2009/05/18
石平(せきへい)のチャイナウォッチ No.044号
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2009.05.18 No.044号
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〜誰よりも中国を知る男が、日本人のために伝える中国人考〜
石平(せきへい)のチャイナウォッチ
http://www.seki-hei.com
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中国学者が危惧する中国の「アメリカ属国化」
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最近、米中関係の緊密さ、あるいは「米中一体化」を表すのに
「中米国=チャイメリカ」とう言葉が流行っている。
もともとアメリカ人の考案した新造語であるが、
一部の親中的な日本人ジャーナリストなどもそれを愛用していて、
中国という国の「偉さ」や大事さを主張するのに使っているのである。
当の中国自身にとって、それはむしろ、
「褒め殺し」ともなるような不本意な表現なのであるかもしれない。
実際、いわば「中米国」という言葉の背後の意図にたいする
警戒を唱える論調が、中国国内ではすでに出ている。
たとえば、中国の有名な論壇誌である『半月談』は4月28日発売号では、
銭文栄という学者によって書かれた、
「“米中国”の意図するところは、中国をアメリカの属国にたらしめることだ」
と題する署名論文を掲載している。
論文は冒頭から、アメリカ人の唱える「米中国論」というのは、
一時前の「中国脅威論」とは同工異曲のものであって、
その意図するところはすなわち中国の封じ込めと弱体化であろうと指摘している。
要するにこの論文から見れば、いわば「米中国」という構造の中では、
中国はもっぱらアメリカの消費を支える生産者として位置づけられていて、
事実上の経済的属国だと見なされているからである。
つまり、中国人が汗をかいて安物の商品を作って
アメリカに輸出してアメリカ人の消費欲を満足させる一方、
稼いだ外貨のかなり大きな部分は
結局アメリカの国債を買ってアメリカ経済を支えている。
中国の役割は、
あたかも女王蜂に一所懸命奉仕する働き蜂のようなものとなっている。
だからこの論文は、「米中国」は中国にとって有害無益である
と断言した上で、経済以外の国際戦略の面においては、
いわば「米中一体化」はむしろ中国に致命的な損害を与えるのではないか
と危惧している。
論文の指摘した「中国への損害」は主に次の二点である。
1「米中国」という言葉の独走によって、
中国と多くの発展途中国との関係に亀裂が生じてきて、
結果的には国際社会における中国の孤立化と弱体化を招く
(つまり、いわば「米中国」論は、
中国と多くの発展途中国との関係にたいする「離間策」
として捉えられている)
2 アメリカの経済的属国となったことで、
中国の将来の発展が大きく制約されるのである。
つまり、「米中国」という経済構造の中で、
中国が常に低付加価値の日用消費品を生産する役割となるから、
中国の技術力が上昇できずにして二等国の立場に甘んじるしかない。
すべてはアメリカ人の思うつぼなのである。
以上は、『半月談』論文の概要であるが、中国国内の学者は案外、
「米中国」論の背後に隠されているアメリカ人の「下心」と
対米関係における中国の弱い立場を冷静に見抜いているようだ。
しかしだからと言って、少なくとも経済の面においては、
今のところ、中国はアメリカの「属国」の立場から
脱出できる見通しもないようである。
国内の雇用確保のためにアメリカ輸出向けの安物消費品を
これからも生産していくしかないし、
それで稼いだ外貨はアメリカ国債所持以外に使い道もない。
中国経済は結局、アメリカ依存型の歪な構造のままであるが、
それこそが、「米中国」というものの実体であろう。
( 石 平 )
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