2008/07/26
【月刊★医学と健康】~日常診療の現場から:臨時増刊:血糖値と生活習慣病
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 月 刊 ★ 医 学 と 健 康 】 〜 日常診療の現場から 〜 (2008.7.26) ◇------------------------------------------------------------------◇ 【003 血糖値と生活習慣病】 先日参加した医療講演会で 生活習慣病のトピックスを聞いてきたので 面白い話題をかいつまんで読者の皆さんに報告しますね。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ●小さな脂肪細胞と大きな脂肪細胞 脂肪細胞とは皮下脂肪や内蔵脂肪の 「脂肪」の元になっている細胞。 脂肪細胞になる前の前駆脂肪細胞が成長して 小さい脂肪細胞ができる。 この小さい脂肪細胞は アディポネクチンなどの善玉物質を出して 筋肉がブドウ糖を取り込んで エネルギー源にするのを助けています。 それから この小さい脂肪細胞は レプチンという善玉物質を分泌します。 このレプチンは ヒトの満腹中枢に働きかけて 食欲を抑える働きをしてくれます。 この小さい脂肪細胞から分泌されている アディポネクチンやレプチンは これ以上太らないようにさせてくれる 善玉のアディポ サイトカインと呼ばれています。 ところが、過食が続くと、 小さな脂肪細胞が大きな脂肪細胞に変わってしまう。 この大きな脂肪細胞は TNFαなどの悪玉物質を分泌する。 このTNFαは炎症性サイトカインと呼ばれている物質で、 筋肉でブドウ糖の取り込みを悪くして 糖尿病の原因になります。 これを難しい言葉でいうと 「インスリン抵抗性」といいます。 だから「食べ過ぎ」によって 小さな脂肪細胞を大きな脂肪細胞に成長させないことが 大切なんですね。 ●空腹時高血糖と食後高血糖はどちらが悪い? 糖尿病の診断で普通に行われるブドウ糖負荷試験。 75gのブドウ糖が含まれているジュースを飲む前と 飲んだ後で血糖値を測る検査ですね。 正常値は、 空腹時血糖値が110未満かつ、 2時間後の血糖値が140未満。 糖尿病型は、 空腹時血糖値が126以上または、 2時間後の血糖値が200以上。 この間にあるのが境界型ですね。 境界型には2つのタイプがあって、 空腹時血糖が110〜126までのIFGと、 2時間後の血糖値が140〜200までのIGTがある。 つまり、 IFGが空腹時高血糖、 IGTが食後高血糖に当てはまると考えれば わかりやすいかもしれません。 で、2つの境界型を比べてみると 食後高血糖の方が心血管イベントの率が高い・・・ つまり、食後の血糖が高いほうが 心筋梗塞や脳卒中になる可能性が高いということです。 ●良くない生活習慣は何を引き起こすか? 食べ過ぎによって起こることは・・・ インスリンを分泌する能力が高い人は肥満になる。 高インスリン状態からインスリン抵抗性がおこり、 高血圧や脂質異常を発症して、 メタボリック症候群となっていく。 インスリンの分泌能力が低い人は 糖尿病になってしまって メタボリック症候群にはなりにくい。 インスリンの過剰な分泌を抑えるためには 食物繊維を取ることと、 食後1〜2時間に約1時間のウォーキングが勧められる。 お米の3割を麦に変えるのも食物繊維を取る目的で良いそうです。 つまり「麦飯」ですね。 それから、 運動をするのは、やはり食後が良いそうです。 血液中のブドウ糖などのエネルギー源が 運動中の筋肉に取り込まれて 有効活用されるのでしょう。 ●これらのことから生活習慣で悪いことをまとめると・・・ 朝飯抜きで出勤し、 昼は立ち食いソバ。 その後は会議で座りっぱなし・・・ 家に帰ると夕飯をドカ食いし、 食べたらすぐ寝てしまう・・・ このような生活習慣が続くと 誰がみても病気になりそうですよね・・・ また長くなってしまいました。 今回はこの辺で。 ご意見、ご感想をお寄せください。 正確に答えられるかどうかわかりませんが、 ご質問もお受けしています。 ご意見・ご感想・ご質問には 音声でお答えさせていただきますね。 ハンドルネームを添えてくださいませ。 ◇------------------------------------------------------------------◇ 【TOSSYの近況報告】 ◎ ムード音楽について 先日、ムード音楽の巨匠、レーモン・ルフェーブル氏が亡くなった。 ついこの前、同じフランスのポール・モーリア氏が亡くなったことを思うと、 これでムード音楽の大御所がほとんど亡くなってしまったことになる。 彼らの音楽は、弦を中心としたオーケストラにリズムセクションを加えたイン ストゥルメンタル・サウンドである。 映画音楽やシャンソンなどのムード音楽を、よりポップなサウンドに発展させ た「イージーリスニング」という音楽ジャンルを確立したのがこの2人だと言 われている。 この分野において、フランスではこの2人以外に、フランク・プウルセルとカ ラベリが、アメリカではパーシー・フェイスが有名である。 ジェットストリームのテーマ「ミスターロンリー」で有名なフランク・プウル セル・オーケストラは、まだムード音楽の要素を残したやや古典的な演奏を得 意とする。 一方、3連符のコードが印象的な「夏の日の恋」が大ヒットしたパーシー・フ ェイス・オーケストラは逆に、ビッグバンドにストリングスセクションを足し たようなジャズの要素が色濃いアメリカ的なサウンド。 フランク・プウルセルとパーシー・フェイスのお二人は、すでに他界してしま ているけど・・・ 今のデジタルオーケストラサウンドの世界を見ていると、彼らを越えるアコー スティックなイージーリスニングの編曲者は出てこないだろうと思う。 音楽における一つの時代が終わった感じがして残念である。ルフェーブル氏の ご冥福をお祈りします。合掌。 さて、クラシックピアノから音楽に触れた60年生まれの僕が、始めてポップ スの世界に出会ったのはビートルズでもなければ、カーペンターズでもない。 ましてや当時、歌謡曲などは自宅のテレビで見たこともない。 耳にする音楽といえばクラシック音楽だけだった僕が、始めてポップスに触れ て衝撃を覚えたのは、今回亡くなったレーモン・ルフェーブル・グランド・オ ーケストラが演奏する「シバの女王」を聞いた時だった。小学6年の時である。 なんと言っても新鮮だったのはエレキベースに乗る弦。弦のアルペジオが織り なすコードを明瞭化するベースのルート音。 官能的(←当時はこんな事実は知らないけど。)なスキャットと共に華麗なコ ードが8ビートで進行していくポップスサウンドに始めて触れた瞬間であった。 もちろん、小6の時はコードなんてものは知らなかったし、そもそもエレキベ ースなる楽器自体を知らなかった。 あの低音部のブ〜ンと響く楽器は何だろう??グリッサンド(←もちろんこん な用語も知らない)って凄い奏法だなぁ・・・ピアノじゃできないぞ、こんな 演奏! まるで、地面を這う事しかできない蟻が、大空を飛べる鳥に変身したように、 平面の世界が3次元に急に広がった感じがしたものである。 ここで一つ断っておくけれど、クラシックピアノの世界が2次元だと言ってい るのではなくて、自分の感性の対象が広がったという意味です。ハイ。 ここで僕なりに、この時代に活躍したイージーリスニングの巨匠、モーリアと ルフェーブルについて雑感を述べてみたいと思う。 ポール・モーリアとレーモン・ルフェーブルは共にフランスのイージーリスニ ングを代表するアレンジャーであり、彼らが活躍した時代もほぼ重なっている。 「シバの女王」はルフェーブルによるアレンジが有名だけれども、モーリアも この曲を編曲している。 彼ら2人のアレンジを聞き比べてみると、同じ原曲であってもこの両者の演奏 のテイストは全く違っている。聞く人でそれぞれ好みがあるので、2人は競合 はしなかったのだろう。 では、この2人の編曲者におけるアレンジの違いを考察してみよう。 まず、メロディーラインの楽器。モーリアは鍵盤楽器と弦が主である。鍵盤は ピアノ、チェンバロ、シンセサイザー。一方、ルフェーブルでは、木管・金管 と弦が主旋律を取ることが多い。管楽器ではオーボエ、フルート、クラリネッ トが多かったかな? アンサンブルの技法も両者では全く異なっている。モーリアのブラスセクショ ンは歯切れよい16分音符でシンコペーションを多用しノリの良さを演出。弦 は16分音符の小刻みなアルペジオが心地よい。 