2008/11/30
【月刊★医学と健康】~日常診療の現場から:人間工学からみた腰痛対策
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 月 刊 ★ 医 学 と 健 康 】 〜 日常診療の現場から 〜 (2008.11.30) ◇------------------------------------------------------------------◇ 【007 人間工学からみた腰痛対策】 産業医研修会で腰痛の話題があったので 知識の整理も含めて エッセンスを書いてみます。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ●立ち仕事の人の腰痛の特徴とは? ・ハイヒールを履いて仕事をすると腰痛になりやすい。 ・仕事中のハイヒールは3cmまでが適当。 さらにヒールも太いものが良いとのことです。 ではなぜ、ハイヒールを履く人に腰痛が多いのか? かかとが高い。 →体の重心は前方に傾く。 →膝を前に出してバランスを取る姿勢になる。 →腰が引ける。 →頸椎が前方に突き出す状態になる。 →腰に負担がかかる。 アパレル関係の職場では 高いハイヒールを履いて仕事をすることが必要。 客はヒールを履いたスタッフの姿を見て 商品の購入行動に入るので 格好の悪い低いヒールなんかを履いて仕事できない! ハイヒールを履いたスタッフを見せるのも商品の一部! ではどうするか? 休日にスニーカーを履くことを指導するそうです。 仕事中に使っていた筋肉を休日に緩めて 腹筋と背筋の緊張時間を同等にすることで改善。 ●座位の仕事の腰痛対策 ・腰痛を訴える人が多い事務の職場のケース 生理的には 立位より座位のほうが腰への負担が大きい。 (4−5腰椎の椎間板にかかる力が大きい) 腰への負担が大きい順に 最も負担が大きいのは、背もたれのないイスに座る >背もたれがあるイスに座る >立位 >背もたれありのイスに座って机に肘をつく 職場の風紀として 机に肘をついて仕事をすることが 許されているかどうか? 肘をつくことで腰にかかる重量が逃されるのでしょうね。 ●VDT作業者の特徴 目が疲れる 肩こり 腰が痛い 背中が痛い 首筋が痛い なぜこの症状を訴える人が多いのか? 同じ姿勢を続けることを強いられるから。 つまり「姿勢変換ができない」ことによると考えられています。 これを静的筋労作といいます。 屈筋群が一方的に多く使われているため疲れやすい。 屈筋とは関節を曲げる筋肉のことです。 逆に伸ばす筋肉のことは「伸筋」といいます。 姿勢変換を促す職場改善の一例:時々、イスから立ち上がるように指導。 屈筋と伸筋をバランス良く使うことが大切なんですね。 ●腰痛五悪 1.腰が高い 2.腕を長く伸ばす 3.体の傾きが深い 4.背が丸い 5.体を急にねじる 170cm 65kgのヒトで 腰椎の椎間板圧迫力が 3400N(ニュートン)を越えると悪いといわれていますが 半分の1700Nでも30秒続けると危険だとわかってきました。 荷物重量の安全限界は20kg前後。 同じ重さでも小さい物の方が腰への負担は少ないそうです。 アームの法則: 肘を直角にしたときの床から肘までの高さを作業点にすれば 作業するときの体の負担が軽いそうです。 台所の流しの理想的な高さとは? シンクの縁ではなく底の高さが理想的な作業点。 道具や部品を置くときの理想的な位置は、 肘の高さで、 肘を直角に曲げたときの前腕を半径とした弧の内側。 決して腕を長く伸ばした範囲ではない。 物を取るとき垂直の動きを水平の動きに変えることで 腰への負担を軽減できる。 ”KAIZEN”は国際語。 ドイツやフランスの労働衛生の学術論文にも出てくる用語だそうです。 人間工学に基づいた作業管理が 職業病を予防する第一歩であるとのことでした。 ご意見ご感想をお寄せください。 答えられるかどうかわかりませんが ご質問もお寄せくださいね。 今後の配信は、 ご意見ご感想、ご質問に対する回答は ラジオ(音声ファイル)で、 健康についての話題はテキストでお届けしたいと思います。 ラジオでご紹介させていただく場合は ハンドルネームをお書きくださいませ。 ラジオ紹介不可の場合もその旨をお書き添えくださいませ。 ◇------------------------------------------------------------------◇ 【TOSSYの近況報告】 ひょんなことから県立看護科学大学の講義の依頼が飛び込んできた。テーマは 在宅医療概論、講義単位4単位、計3時間の枠である。実際の話を聞いてみる と在宅医療概論の中でも、制度や法律、在宅医療の動向といった総論を認定看 護師講座で講義してほしいとの依頼である。 生活習慣病の診療を中心に据えているクリニックで私は在宅医療を片手間でや っている一般医家にすぎない。特に概論中の総論なぞを講義できるほど在宅医 療について広範囲な知識があるわけではない。 さらにこの「制度、法律、在宅医療の動向」という分野は私の最も苦手とする 範囲で、こちらが教えを蒙りたい位、理論的知識は皆無に近い状態で、お恥ず かしいながら実際の臨床を担当していたのである。 私のような現場の一般臨床家が、専門看護師講座で、このような分野を大上段 に講義してもよいのだろうかとの懸念が瞬間頭をよぎったが、懇意にさせてい ただいている近隣医療機関の事務長さんからのせっかくの依頼である。有り難 く引き受けさせていただくことにした。 後日、看護科学大学の担当教諭の方から講義依頼の詳細を聞くことになった。 今までの概論の講義レジュメを見せてもらうと、統計資料や厚労省からの通達 といった文章解釈の内容がほとんどで、臨床的な内容は皆無であった。 概論を講義された講師は医師ではなかったようだが、それでも、大学教授や役 人が講義するのが適任であるかの内容で、内心これは困ったぞという印象であ る。 しかし乗りかかった舟、それに担当教諭の方の後進教育に賭ける真摯な態度を みて、このような私でもお役に立てるならばという気持ちでお引き受けするこ とを改めて決意したわけである。 3時間の講義時間から逆算して、1枚3分ならば約60枚のプレゼンシートが 必要、講義までの残された時間は4週間、でも最後の1週間は講義練習で確保 しておきたい、ならば3週間で60枚、1週間に20枚のプレゼンシートを書 く算段になる。こうして日曜日たんびに講義用のスライド作りが始まったので ある。 資料はネット上にいくらでも転がっているだろうと高をくくっていたが、いざ 始めてみると、これが意外と大変な作業となったのである・・・ 次号に続く・・・ ---------------------------------------------------------------------- 【注意・免責事項】 ●一般の方向けの内容なので、厳密な医学用語は使用していません。 ●医学的な専門性から考えた場合に表現の異なる場合もあると思われますが、 なるべく平易な表現を使用するようにしてあります。 ●個別の健康相談を行うものではありません。 ●体の状態は個人によって異なっています。現在治療中の方はかかりつけの 主治医と相談をしてください。 ●ご自分の責任の範囲でご利用ください。記載内容を利用し生じた結果につい て、当方では責任がとれませんのでご了承ください。 ─────────────────────────────────── 【 月 刊 ★ 医 学 と 健 康 】〜日 常 診 療 の 現 場 から ─────────────────────────────────── 当メルマガは「まぐまぐ」を使用しています。 メルマガの解除はコチラから。 http://www.mag2.com/m/0000267242.html ○私のプロフィールはコチラ→ http://med-info.jpn.org/r.cgi?profile ■発行者 tossy Koyanagi 「からだの博物館」→ http://med-info.jpn.org/r.cgi?hakubutukan 【音声ファイルの著作権は発行人が有しています。無断転用を禁止します。】 Copyright(C) 2006-2008 tossy Koyanagi, All Rights Reserved. ---------------------------------------------------------------------- (裏) あっという間に今年も師走へ突入。 27日に帰省しますのでボクと遊んでくれる方、宜しくお願いしまぁ〜す。


