2008/12/07
古典落語の世界-日本人の笑いの原点≪かわり目≫
【前置き】 早いものでもう師走。 人それぞれですが、ふと一年を振り返ってしまう月ですね。 振り返って、反省し、そして忘れる。 忘年会のシーズンでもあります。 みなさんの予定表はどれぐらい埋まっていますか? 不確実な一年の年の瀬。 悲喜こもごもの酒席。 くれぐれも過ごされませぬよう、ご留意のほどを。 ≪かわり目≫ まだタクシーなどない時代のことです。 深夜客待ちをしている人力車。 そこへ一人の酔っぱらった男性が通りかかります。 かなりご機嫌な様子です。 車夫、さっそく乗車を勧誘します。 どこへでも行きます、と。 酔っぱらい、その言葉のあげ足をとり、こう言います。 では、北海道のおばさんの家まで、と。 それはなんぼなんでも無理ですね〜。 自宅までということで、交渉成立。 酔っぱらい、車に収まります。 さて、と車を上げて走り出そうとすると、突然「ストップ!」の声。 目の前の玄関を指差し、戸をたたけと言います。 こんな夜更けに大丈夫かなぁ、と恐る恐る言われたとおりにします。 すると、玄関からおかみさんが現れます。 この酔っぱらい、なんとこの家の住人だったのです。 まだ車輪が一回り半しか回っていません。 おかみさん、遠慮する車夫に、気持ちばかりの心付けをします。 酔っぱらいの亭主、家に帰ってもまだ飲み足りない様子。 早く寝ろとのおかみさんの催促をよそに、お銚子一本だけ、とねだります。 ところがもうすっかり火をおとしてしまった後です。 今と違い、炭や薪をおこして煮炊きをしていた時代。 簡単にお湯をわかすことはできません。 なんだかんだ言いつつ、おかみさん、まだ開いている店にお銚子を手配に行きます。 おかみさんが出かけたところに、ちょうど夜鳴きのうどん屋が通りかかります。 それをすかさず呼び止める亭主。 うどん屋ですから、お湯は商売道具。 お銚子の燗を頼みます。 うどん屋さんも商売です。 商いに結びつくことを期待して、サービスします。 そればかりか、いつ果てるともつきない酔っぱらいの話に付き合います。 旦那さん、ここらでいっぱいつけましょうか? と、いよいよ商いをしようかと思った矢先です。 おれはうどんは嫌いだ、とぴしゃり。 とりつく島もありません。 散々時間を無駄にしたうどん屋さん、これ以上付き合ってはいられません。 見込みがないと知るや、次の商いに向かいます。 と、そこへおかみさんが帰ってきます。 見ると亭主が燗のついたお銚子を傾けているではありませんか。 どうしたの? あのうどん屋に。 え?でうどんは? 注文してない?! それはあまりにもうどん屋さんに気の毒。 私が一杯いただきます。 と、おかみさん、遠ざかるうどん屋さんに向かって呼びかけます。 うどん屋さ〜ん! その声を聞いたお客が言います。 うどん屋さん、あそこでお呼びだよ。 あ、あそこはだめだ。 ちょうど銚子のかわり目でございます。 ц<(_ξ_)> 【後書き】 寒い夜、夜鳴きそばの客寄せを温かいコタツで聞くのはとても風情があります。 ちょうど小腹が空いたころにいいタイミングで回ってきます。 最近では呼び声を滅多に耳にしませんし、夜鳴きそばにありつくこともありません。 こんな日本の良き風情を味わえるのは、もはや古典落語の中だけでしょうか。 ---------------------------------------------------------------------- [PR] 古典落語名作選 大全集 [DVD]落語 価格:¥ 19,234(定価:¥ 24,675) http://www.amazon.co.jp/dp/B00006G90V/ref=nosim/?tag=rakuda972-22 [PR] 大師匠 DVD-BOX 価格:¥ 16,000(定価:¥ 19,950) http://www.amazon.co.jp/dp/B000XGKZI8/ref=nosim/?tag=rakuda972-22 {PR] ちりとてちん 完全版 DVD-BOX III 落語の魂 百まで 価格:¥ 15,500(定価:¥ 19,950) http://www.amazon.co.jp/dp/B00178XEXO/ref=nosim/?tag=rakuda972-22



