2008/11/25
CHOKO-CHOKO ~本の森からお手紙を~ No.12
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ♪♪ CHOKO−CHOKO 〜本の森からお手紙を〜 ♪♪ No.12 2008.11.25 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 皆さんにとって、ステキな日々が続きますように… 来週は、もう12月。 2008年、最後の月ですね… 玄関に飾るリースも そろそろクリスマスに衣替え☆ 先日 お花屋さんで ポインセチアを見かけました。 とっても可愛いピンク色! ぜひ、我が家に連れて帰ろうかと ワクワク 次のお休みの日を 心待ちにしています♪ +++++++++++++++++++++++++++++++++++++ ★・・・今日のお届けもの・・・★ +++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 今日お届けするのは、霧が見せてくれたお話です。 『白い人たち』(F・H・バーネット 作/砂川 宏一 訳/文芸社) まるで知らない翻訳者であっても “匂い”に従って手に取れば こんなにもステキな本に出逢うことが出来る… それを証明してくれたのが、本書でした。 …この本については、こうも言えるかも知れません。 若しかすると 素晴らしい本というものは 作者や訳者、出版社といったものなどを抜きにして “ただそれだけ”の存在で 人の心を捉えてしまうのかも知れない… それは 紙という、物質的な「体」をひとたび持つと 自らの声で、自らの想いを語り続ける 一個の「生命体」として生き続けるものなのだ、と…… 原書との出会いについて語る訳者、砂川宏一さんにも 勿論、作者のバーネットにも申し訳ないのですが この『白い人たち』に関して言えば “本そのもの”の印象しかありません。 ですから、他のバーネットの作品との比較など まるで思いもよらないのです。 本書は、本書。 ただそれだけ。 そう言い切れるだけの「何か」が 本書には満ち溢れています。 舞台はスコットランドの美しい荒野。 白い霧が流れ、その奥に秘密を隠す地、ミュールキャリー。 本書は、その荒野と霧と 霧の中に隠されているものをその目に映す 少女、イゾベルの物語です。 彼女には 彼女にだけは 「白い人たち」が見えていました… それは救いの物語。 祈りの 願いの物語。 …流れる「夢」はただ一つ。 “死というものが人々を、 まるでそれが世界中をうめつくしてしまったような 気持ちにさせることがなければ、 どんなにいいでしょう。 死が起こったときに、 まるでもう、 生命はどこにも残っていないかのように 人々が感じたりしなければ、 本当にどんなにいいでしょう。” 少女は死など信じていません。 生前に感じていた、無意味な恐怖からの解放。 少女はそれを「自由」だと告げるのです。 「白い人たち」は、それを見出したのだと… 上手には伝えられない。 とても奇妙に聞こえるだろう。 何度も何度も、少女はそう言って断ります。 …いいえ! 伝えたいことは、とてもよく分かるのです。 イザベル、あなたが語ってくれて本当によかった… あなたは、私が「ただの私」であることを教えてくれました。 今も、「その瞬間」の後も ずっと…ずっと、そうであり続けることを。 あなたが言うとおりです。 “この話のなかに深い意味を見出す人たちにとって、 これは光のなかへと通じる大きな窓を 開け放ってくれるものとなるでしょうし、 重たい荷物を持ちあげてくれるものとなるでしょう。 そうなってくれれば、 もうそれだけでじゅうぶんですー” あなたの言葉によって 恐ろしい重荷から解き放たれる人は これからも増えていくことでしょう。 …そうなのです。 イザベル、それを望む人は、本当にこの世界に多いのです。 そんな人にとって必要なのは バーネットの言葉なのではなく… …イザベル。 あなた自身。 あなた自身なのです。 誰が書いたもの。 誰が訳したもの。 誰が出版したもの。 そんなものは、求める人にとって、ただの「事項」です。 あなた。 イザベル、あなただけ。 ただ「あなただけ」が望まれているのです。 だからきっと あなたはこれからも あなた自身のままで 死など信じることなく 生き続けていくことでしょう…… +++++++++++++++++++++++++++++++++++++ ★・・・気になる新刊・・・★ +++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル 1〜3』 (スザンナ・クラーク 著/中村 浩美 訳/ ヴィレッジブックス/11月発売) 今年度に入ってから ヴィレッジブックス発行の既刊本は なかなか手に入りにくい状況が続いていたのですが… 少しずつ、解消されているようですね。 