この小刻みなストリングス・アルペジオは「オリーブの首飾り」の後半部で堪 能できるので、良かったら聞いてみてください。 一方のルフェーブルのアンサンブルでは、必ずと言って良いほど、倍音豊かな ホルンが白玉を響かせて奥行きある空間を作っている。メロディーを取ること も多い弦は、2部で呼応するように響いて、左右に広がる安定感のある音場を 作っている。 この左右に広がるストリングスは「シバの女王」の前半部で聞いてみてくださ い。なかなかイケてますよ! ● シバの女王 http://jp.youtube.com/watch?v=ZnkFKylOrzU リズムセクションは、モーリア特有と言っていいかもしれないが、曲途中でパ ターンの変更が現れることがある。うまくいけば斬新な感じを与えることがで きるが、聞いている方としては、アレっと思うこともタマにある。 レーモン・ルフェーブルのリズムセクションはポール・モーリアのそれに比べ ればおとなしい印象だが、決して手を抜いているわけではなく、「スターウォ ーズのテーマ」のアレンジを聞けば、かなりアグレッシブなリズムを刻んでい ることもある。 モーリアはおちゃめで、何でも果敢に自分のイメージでアレンジにチャレンジ していたけれども、ルフェーブルは、既成のアレンジを越えられないと思った 曲は演奏しなかったのではなかろうか?(と僕が勝手に思っている。) ルフェーブルはモーリアのアレンジの極致であると僕が勝手に思っている「オ リーブの首飾り」(←手品の定番)や「エーゲ海の真珠」といった楽曲のアレ ンジには手を出していない(はずである)。 ● エーゲ海の真珠 http://jp.youtube.com/watch?v=KB17WyBrvdE ● オリーブの首飾り http://jp.youtube.com/watch?v=KhmBT6G1Qqg&feature=related うん、この2つの曲はポール・モーリアの世界でしょ?やっぱり! 「シバの女王」はルフェーブルが最も得意とする曲想だと思うけれども、モー リアも独自の世界でアレンジしていますね・・・ ディスコバージョンもありますよ!これはちょっとやりすぎじゃないかと思っ たりもしますが・・・ ---------------------------------------------------------------------- 【注意・免責事項】 ●一般の方向けの内容なので、厳密な医学用語は使用していません。 ●医学的な専門性から考えた場合に表現の異なる場合もあると思われますが、 なるべく平易な表現を使用するようにしてあります。 ●個別の健康相談を行うものではありません。 ●体の状態は個人によって異なっています。現在治療中の方はかかりつけの 主治医と相談をしてください。 ●ご自分の責任の範囲でご利用ください。記載内容を利用し生じた結果につい て、当方では責任がとれませんのでご了承ください。 ─────────────────────────────────── 【 月 刊 ★ 医 学 と 健 康 】〜日 常 診 療 の 現 場 から ─────────────────────────────────── 当メルマガは「まぐまぐ」を使用しています。 メルマガの解除はコチラから。 http://www.mag2.com/m/0000267242.html ○私のプロフィールはコチラ→ http://med-info.jpn.org/r.cgi?profile ■発行者 tossy Koyanagi 「からだの博物館」→ http://med-info.jpn.org/r.cgi?hakubutukan 【音声ファイルの著作権は発行人が有しています。無断転用を禁止します。】 Copyright(C) 2006-2008 tossy Koyanagi, All Rights Reserved. ---------------------------------------------------------------------- (裏) 昨日は大学時代の親友と夜1時まで飲んでいました。 2次会で立ち寄った更科ソバは旨かった! 九州で更科が食べられるとは思わなかったなぁ・・・ それから、お盆の帰省予定、患者さんの容態が思わしくないので、 帰れないかも??


