
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10月1日、中華人民共和国建国60周年の記念日に、
中国政府は天安門広場を中心に盛大な祝賀祭典を執り行った。
その「目玉商品」の一つはやはり、独裁国家ならではの大掛かりな軍事パレードだった。

身長や体格などで選び抜かれた解放軍士官と兵士からなる陸海空3軍の方陣が
意気揚々と天安門広場を闊歩(かっぽ)した後、最新型遠距離ミサイルから
最新型主力戦車までの精鋭兵器が次から次へと登場してきて人々の目を驚かせた。

パレードを中継した中央テレビの画面からアナウンサーの興奮気味の声が流れてきて、
「わが偉大なる解放軍」に対する最大限の賛美と、
「実力をもってわが国の平和を守ろう」とする決意のほどが語られた。

最精鋭兵器の誇示へのこだわりから見られる「武力崇拝」と、
軍と軍人への手放しの賛美の2点は、この軍事パレードのモチーフであるようだった。

テレビでパレードの様子を眺めながら、私が思いだしたのは、
この1週間前、ある日本人の評論家先生と一緒に訪ねた、
北京市内の中国人民革命軍事博物館のことであった。

博物館の展示は「兵器館」と「戦争館」の2つのジャンルからなり、
兵器館では上記のパレードと同様、
ありとあらゆる兵器(あるいはその模型)が陳列されていて、
「実力とはこういうものだ」と言わんばかりの展示であった。

そして「戦争館」では、解放軍が誕生して以来戦ってきた
戦争の遍歴が時代順に展示されているが、その最大の特徴は、
解放軍が戦ったすべての戦争が「正義の戦争」としてたたえられていることである。
武力への礼賛とともに、戦争そのものに対する正当化と賛美は
ここでの展示の主題であることは明らかだ。

館内には地方からやってきた青年たちの姿も多く見えた。
この博物館の展示内容によって象徴されているような
「軍事教育」と「戦争教育」を受けている
中国の若者たち、あるいはテレビの前で例の軍事パレードを観覧した中国の人民たちは、
「軍」と「戦争」に対してマイナスイメージを決して持たないはずだ。
おそらく彼らから見れば、戦争はむしろ称賛すべき「正義の行為」であり、
軍は誇るべき英雄の集団であろう。

このような戦争観と軍に対する意識は、戦後六十数年間、
わが国日本で流布しているものとはまさに正反対である。

「戦争と平和」をテーマにした日本各地の博物館や展示館では、
「戦争はすなわち悪・軍は悪玉」というのが“定番”となっており、

政府が武力誇示や戦争賛美のために東京都内で
軍事パレードを行うようなことは決して許されない。
その結果、一般の日本国民や若者たちの
「戦争」と「軍」に対する意識と感情は、中国人のそれと対極にあるはずだ。

このよう状況下でもし、両国の国民が全面戦争にでも突入してしまう場合、
どちらの方が勝つのかは自明のことではないのか。

もちろん、筆者の私は別に日中間に戦争が起こるべし
]とは毛頭にも思っていないし、
日本は中国流の「武力崇拝」や「戦争賛美」に倣うべきだと勧めているわけでもない。
平和は何よりも大事であるとは思うが、
そのためにも、2つのことだけ、ここで言っておきたい。

それは、日本の隣には、戦争と軍を常に賛美している軍事大国の中国が現に存在していること。

そして、このような中国を相手にして日本の平和を守るためには、
われわれもある程度、抑制力としての実力と健全なる国防意識をもつべきこと、との2点である。

( 石 平 )



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