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ニュースでよく登場するイラン。しかし、核問題、誘拐事件、経済制裁など悪いことばかり。そんなイランの本当の姿を、2003年の大地震後、支援活動で2年間現地に滞在し、その後も現地で活動を続けるNPO代表の筆者が政治、経済、文化など、様々な面から語ります。

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2009/12/24

大久保信寛の”What is イラン?”(第80号)-厳しい経済状況下でも生き抜くイラン人のたくましさー

発行人の大久保信寛です。

いよいよクリスマスですね。

日本では、いつからこうなったのかよくわかり
ませんが、この時期、世間は、クリスマス一色!
某アメリカ系のコーヒーショップでは、クリスマスの
1ヶ月以上も前から、店内に流れるBGMは、クリスマス
ソングのみといった状態です。

イランは、イスラム教シーア派を国教にしている国
ですので、当然、クリスマス休暇もなければ、日本の
某アメリカ系コーヒーショップのように、コーランや
アザーン(お祈り開始の時間を知らせる歌)の代わり
にクリスマスソングが流れることはありません。

しかし、実は、イランでも、ロビーにクリスマスツリーを
飾っているホテルなどを見かけることがあります。しかも、
公営のホテルなのにです。規制が緩和されたのか?それとも、
単なる飾りとして、まるで気にしていないのか?・・・、

きっと、後者の可能性が高いと思いますが。
本当に、見事なぐらい、小さいことを気にしないのです。

クリスマスの話題は、これぐらいにしまして、日本では
年末に向けて、今年も仕事を失ってしまった方々などを
対象にした年越村の話題など、昨今の厳しい経済状況を
反映した仕事や収入に関した厳しいニュースが出てきて、
暗い気分になっている方もいるかと思います。

そこで、今回は、厳しい経済状況下でもたくましく、また
要領良く生きるイラン人を紹介したいと思います。

イランは、欧米諸国からの経済制裁などの影響で、近年、
20%程度の率で毎年、物価が上がるハイパーインフレの
状態が続いています。

例えば、300円だったチキンケバブ(骨抜きチキンの
串焼き)定食が、次の日、いきなり400円に値上げされて
しまったりします。

ある日、私がときどき行っていたテヘランにあるレストランに
行って、メニューをもらうと、各定食の値段のところに紙が
貼ってありました。その紙に値段が書いてあったのです。

そこで、紙をめくって(簡単にめくれるぐらいに雑に貼って
ありました)元々の値段を見ると、前回(その前の週に来たとき)
に比べて、30%以上も値上げされていました。

値上げするのは、まあ仕方ないにしても、メニューの値段の
上に紙を貼るとは、恐れ入りました。しかも、簡単にめくれて
前の値段がわかってしまいます。

しかし、給与は、このハイパーインフレのペースに合わせて
上がるわけはありませんので、当然、人々の生活が厳しく
なって、自殺者が増え・・・

というような状況にはならないのです。

細かいことを気にしないなどの彼らの性格によるところも
ありますが、その他の理由の一つに、「副業文化」があると
思われます。

日本では、従来から民間企業の被雇用者や公務員が副業を行なう
ことは、原則、禁止されてきました。ところが、近年の厳しい
経済状況を反映して、最近は、副業の禁止が緩和されてきました。
しかし、今でも、日本では、副業は、それほど一般的
ではなく、インターネットビジネス、株取引などの投資などが
行なわれている程度のようです。

しかし、イランでは、副業は、一般的です。

イランの一般的な公務員の給与は、月に、5万~6万円です。
ところが、イランの都会で、この給与では、普通に生活して
いくことができません。そこで、副業による収入で生活する
ことになります。人によっては、夫婦共働きの人もいます。

私と仕事で関わっていたある州政府の建設部門で働いていた
エンジニアは、副業として、大学で講師をやり、建設コンサルタント
会社を経営していました。彼の公務員としての給与と、これらの副業
を合わせると、彼の収入は、月に30万円程度だったと思います。

また、学校の先生は、一般的な公務員よりも給与が低く、
月に、3万~4万円しかもらっていません。しかし、彼らの
ほとんどは、家庭教師をしたり、他の学校でも教えたりする
などの副業を持っています。人によっては、夕方から自宅の
車を使ってタクシードライバーとして稼いでいる人もいます。
それらによって、十分に生活する分だけの収入を稼いでいます。

さらに、親戚同士の中が良いため、お互いに助け合って、
共同事業を開始したり、とにかく、ありとあらゆる可能性を
考えて、そしてコネを使いまくって、お金を稼ぐ手段を考え
だします。

もちろん、本業、副業ともにうまく行かずに、生活に困っている
イラン人もいますが、イラン人の多くは、「何でもあり!」の
精神で、この厳しいハイパーインフレの状態の中をたくましく
生きています。

日本には、先ほども述べましたように、仕事によっては、
副業が禁止されている場合もあるかと思いますが、厳しい
経済状況下でも、このようなイラン人の「何でもあり」という
たくましい生き方から、日本人がこの経済状況下でたくましく
生き抜くための何かを学べるところがあるのかもしれません。

今週もお付き合いいただき、ありがとうございました。(大久保 信寛)

「メールマガジン: 大久保信寛の"What is イラン?"」
 
発行責任者:大久保信寛
公式サイト:http://www.sns-japan.org
問い合わせ:info@sns-japan.org
登録・解除:http://www.mag2.com/m/0000266760.html
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