小説「絡糸」  RSSを登録する

自分だけが知らない事実がそこにある。その事実は知らなくても不穏で重い何かが自分の前に暗い壁となって立ちはだかっている気配はわかる…そんな主人公の苛立ちから始まります。小説「絡糸」です。

現在休刊中です    
解除

規約に同意して

2008/06/23

再会

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

時々 昔の恋がなつかしくなる

あの時は それが正しいことだと思えて別れたはずなのに

今思うと それはとんでもない間違いだったのではないかと後悔ばか

りしてしまう。

・・・でも

ある人に言わせれば

そう思うのは 今の自分が幸せではないからなのだという


・・・そうかもしれない

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ステキな彼がほしいと思う

ステキにやさしい彼がほしいと思う

お料理も少し手伝ってくれて

少しぐらいの我儘は 笑って聞き流してくれるやさしい彼がほしいと

思う


それって、

すごく我儘なこと?

===============================================================


                     小 説

          絡    糸

===============================================================

                    再    会


 門扉を開けるために、僕は車を降りた。ギギーと油の切れたような音
がして、扉は開く。その音を聞きつけたのか、彼女が息を切らして走り
よってきた。僕と僕のブルーバードを見た彼女の驚いた顔がとてもかわ
いい。
「まあ、健太郎・・さん」
 僕は、照れながら会釈した。
彼女は、微笑んだ。しかしその微笑が、とても哀しそうにみえた。僕の
思い過ごしだろうか。
「嬉しいわ。何年ぶり?」
「ごめん、仕事でニューヨークに行っていたから」
「ええ、そうだったんですってね。後から聞いたわ」
 不思議そうな顔で助手席から見上げていた綾子が、降りてきて「紹介
してくれないの?」と、僕をせかす。
「まあ、ごめんなさい。彼女?」
「ああ、とりあえず今のね」
 綾子が腹を立てた。
「始めまして、私、篠原綾子っていいます。今日は、健太郎に誘われて
挨拶にきました」
「そうだったんですか。主人、今、留守なんですよ。でも、ゆっくりし
ていってくださいね」
 綾子は、得意げに胸を張っている。まるで私も貴女の家族の一員なん
ですと言わんばかりだ。
「奥の駐車場がひとつ空いてるわ。そちらに入れて」
 僕は、車に乗り込み、静かにエンジンをかけた。少しずつ、門扉の中
に車が入っていく。サイドミラーに彼女の顔が写っていた。彼女は、哀
しそうな目で車の後ろを見ながらうなだれた。が、すぐに、大きく肩で
息をし空を見上げた。僕には、無理に気を取り直しているように見えた。
「この駐車場、すごいね。ほら、この車ってなんていったっけ」
 綾子の奇声が、僕の思考を止めた。
「知らない。俺、車に興味ないから」
 僕は、無愛想に言った。綾子が、一瞬たじろぐのがわかった。 彼女
を前にして、僕は、どうしようもなく焦っていた。その焦りを隠すのに
必死なのだ。綾子に気を使うことなどできない。

「さあ、早く、家の中に入りましょう。寒いでしょ」
 綾子が、嬉しそうにうなづいた。
 僕は、先に行く彼女の後に続いた。綾子が、僕にしなだれかかってく
る。その綾子が、目を凝らして彼女の姿を見ている。まるで、品定めを
するかのような目つきだ。そんな綾子が、とても貪欲に見えて、僕はぞ
っとした。

 僕たちは、というより、綾子一人が居間でくつろいでいる。調
度品などを手に取っては、ふーんと奇妙にうなづきながら、綾子は
うろうろしている。
 ノックがした。綾子が、目にも止まらぬ速さでソファに座る。
 彼女が、コーヒーを持って入ってきた。
「なんのおもてなしもできないんだけど」
「気にしないでください」
 綾子は、にっこりと笑う。完全な作り笑いだ。
「夕飯一緒に食べていけるでしょ?」
「いいんですかぁ。嬉しいです」
「いや、帰りますよ」
「健太郎さん、ここに来たのは、二年半ぶりよ。久しぶりに来て、それ
はないわ」
「でも」と、僕は口ごもる。
「健太郎、ごちそうになっていこう。私、綾子さんともっといろいろ話
したいし」
 綾子が、期待しながら身を乗り出している。
「ねっ、健太郎さん、そうして」と、言う彼女の瞳が涙を含んでいるよ
うに見えるのは、僕の思い過ごしだろうか。
「わかりました」と、僕は答えた。
「うわっほー、やったぁ」綾子が、大げさに喜ぶ。
 そんな綾子を、微笑ましそうに見つめている彼女を見て、僕は、物の
はずみとはいえ、綾子を連れてくるんじゃなかったと、後悔し始めてい
た。

 彼女が、キッチンで動き回っている音が、聞こえてくる。
 綾子が、僕の耳元で言う。「彼女のスカート見た?」
「いや。何で?」
「毛玉だらけ」
 綾子が、目を輝かせている。他人の弱みを握った時の目の輝きだ。兄
の勝ち誇った時の眼に似ていて、僕はぞっとした。
「毛玉がつくほど、同じ服ばかり着ているってこと。お金あるんだった
ら、もっと、いい洋服着ればいいのに。彼女、相当なけちなのかしらね」
「けち?」
「そ、けちな女って嫌味よね。それも、お金持ちのくせに」
 彼女がけちだということは、今まで考えたこともなかったし、僕が知
っている彼女からは考えもつかないことだった。
「何を作ってくれるのやら。心配になってきたわ。けちな人が特上の寿
司なんて取ってくれないよねぇ。私、期待してたのになあ」
 以前の彼女を、僕は思い出していた。彼女は、高価だったり流行の物
は着ていなかったけれど、僕は、いつも彼女の清潔な服装に感心してい
たものだ。
 僕は、なぜか、綾子の言葉が妙に気になっていた。


                            続く

================================================================

三重の阿下喜の詩を見つけました!
阿下喜って知ってますか?

鈴鹿山脈と養老山地の間にある静かな街です。その向こうは関が原という
とても歴史のある町です。
そうそう、織田信長の時代には
神社仏閣の多くが焼き払われましたが
阿下喜もそうでした。

そして
関が原の中央突破した薩摩藩士が逃げ通った町でもあります


→http://kaikaikai1414.web.fc2.com/ageki1.html


================================================================

とてもユニークな管理人の
ためになるビジネス情報満載の部屋

「おばちゃっかりのきんちゃく袋」

→http://gogohimawari.web.fc2.com/obcya1.html

================================================================


至上の微笑北條 舞子
価格:¥ 1,575(定価:¥ 1,575)
http://www.amazon.co.jp/dp/4286042316/ref=nosim/?tag=mirai0fd-22


================================================================
現在休刊中です
解除

規約に同意して

最近の記事

上へ戻る