原因は、ヴィレッジブックス発行書籍の発売元が ソニー・マガジンズからヴィレッジブックスに 4月1日付けで変更されたことによります。 (ソニー・マガジンズ側のお知らせはこちら → http://www.sonymagazines.jp/info/detail.php?id=20080317_01 ヴィレッジブックス側のお知らせはこちら → http://www.villagebooks.co.jp/news/2008/other/20080401_16.html) かつての既刊本の一部は カバーにシールを貼ることで対応していますね。 さて本書ですが オリジナルは2004年に出版され ハードカバーで800ページにもなる スザンナ・クラーク45歳での処女作です。 邦訳では、3部に分けられていますね。 原書のカバーは白と黒の2バージョンがあったようですが ペーパーバックの赤と合わせて この3色を邦訳では使用しています。 それにしても、これだけ賞が並ぶとスゴイですね! ヒューゴー賞に世界幻想文学大賞、ローカス賞を受賞。 (読者やファンによる評価の方が高いのでしょうか) ヴィレッジブックスの書籍情報にはありませんが ミソピーイク賞も受賞していますね。 ガーディアン賞(Guardian First Book Award)や ブッカー賞にもノミネートしています。 ニューラインシネマは原書が出版された2004年の内に もう映画化権を獲得しました。 …こうなると、期待しない方が無理でしょう(笑) 英語ですが、サイトもあります。 アドレスはこちら → http://www.jonathanstrange.com/ 興味のある方は、見てみてください。 ショートストーリーもありますよ☆ +++++++++++++++++++++++++++++++++++++ ★・・・今日のひとこと・・・★ +++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 『図書館ねこ デューイ』 (ヴィッキー・マイロン 著/羽田詩津子 訳/早川書房) それが人生だ。 わたしたちは誰もがときどきトラクターの刃を通過している。 誰もがあざをこしらえ、 切り傷もできる。 ときには刃が深く食いこむこともある。 幸運な人は、 かすり傷とわずかな出血で終わるだろう。 だが、 それですら重要なことではない。 いちばん大切なのは、 あなたを抱きあげ、 きつく抱きしめ、 大丈夫だといってくれる人がいることなのだ。 ずっと、 わたしはそれをデューイのためにしてきたと思っていた。 それが語るべき話だと思っていた。 だから、語ってきた。 デューイが傷つき、 寒さに震え、 鳴いていたとき、 わたしはそこにいた。 わたしはデューイを抱きしめた。 万事大丈夫なように、 気をくばった。 しかし、 それは真実の一部でしかない。 本当の真実は、 あの長い歳月、 つらい日も、 楽しい日も、 人生という本物の本のページを埋める記憶にすら残らない日も、 デューイはわたしを抱きしめていてくれたのだ。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++ ◆あとがき ローソクの灯りで 冬の夜長を ゆるゆると… そんな楽しみ方も ステキなものです。 炎の精は 小さく 仄かに 舞い踊り… …心の縺れがほどけていきます。 拙い文章ですが、最後まで読んでいただいて 本当にありがとうございました。 少しでもいいメルマガにしていけたら…そう願っていますので 何かありましたら、お気軽にご連絡ください♪ それでは… これからも、皆さんがステキな本と出逢えますように… ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 『CHOKO−CHOKO 〜本の森からお手紙を〜』 ○編集 ・ 発行 チョコちょこ ○メインブログ 『チョコちょこ読書雑記』 http://mys-bird.blog.eonet.jp/ ○写真を掲載した、HTML版のメルマガはこちらです♪ http://www.mag2.com/m/0000268461.html ○ご意見・ご感想をお待ちしています♪ choko2_mag@yahoo.co.jp ○このメールマガジンは『まぐまぐ!』を利用して発行しています♪ 『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 登録・解除はこちら → http://www.mag2.com/m/0000266759.html


